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11/20 今見るべきは原油の動き

こんばんは、アトレです。先週はティコさんと一生懸命予測したCPIを外してしまい残念ではありましたが、気を取り直して相場の分析を行っていきたいと思います。いつも通り、これだけ読んでいれば相場観が見につくような分かりやすいnoteを目指しております。

1.今見るべきは原油
2.基本的には上目線の継続、上昇のめど

以下は原油(WTI)の7月からのチャートです。大きな山を作ってから10月頭頃をてっぺんに徐々に山が下っている事、そしてオレンジのチャネル内で上下動を繰り返しながら下落している事が分かります。

画像引用元:Tradingview

そして次にお見せするのが米国10年債利回りのチャートです。市場の温度感を最も反映するのが10年債だと言われており、形がかなり似ている事が分かると思います。つまり、原油の弱さはの原因はシンプルに「景気の先行き不安から、景気後退=原油使用量低下」の連想からこのようになっていると解釈できます。

画像引用元:Tradingview

次にお見せしたいのが、08年のリーマンショックの時の原油の動きです。
これ結構大事です。まず、白線=FF金利、オレンジ=S&P500(SPY)、青=原油という組み合わせです。大事な局面に白色で丸を付けました。こんな流れです。
①オレンジのSP500が高金利に耐えられず急落
②経済の鈍りを感じたFRBが利上げを止めた為、白線のFF金利が停滞
③経済の悪化が織り込まれ青線の原油が低迷
④もう完全に利上げの可能性がなくなり、利下げ織り込んだSP500が先取り上昇開始。

現在の環境に当てはめると、①2022年に高金利に負けたSP500が下落、②既にFRBは利上げを7月からストップして4か月経過、③10月から原油下落トレンド、という事で①ー③は達成済、次は④の利下げの織り込みから株価上昇が起きてもおかしくないと思います。この流れが私が本命視している今後のストーリーです。仮にAパターンと呼びます。

一方で気を付けたいのはその続きのチャート。2007年7月~2009年初頭を示したチャートです。
①オレンジの株価(SP500)が天井をつけてダラダラ下落
②青の原油が天井をつけて急落
③その約2か月にリーマンショック発生で急落
つまり言いたい事は原油の下落は株価の大きな下落に先行して発生しており、「景気後退懸念」が原油価格に現れやすく、原油が急落する場面は警戒が必要という事です。今回の局面は株価上昇の方の局面に近いとは思いますが、つい最近も原油が急落しており、警戒はしておきたいものです。
この原油の低下と共に株価が下がるのをBパターンとします

次に2001年のITバブル崩壊を見てみます。やはり同じ流れです。
①株価が天井をつける
②原油が遅れて天井をつける
③更に数か月遅れて株も原油も両方下がる
利下げ中なのか、利上げ停止中なのかタイミングにズレはあれど、
株天井→原油天井→急落の順番は生きているように思えます。つまり原油が上がっている時は期待ができるが、原油が下がりだすと景気後退への注意も必要と分かります。

ではそれを踏まえて今の相場を見ます。
①オレンジの株価は直近の天井はつけた感じがある(でも近々に超える可能性あり)
②青の原油は天井をつけた(かもしれない)
③株と原油が急落(?)
ここで株価が直近高値を超えていく場合はAパターンになりそうです。金利が和らぎ、原油も値を戻しながら株も原油も上昇するパターンですね。
少し気になるのは原油が90ドル付近から15%も急落しており、一足先に景気後退を織り込んだ状態で、パターンBに至る可能性もゼロではありません。いずれにしても原油が急落するほど景気不安がある中では株価の伸びも限定的になるので、注意したいところです

投資経験の浅い方はおかしく思うかもしれませんが、現在のような高金利環境では景気不安はFRBの高金利政策の転換を呼び込みやすく、金融引き締めの終了=緩和への期待から株価は景気が悪くなるほど上がりやすいという側面があります。但し、景気悪化のスピードが行き過ぎると、マーケットクラッシュと言って、株の暴落になりやすくなります。あくまで緩やかに景気後退するというスピードが今後は大事になります。
例えば失業率が単月で一気に急騰するみたいな事が起きると「マズイ」という相場環境になりますが、緩い景気後退ならむしろ株価にはプラスに働くことがあります。

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