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8/24 ファンダメンタルズ

こんばんは、今回もティコ先生と一緒に書いております。
さて、ジャクソンホール前に一進一退の攻防の様相を呈してきました。
今回も現在の相場環境について中級者から初心者にわかりやすく解説します。

①金利について
②中国問題について

①金利について、現在は実質金利の上昇が株価を押し下げる効果を発揮していると見る事ができます。以下は実質金利のチャートですが、1.08~1.7で形成したレンジを綺麗にブレイクしております。一度ダマシを作って下落して再度のブレイクなのでなかなかの強さを感じます。

実質金利は名目金利から10年後の予想インフレ率を引いたもので、現在のような環境なら、金利が高い状態の中で将来のインフレが低下すると、インフレ率より金利が高くなり、引き締め効果という物がでます。
インフレ率より名目金利が低い時は「低金利」という状態で、お金をバンバン借りて借金しながら消費や資産購入に充てないとインフレ率に負けてしまいますので、急いで消費をした方が得だという考えになります。逆な言い方をするとそんな環境で貯金をすると、現金の価値が目減りするので損な状態と言えます。

一方で、インフレ率より名目金利が高い時には「高金利」という状態で、お金を借りると高い利息を取られるので人々が借金しにくくなり、消費が停滞するので、物が安くなる「デフレ現象」が起きやすい為、基本的には消費せずに貯金や債券に投資して時を待っていれば自然に家や車などが安くなって買い物しやすくなるので、人々が消費を敬遠しやすくなります。つまり経済が回りにくくなるという事ですね。

現在は、その実質金利がものすごい勢いで上げた後に2023年はずっとヨコヨコしていたのですが、最近上昇方向に動き出したようです。本来はこういう状態の時には消費を控え、経済が悪化するときにひたすら貯金、債券、ゴールドなどに投資して、物や株が安くなったころに拾うのが最良の策ですが、現在は経済が強すぎる状態で、なかなか景気が冷えない状態でおり、大変珍しい状態が続いていると言えます。


引用元:株式マーケットデータ

現在の実質金利の水準を過去と比較すると大体2009年の3月頃まで遡ります。これは、リーマンショック後に一気に経済が冷え込み、当時高かった名目金利に対し、一気に期待インフレ率が下がった結果、経済が崩壊しているのに金利が高すぎる状態になった為と思われます。この結果、経済が崩壊しているのに金利が高いという事で、FRBは一気に利下げを実施しています。
つまり、現在の実質金利は異常なほど強く、過去10年以上体験していないほど強い経済の引き締め効果が働いているという事になります

青字が実質金利、オレンジが名目金利(FFレート)


そんな環境という事は、一般的には利回りが高い債券への投資が得策と言われます。理由は年率4ー5%程度の利回りが約束されており、米国が潰れない限りはこの高い利回りでの運用が保証されているのは非常に魅力的と言えます。利回り保証をしているのはなかなかの買い場でありながら、現在は短期債も長期債もSP500の年間利回りが平均で7%程度と言われる中で、ほぼノーリスクの債券が毎年4-5%のバンバン売られるという展開です。つまり、今以上に利回りが上昇する可能性があり、そちらに掛ける投資家が増えていると言えるのかもしれません。あるいは米国の債券返済能力に疑問視されているのかもしれません。

<中国不動産問題>
これは意外とブラックスワンにする可能性を秘めていると見ています。
これは中国の不動産会社は日本と異なり、マンションの完成前に入居者からお金を貰い(ローンが始まり)、完成後に入居するスタイルですが、その入居予定者から得た資金でさらに次のマンション建設に使用するという、レバレッジをかけた資金運用を行っている為、本来の資金力よりも非常に高い金額を運用していた状態に等しく、ひとたびマンションの価値が下がり始めると、恒大集団の持っている資産は減少するのに負債はそのままという状態になり、且つ、顧客からの収益が減るというダブルパンチで苦しむことになります。これにより、経営破綻に追い込まれたという訳です。

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