見出し画像

パインハーストリゾート&CC コースNo.2オーバービュー


〇コースヤーデージ

No.2コース(全長 7548Y、Par70)
 1H  395Y Par 4
 2H  504Y Par 4
 3H  387Y Par 4
 4H  528Y Par 4
 5H  588Y Par 5
 6H  228Y Par 3
 7H  426Y Par 4
 8H  488Y Par 4
 9H  184Y Par 3
OUT 3728Y Par35
10H  617Y Par 5
11H  482Y Par 4
12H  486Y Par 4
13H  381Y Par 4
14H  472Y Par 4
15H  197Y Par 3
16H  530Y Par 4
17H  207Y Par 3
18H  448Y Par 4
I N 3820Y Par35
TTL 7548Y Par70

〇スコアカード

https://cdn.bfldr.com/D1UEA05C/at/5t5bsqwk3k56jnhpn5ch/NO_2_Scorecard.pdf?format=pdf

 1907年コース誕生、ドナルド・ロス設計。

〇コースの特徴

 パインハースト・ナンバー2のコース改修は2014年の「全米オープン」を、独特の大会に仕立て上げた。米国のナショナルオープンのトレードマークともいえる狭いフェアウェイと深いラフは姿を消し、“ネイティブエリア”と呼ばれる砂地と粗雑な短い芝がそれに取って変わったのである。

GDO

■ どうやってオリジナルのデザインに近づけた?

 パインハーストは北米で最も完成されたコースと称賛されている。ドナルド・ロス氏の計画が今もTufts Libraryという記念館に保管されていて、驚くものばかり。コースだけでなく街が年代ごとにどう変化したかがわかる素晴らしい写真が残っていて、1935年にグリーンの芝が変わったことを知った時は、惚れ惚れさせられたね。何かで読んだことはあったけど、実際の記録を見ることができて、とても嬉しかった。それからすぐに全米プロゴルフ選手権が開催された。その時からロス氏はグリーン、そしてグリーン周辺に着手していったんだ。
 グリーン周辺の地形を変えた彼は、つぎに窪みを作り始めた。どれも素晴らしいレイアウトだったよ。1962年の全米アマチュアゴルフ選手権を開催した時のフェアウェイ外の様子は圧巻だった。ラフがどういう形状だったかを見たくて、残されているだけの写真を見たいと思ったものだ。
 我々を導いてくれたものは2つ。コースに水を引く1本のメインラインがあったということ。これは75年前に作られたものだが、まだ正常に動いている。我々はそのシステムに注目した。ホール全体に水が行き渡る素晴らしいシステムだ。今大会までに開催された、1999年にペイン・スチュワートが優勝した大会、そしてマイケル・キャンベルが優勝した2005年の大会では、フェアウェイが素晴らしく綺麗な状態で、それは今でも変わらない。我々は、そのことに気が付かなかったんだ。
 このコースは以前と比べて、うねりが強く、複雑なレイアウトが多いので、灌漑システムをコースの各サイドに等間隔に設置した。ラフにはバミューダ芝が使われていたが、パインハーストにそぐわないと判断し、約0.16平方キロメートルの芝を刈り取った。我々が見た1945年クリスマスに撮影されたコースの航空写真は素晴らしく、今まで見た中で最も鮮明な航空写真だった。グリーンエッジの場所、バンカー、フェアウェイの境目もはっきりとわかるほどだった。
 バンカーにも手を入れた。位置は変えていないが、以前はスリリングな状態ではなかったので、メンテナンスを施した。だが、当初思っていたほどは手を加えていない。3つか4つほどバンカーを追加したが、どれも素晴らしいバンカーだ。このコースは、世界でも戦略が非常に重要となるコースの1つ。ティグラウンドから見えるフェアウェイも広くしたので、フェアウェイを狙うにもいくつかアプローチが可能になった。
 コース修復は非常に楽しい仕事だった。この仕事に携われて光栄に思う。もちろん、自分達の仕事が人々を呆れさせてしまうかもしれなかったので、プレッシャーはあった。我々が何をやっているのか気になる人も多かっただろう。もともとの状態が素晴らしかったので、自分の気持ちも相当に高ぶった。当然ビル・クーアも同じ気持ちだっただろう。私は妻を連れて1999年にパインハーストに行ったことがあった。その時、彼女には「今とは違うゴルフコースを見せよう。ここは自然が溢れるコースなんだ」と話したんだ。

GDO

■ 1999年、2005年の大会と比べて、今大会では砂地、ナチュラルエリアでのプレーは変化する?

 偉大な作家であるチャーリー・プライスは、かつてのパインハーストはフェアウェイ攻略が重要と記した。砂地の中にあるフェアウェイはオアシスであり、細いライムギ、松葉、砂、そして茂みのグラウンドこそ、当時のパインハーストを象徴するものだった。
(フェアウェイ以外では)色々な草や砂が入り交じった状態になっている。リカバリー可能なライで打てるかもしれないし、ライが悪く、出すのに苦しむ場合もある。全ては自然環境次第ということ。
 選手達には、これまで実践できなかった類のショットが求められるだろう。クラブをボールに上手く当てられれば、色々なことが試せるはずだ。多くの選手にとってエキサイティングだろうし、過去2大会とは異なる全米オープンになる。パインハーストを知る人、そして過去にプレーした人が熟知しているように、パインハーストは世界でも第2打の精度が問われるコースとして知られている。パインハーストでのプレー経験が多いほど、グリーン上での巧みな駆け引きが出来るというもの。カップ近くに寄せるべき時、あえて旗から遠目の位置にボールを運ぶかなどは、経験がなければわからないことだ。

GDO

■ グリーンにも変化をつけた?

 ほぼすべてのグリーンで草を少しだけ取り除いて、グリーン周りを広くした。

GDO

■ 修復されたパインハーストで開催される「全米オープン」に期待することは?

 私のパートナーのビル・クーアにとっては栄誉なことだと思う。彼はコースから約64キロ離れたトーマスビル(ノースカロライナ州)で生まれ育ち、若い頃パインハーストでプレーしていたからね。パインハーストは、多くのゴルファーにとって重要なゴルフコース。北米では20世紀になってからのリーダー的存在だった。このリゾート地に多くの人が訪れ、ゴルフを楽しんできた。これだけの砂地で、メジャー大会を開催するゴルフコースの設計を考えるというのは、ある種の試練でもある。ドナルド・ロス氏は、その仕事に夢中になった。砂地が多く、か細い土地が彼を駆り立てた。だからこそ彼は懸命に働いて、パインハーストNo.2は彼にとって特別なコースになった。1948年にこの世を去るまでの間、彼はこのコースに全力を注ぎ続けた。
 グリーンへのショットで判断を誤らせることこそ、パインハーストの本質。2005年の大会に出場した選手は、以前よりも余裕を持ってプレー出来ると言うだろうが、各ホールともに、フェアウェイの片側半分のどちらかでしか正答は得られないだろう。ロス氏もそう書き残していたし、コースを設計した時、彼の頭にあった理念だ。今更言うまでもないが、全米オープンではドライバーショットの精度が問われる。我々は、長期に渡り栄えるリゾートの歴史、建築学的観点、そしてこの土地に残る文化遺産のためにコース修復にあたったのであって、全米オープンのためだけではない。このコースにラフは絶対に必要とは考えなかった。必要なのは大量の水だったんだ。

GDO

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?