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2024 全米シニアオープン


1.日程及び会場

〇日程 2024年6月27日~7月1日
(※最終ラウンドがサスペンデットになったため、5日間開催)
〇会場 ニューポートGC(ロードアイランド州)
〇全長 6954Y(Par70)

2.結果

優勝 リチャード・ブランド  -13
  (シニアメジャー2勝目)

2  藤田寛之        -13
 ※ 1、2位はプレーオフ

3  リチャード・グリーン  -10

4  スティーブ・ストリッカー -9

T5 トンチャイ・ジェイディ  -8

T5 ボブ・エステス      -8 

3.全米プロシニアに次ぐメジャー連勝、遅咲きの選手ががまた快挙、リチャード・ブランド

 日曜日濃霧と荒天によるプレー中断が入り、翌月曜日まで戦いが続いた今年の全米シニアオープン。
 リチャード・ブランドと藤田寛之が13アンダーで並び決着は2Hのプレーオフに。
 しかし2Hのプレーオフでも勝負はつかず、サドンデスのプレーオフにまで突入した試合は、サドンデス2H目(18H・Par4)にブランドのグリーン左手前ガードバンカーからの第3打がピンを直撃するショットでパーを奪い、藤田がパーセーブできなかった時点で勝負は決着。
 全米プロシニアに次ぐメジャー連勝で、5日間の戦いが終了しました。

〇DPワールドツアー最年長優勝者

 1996年にプロに転向してから、これと言った成績が出ていなかったブランド。5年前にチャレンジツアーからDPワールドツアーツアーに返り咲いたのが、自身46歳のことでした。
 やっと日の目を見るようになったのは、つい3年前のベットフレッド英国マスターズでプレーオフの末に優勝。48歳で掴んだ初の栄光は、DPワールドツアー史上最年長優勝のおまけ付きでした。

〇月曜決着が奏功

 3日目まで終了し首位藤田を5打差で追いかけるブランド。
 藤田に3打差まで追いかけたところで、悪天候が近づいていることを告げるホーンが鳴りました。
 天候が回復したとは言え、今度はこれまでと違う風の吹く中で最終ラウンドの残りを開始。
 特に14H(Par4)の第2打、向かい風が吹く中でのショットがピン手前絶好の位置に付けるバーディーチャンス。
 ブランドがこれを物にしたことが、優位に試合を運べる大きなターニングポイントとなりました。

〇LIVゴルフ勢初、リーグ発足後複数メジャー獲得者

 先月行われた全米プロシニア選手権に次ぐ、シニアメジャーの連勝はこれまで3人しか達成していない大記録です。
 そしてLIVゴルフが始まって、所属選手がメジャー2冠目を獲得するのはこれが初めて。
 昨年の全米プロゴルフ選手権でブルックス・ケプカ、そして先月の全米オープンでブライソン・デシャンボーがメジャー1冠ずつ獲得しましたが、ブランドはLIVゴルフ看板選手の2人を超える偉業を達成。
 しかも今年のUSGA(全米ゴルフ協会)主催試合でLIVゴルフ勢が2冠を獲得、そしてUSGA主催1000試合目、1001試合目という節目の優勝も併せての快挙でした。
 遅咲きでも一気に開花したブランド、LIVゴルフでも味のあるプレーぶりが今後も期待できます。

4.月曜決着がアダになった、「本当は日曜で終わりたかった」藤田寛之

 競技順延までは、これまでにないくらい順調に試合を運んでいき、”完全優勝”も現実味を帯びてきた藤田寛之。
 ところが最終日の残りは、これまでない状況でした。
 曇天で風もそれほど吹いていなかったコースコンディションが、月曜は朝から強い北風が吹く、シニアオープン中では初めての状況に。
 そして日が差すなかでグリーンが次第に締まっていく、ニューポートの怖さが実感できる残り8Hでした。
 これまでフェアウェイを外さなかったティーショットも、再開後の11H(Par4)でいきなり右のラフに入れ、ここから寄らず入らずのボギーを叩くと、12H(Par4)では短いショートパットを外し連続ボギー。
 日曜日まで2つしかボギーが出なかった藤田、ブランドとの差が一気になくなりました。
 それでも終盤は凌ぐゴルフを展開しブランドとのプレーオフに持ち込めた藤田。 
 正規のプレーオフ2Hでも決着がつかず、最終18Hを繰り返すサドンデスまで勝負が持ち込まれました。
 サドンデス1H目でグリーン左サイドのバンカーから放った第3打、これを寄せきれなかったのが優勝に手が届かなかった最大の要因に挙げた藤田。
 ブランドもここをボギーにしていたことが、余計その思いに駆られてしまいました。
 結局サドンデス2H目、ブランドのスーパーリカバリーに屈する結果とはなりましたが、小柄な選手がここまで戦えたという証明にもなりました。

 悔しい思いを胸に、明後日から始まる日本プロゴルフ選手権(岐阜・富士C可児C可児ゴルフ場志野コース)に出場するため、急いで帰国の途に就きました。
 
 いつかはPGAチャンピオンズツアーで戦う青写真がある藤田、まだまだチャンスはたくさん残っています。

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