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全英オープンゴルフ プレビュー②

 今回も米国勢についてです。


1.昨年今大会3人目のレフティー優勝、今季も好調さを堅持し連覇を目指す、ブライアン・ハーマン

 身長170cmと小柄ながらも、安定したショットでフェアウェイをキープして小技の冴えでいくつものピンチを乗り越え、2日目にトップに立ってからは一度もその座を誰にも渡さず、2位に6打差をつける圧勝劇で昨年の全英オープンを制したブライアン・ハーマン。
 ボブ・チャールズ、フィル・ミケルソンに次ぐ10年ぶり3人目のレフティー優勝者となりました。
 今年は優勝こそないものの、トップ10には3度入りいずれも大きな試合ばかり(ザ・セントリー:5位、ザ・プレーヤーズ選手権:2位、トラベラーズ選手権:9位)。
 ロイヤルリバプールと全長がそんなに変わらないトゥルーンでも、ハーマンのゴルフがフィットしそうです。

2.これまでの好調さが一転大きな試合でカットが目立つここ最近、何とか調子を取り戻しトップ10の実力を見せられるか、ウィンダム・クラーク

https://news.golfdigest.co.jp/players/profile/17847/

 昨年ウェルズファーゴ選手権でツアー初優勝、その余勢で翌月の全米オープンでメジャー初優勝。いきなり世界ランクトップ10に入りトッププレーヤーの仲間入りを果たしたウィンダム・クラーク。
 今年2月のAT&Tペブルビーチプロアマで優勝、3月のプレーヤーズ選手権もあと一歩でプレーオフというところまで行き、いよいよメジャー大会が続く中でどんなパフォーマンスを見せてくれるのかと思われました。
 しかしマスターズと全米プロでメジャー2大会連続カットの憂き目を見ることになるとは、クラーク自身想定外だったでしょう。
 トラベラーズ選手権で久々にトップ10に入ったものの、昨年の躍進から見れば少し寂しい今シーズンの活躍。
 持ち前の飛距離と、新しいパッティングスタイルからの活路を見出して行きたいところです。

3.”パティ・クール”と呼ばれる位冷静なプレースタイルが持ち味な選手もメジャーは無縁、親友の初戴冠をモチベーションにすることができるのか、パトリック・キャントレー

 松山英樹と同学年のパトリック・キャントレー。12年のマスターズでは共にローアマチュア争いを演じ、キャントレーに軍配が上がりました。
 世界アマチュアランク55週連続1位に輝き、鳴り物入りでプロ転向。
 プロなりたての頃はいろいろな出来事がありつつも着実に力をつけ、17年にツアー初優勝。19年にメモリアルトーナメントに優勝すると大試合に顔を出す存在になります。
 21年のメモリアルで、モリカワとのプレーオフを制し大会2勝目を挙げるとプレーオフ第2戦・BMW選手権とツアー選手権を連勝し、20-21シーズン年間王者及びツアー最優秀選手に輝きました。
 翌シーズンはチューリッヒクラシックで親友・シャフリーと組んで優勝、BMW選手権も連覇を達成しました。
 プレー中顔色を一切変えない”パティ・クール”と呼ばれる程冷静な表情でプレーをするのが特徴で、特に小技を得意としています。
 今年はシャフリーが全米プロでメジャー初優勝を挙げたこともあるので、冷静な表情を顔に出しても、親友にメジャー優勝を先に越されたという悔しさを秘め全英オープンに向かいます。

4.昨年は”裏開催試合”でツアー初優勝、今年は堂々と表舞台に出場しレフティーの大会連覇を狙う、アクシェイ・バティア

 最近は大学に進学してからプロになるというのが一般的な流れの中、PGAツアーでは珍しい高校からプロに転向したアクシェイ・バティア。
 細身の体から繰り出されるレフティーのショットは、ギャラリーを魅了することが多々あります。
 バディアを一躍有名にしたのは、昨年のバラクーダ選手権。
 PGAツアー唯一のステーブルフォード方式を採用した大会で、パトリック・ロジャースとのプレーオフを制しツアー初優勝。
 同週開催された全英オープンではハーマンが優勝したこともあり、PGAツアー同週開催の2試合ともレフティーが優勝するという珍事を起こした張本人となりました。
 今シーズンもバレロテキサスオープンでこれまたプレーオフを制しツアー2勝目、翌週のマスターズに滑り込みで出場権を得ました。
 中南米の試合で風の中でも苦にしないプレーを見せるバティア、スコットランドのリンクスでは果たしてどうなりますか。

5.全米オープンでトップ10に入った勢いが続きPGAツアー初優勝、出場権をゲットして一気に頂上を目指す、デービス・トンプソン

 昨年ツアーデビューを果たしたデービス・トンプソン。
 デビューしていきなりザ・アメリカンエクスプレスで優勝かと思われましたが、ピンを刺したまま打ったロングパットのボールがピンの根本に強く当たったためはじかれてしまい、優勝を逃してしまうことに。
 それでも今年、全米オープンのトップ10から好調さを維持、ロケットモーゲージでは2位に入り栄冠までは間近となりました。
 そして翌週のジョンディアクラシック、終始安定したペースで試合を運び終わってみたら2位に4打差をつけPGAツアー初優勝。
 しかも全英オープン地区予選を兼ねた試合であったため、上位2名に入り出場権をゲットしました。
 オールラウンダーのトンプソン、勢いに乗ればベン・カーティスみたいな夢物語の主人公になり得るかもしれません。

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