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レオン
2021年5月5日 17:03
エピローグ太陽が沈み月がだんだんと存在感を表し始めたころ、少年は街の中心部からだだっ広い駐車場へと帰ってきた。ろうそくの炎を吹き消すような優しく冷たい風が黒柿色の木の葉を揺らしている。今回は少年の心の炎が消えることはなかった。少年は黒い服の男と夜行バスで交わした会話を思い出していた。少年が持っているひとつひとつの個性は平凡なもので他の誰かも同じようなものを持っているのだろう。