見出し画像

モノやコトが個人に帰属するWeb3の世界が作り上げる新しい経済圏 ①

10年ほど前に「Web3」「Web3.0」という言葉が登場したと言われています。ITが社会インフラとなったこの数年で、一般の人たちの間でもその言葉が浸透しはじめました。つまり、Web3という新しいフェーズにこの社会が突入したというサインでもあります。今回は、株式会社アトノイの代表である川本栄介が考えるWeb3の世界、Web3が作り上げていく新しい社会についてお伝えしたいと思います。今日までのITと社会の歩みをたどり、現在地点の状況を踏まえ、その上で川本の視点で描く未来予想図を紹介。そこに広がるのは、優しく温かな社会なのか、それともより一層競争が激しくなる社会なのか。あなたなら、どのような社会を望みますか。そして、どのような新しい経済圏を創造していきたいですか。次なるステップを真剣に考えている方、ぜひお読みください。
過去・現在・未来を全6回に分けて掲載します。

Web3に至るまでの道のり。ブロードバンドの始まりから社会インフラへ

何事もそうですが、いきなりWeb3が登場するわけではなく、過去があっての今があるわけです。まずはこれまでのことも知ってもらった上で、Web3の未来について語りたいと思います。

2000年頃から登場したブロードバンドが、現在の流れの起点になると考えています。その後、飛躍的にいろいろなコンテンツが誕生し、あれよあれよという間にITが我々の生活に欠かせないものとなりました。iPhoneが登場したり、AmazonやGoogleが台頭したり、さまざまなサービスやアプリケーションが次々と生まれ、社会生活において切り離せないところにまでITが浸透しました。

Web3につながるブロックチェーンの技術やP2Pの仕組みなどは、当時からすでにあったのですが、技術が追い求めていることと社会が追い求めていることがリンクしていませんでした。ですから、一般の人たちの暮らしにITを浸透させていくためには、もっと分かりやすいサービスや商取引を通して、「インターネットはこんなに便利だよ」というところから先行して広めていくことが結果として一番近道でした。実際、1人1台のスマホ時代に入り、SNSが登場し、映画や音楽、ゲームなどのエンタメもオンラインで楽しめ、自宅にいながらEコマースで買い物ができるという便利な暮らしを私たちは手に入れました。このように、あらゆる分野においてITは切り離せないものとなりましたが、その中でもEコマースという商取引を例にITがいかに私たちの暮らしに変化をもたらしたかを続けてお伝えしようと思います。

インターネットが普及するまで、買い物や取引の類はface to faceが基本でした。直接会って、会話をして、そこに相手が存在しているということを確認してから、お金を払って買い物をしてきました。それが今では、相手の顔を知らずとも、どこにいる人か分からずとも、インターネット上で買い物ができてしまいます。それを可能にさせたのは、クレジットカード会社という第三者を通じてお金が支払われるという安心感でした。クレジットカード会社が間に入ってくれることで、販売側はネットで物を売っても大丈夫と思うわけです。だからクレジットカード会社の与信が通れば、販売側や生産者は直接消費者の与信を取りに行かなくていいわけです。そして、消費者側は画面のボタンを押せば簡単に物が手に入るという環境を手にすることができました。それを土台にさまざまなITのサービスが生まれ、人々の生活において直接会わない、直接取引しないというインターネットの世界ですべてを行えるGAFAに代表されるようなソーシャルを組み込んだ サービスに繋がります。

SNSやホームページが当たり前になった今、何かひとつモノを買うとしても、SNSやホームページ、あるいはレビューで見た情報がすべての判断基準になっています。本来リアルで会ったり、触れてみたりすると違うかもしれませんが、インターネットを通した情報がすべてというのが我々の中で習慣化しています。そうした我々の動きをうまくビジネスに繋げていったのがGAFAのようなプラットフォーマーです。少し違った言い方をすれば、我々の消費行動がGAFAを大きく育てたとも言えるかもしれません。

②へ続く

<構成・リライト:徳積ナマコ>

本記事の本文はNFTです(3RbEqCc49ncK3izqnCcUdvBwkM8JdwHQP5z5ZWNhuooS