見出し画像

石油

石油かわいいですね
力強いですし、時にこわくもありますね
また悍ましくも愛おしくもあります
祝福でもあり、呪いでもあるのです


石油を作るには、原油がいります

原油は油田やオイルサンド、オイルシェールから採れるます

オイルサンドは原油を含んだ砂の岩で、オイルシェールは原油を含んだ泥の岩です

オイルサンドから採れる原油をサンドオイル
オイルシェールから採れる原油をシェールオイルといいます


原油の起源

原油の起源はわからないが、生物由来説が主流です

植物や藻、プランクトンの遺骸が、土砂に埋没し、高温高圧下でケロジェンという物質に変わり、炭化水素に変化します

その後、岩盤の隙間を移動し貯留層と呼ばれる砂石や石灰岩とかの隙間の多めな多孔質岩石に補足されて、油田になるという説です


非生物起源説

地球創生時に石油の起源物質が地球の地中奥深くになって石油が生成されているという説です
矛盾が多くあり今では認められていません


石油分解菌説

石油分解菌が起源だという説です
微生物による炭化水素の合成は珍しくなく、広く知られています


これは持論なのですが、生物由来説が正解で他にも原油が作られてはいるのかも知れんが、大半は生物由来なんだと思う


埋蔵量と産出量

 資料: GLOBAL NOTE 出典: 国連
資料: GLOBAL NOTE 出典: 国連
資料: GLOBAL NOTE 出典: 国連

 資料: GLOBAL NOTE 出典: 国連

上の画像は、石油の埋蔵と生産、消費のランキングです
ランキングの資料を引用しておいて、特にこれといった分析をするわけではないですが、埋蔵量1位のベネズエラと生産1位のアメリカについて少しみていきましょう

だいたい消費は先進国と新興国が多くなってます

あと統計でいうとEnerdataの資料はわかり易くて、無料で時系列でもみれるので便利でいいです
エネルギー効率、CO2排出量、エネルギー消費量、予測に関する調査 (enerdata.jp)
ただ、引用していいかどうかわからなかったので、GLOBALNOTEのデータを引用しました
GLOBAL NOTE グローバルノート - 国際統計データ専門サイト
国連とかの国際機関のデータを取って来て資料にまとめるのは結構面倒だし、出来そうにないしChatGPTとかに突っ込んでグラフとか作らせればやれるかも知れんがやる気もおきなかったので、まとめてあるのを使いました


ベネズエラ

ベネズエラは石油の埋蔵量が多いですが、殆どがオイルサンドから採れるやつです

オリノコタールと呼ばれてるやつです
オリノコ川北岸沿いに分布するオイルサンドで、これが発見されて埋蔵量が1位になりました

これは持論だけど、埋蔵量が多くても技術が追いつてなかったり、経済や政策が上手く行ってないと、産出量は増えませんし、貧しくなっていくのだと思います

ベネズエラは貧困に苦しんでいる国です

かつて、ベネズエラは石油で潤っていたらしいのですが、経済や政治が上手くいかず、負の連鎖というやつで政治も経済も何もかも底に落ちました

石油の価格が高騰している時はバブルのようになって栄えたのですが、下落して苦しみました

石油に頼り切ってしまっていたので、石油価格が下落すると赤字になり、他の産業で補填するとかも出来ず死ぬのです

あと、石油で得た莫大なお金を有効に使えませんでした

アメリカと仲違いしてしまいましたし、石油に頼り切っていました
石油会社を国有化したり、お金を刷りまくってバラ撒いたり、色々やってしまったわけです

国同士ではアメリカと仲よくないみたいですが、民間では強い繋がりがあって、貿易もしてるらしいです

石油以外の産業も石油産業も衰退しました

自業自得だといえば、私が思うにはそうなのかも知れません

オイルサンドを石油にするには採掘や精製に技術やコストがかかります

オイルサンドはアスファルトのように固く、ナフサなどと混ぜて希釈しないと使い物にならない時も結構あるようです

思うに色々と事情はあるでしょうが、先進国と協力して開発していけば、豊かさを維持出来ていたのかも知れませんね

石油だけに頼らず他の産業も育て、石油会社を国有化せず、経済を活性化させていればまだ、よかったのかも知れません

まあ、殆ど不可能でしたでしょうし、そういう運命を辿ったのだから運命だったのでしょうけど


まぁ、あとオイルサンド自体採算が取れなくなってるらしい

石油価格が高騰している時は採算も合うらしいけど、安定してる時は、赤字になるから、カナダとかでもオイルサンドから撤退してるらしい

採掘方法はin situ法と露天掘りがあり
in situ法はいい感じで、露天堀りからの移行が進んでるらしい
in situ法にもいくつか種類があるんだけど、中でもSADG法というのが多いぽい

石油にはこういった側面もあるのでこわいものです
まあ、石油だけが原因ではないでしょうが、民族性とか国のありようとか環境とかまちまちでしょうな


追記2023年12月09日
最近、石油関係の人のツイートでみたのですが、ベネズエラで採れるような超重質な原油の価値が高まっているらしいです。
超重質というのは、ビチューメンみたいな密度の高い原油のことです。
どうしてかというと、世界中の精油所は、ガソリン40、軽油30、LPG10、重油20みたいな感じの比率で、ガソリンをおおめに作ってて、ガソリンを作るために、密度の少ない軽質原油をたくさん採ってて余ってるけど、密度の高めなベネズエラで採れるような重質原油が不足してるらしい
アメリカとかでも、ガソリンは余ってるから軽質原油はあんまりもう採らなくていいけど、ベネズエラみたいな重質原油が採れないから、困ってるらしい
というのも、軽油をたくさん作ってディーゼルの価格を下げたいってアメリカは思ってるけど、軽油はガソリンに比べれば密度も高く、軽質原油から作るには量も採れないから、ベネズエラから重質原油を輸入したいわけ
けれど、ベネズエラが最近またやらかしてて、アメリカ頭抱えてる
ガイアナにベネズエラが侵攻するかも知れんらしくて、こうなるとベネズエラの原油が世界中で買いにくくなるから石油価格が上がりそうな感じになってる


オイルサンドの採掘法

露天掘り

伝統的なやり方です
地表から渦を作るように地下に目掛けて掘っていく手法
数トンものオイルサンドを採掘する必要がある
採掘したオイルサンドからビチューメンと呼ばれるアスファルトみたいな油分を得るのに大量の熱エネルギーを必要とします
ビチューメンに砂や土を混ぜたものを西洋ではアスファルト、日本ではアスファルト混合物といいます
ビチューメンのことを日本ではアスファルトといいます
まぁつまり、日本でのアスファルトという言葉は西洋のいうところのビチューメンなわけです
大量の産業廃棄物が出て、環境対策にも費用がかかります
そのため、採算が取りにくいです

SADG法 Steam Assisted Gravity Drainage

in situ法の一種 situはラテン語で場所の意味
オイルサンド資源が存在する地下の一帯を高温蒸気で加熱して溶かした油分を取り出す手法です
汚染や採掘によるコストは軽減できるが、熱エネルギー大量に消費します
現在は露天堀りからSADG法へ移行しつつあるらしい

in situ法

地下で砂と分離して生産する方法


資源の呪い

資源の呪いという言葉があります
ベネズエラは、資源の豊かさ故に争いが絶えず、経済は停滞し、政府が腐敗してしまいました
資源で得た資金が、戦争や汚職、賄賂に使われて、格差が進み、国が停滞し、逆に貧しくなってしまうのです
経済や技術が発展している国は、逆に資源が豊富でないことが多かったりするのです
1つの産業に依存することは、こわいことなのかも知れませんね
ベネズエラの他にもゴンゴやアンゴラ、かつては世界一豊かだったアルゼンチンも、資源の豊富な国でした
とはいえ、資源が豊富なのはいいことです
上手く生かせば、アメリカや中国、オーストラリアのような国にもなれるのだと思います
しかし、その国の置かれている状況や、歴史的な背景から、難しい場合も多いです
かつて、先進国が資源を巡り、資源豊富なとあるアフリカの後進国を戦争させるように仕向けたりしたこともありました
戦争するための武器を売ったりしていた歴史もあります
資源の呪いは根深い問題ですね

アメリカ
アメリカは2014年までは、石油産出量が1位ではありませんでした
シェール革命というのが起こって1位になったのです


シェールオイル・ガス

サンドオイルやシェールオイル・ガスのような岩に含まれた原油を採掘するのは困難です

液体ではないですから、そりゃ採れないです

油田とはかってが違います

シェール革命があった現在においても、普通に油田から採掘するよりコストもかかりますし、大変です

ただ、シェール革命はアメリカを世界一の石油産出国にしました

シェール革命は、新しい採掘技術の実用化によってなされました

その先駆けはジョージ・P・ミッチェルだとされています

水圧破砕法とマイクロサイズミック、水平坑井(すいへいこうせい)を組み合わせることによって、シェールオイル・ガスを採掘することに成功してのです

油田から原油を採掘する時は、油井(ゆせい)を使って、原油を汲み上げます

このパイプは油田に向かって真っすぐにささって、汲み上げるのですが、オイル・ガスシェールやオイルサンドのような硬い岩には通用しません

液体でなく固体ですから、横一面に広がっていますし、硬いです

油井

油井とは井戸を掘って、油田に向かってパイプを差して、汲み上げる仕組みのことです

そこで、パイプを横から挿すわけです

シェール層に向かって横から挿します
これが水平坑井です

横から挿して、パイプから水を凄い勢いで出しまくって、シェール層を破壊するわけです

水圧破砕というわけです

破壊しますと、シェール層の隙間にある原油やガスが出てきまして、それを汲み上げるわけです

マイクロサイズミックという装置で、振動から、どれくらい採掘できたのかを測定しつつやってくわけです


シェールガス・オイルの問題点

水圧破砕に、大量の水を用いるので、水が不足するおそれがあります
使った水が地下水を汚染します
河川が汚染されたり、地震が起こることがあります


思って考えたこと


人々は石油を巡って、殺し合って来ました
物価を変えてしまえるし
なくては生きていけないものです

産油国と仲良くしないと死ぬのかも知れません
石油の輸出で経済が成り立っている国も石油の価格維持が大変だろうと思う
脱炭素の時代ですから減産する必要があった
そうやって石油の価格を維持する必要があったのです
なのに戦争とかがはじまって、石油が不足しはじめて、増産しはじめました
戦争は産油国からすれば、内心少し喜ばしいことなのかも知れませんね…
脱炭素は、まだ少し遠のきそうです

産油国に技術支援、お金、友好関係を結んでおかないと死ぬのかも知れません

石油だけではない、レアメタルも同様です

日本はその辺よくやってると思います
中東とよい関係を結べているし…世界中を飛び回ってくれている誰かが支えてくれているのでしょう
ありがたいことです
権益の確保が大事なのだと思います

脱炭素とまではいかなくとも、エネルギー効率のよいものを作って、使うようにしたり、技術開発を進めることで、二酸化炭素の排出は減っていくのではないかとは思います

再生可能エネルギーでどうこうするには、まだまだ時間がかかりそうだと思います

原子力発電を使ったり、小型原子炉の開発とか核融合の開発をしていくのだろうと思います

ただ、そうなったとしても、石油の価値はまだ当分の間、維持されるだろうし、必要とされるだろうと思いました


サムネはBingImageCreaterで作りました


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?