だいだんえん

くり抜いてあと銀紙でもはっとけ

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帯状疱疹日記(前編)

仕事がいやだ、会議がいやだと言っていたら帯状疱疹になった。 簡単に言うと、水ぼうそうのウイルスが体内に潜んでいて、体力や免疫力が低下したときに痛みを伴う発疹となって出てくる疾患だ。 いやぁ、言霊って本当にあるんですねと呑気に言っていられるのも軽症かつ薬がすぐに効いたからなのだが、人生に一度のこと(であってほしい)なので、記録をしておく。 0日目(発症前日) 仕事。定時で帰る。だらだらとご飯を食べ、だらだらと本やYouTubeを観る。怠惰をするなら思い切りすれば良いものの

    • 「穏やかな夜に身を任せるな」

      体調と距離に敏感になって、粛々と仕事をとりおこない終業後は真っ直ぐ家に帰り質素な食事適度な運動瞑想および記録としての日記早めの就寝つまりは規範的な生活を送っている。 その結果、めちゃくちゃ調子が悪い。 これまでも特段破天荒な生活をしていた訳ではないが、健康的な日々を送れば送るほど、何もかもがどうでも良くなる。 鬱々としているときに、友人から葉書が届いた。 「たくさん遊んで、正気でいましょう」 生活は余剰がないと死ぬ。 草木は枯れ、海は干上がり、星の光は届かない。

      • あとがき

        ゆるやかなディストピアについて考えている。 冷房が効きすぎた部屋から夏の日差しの元へ出ると、自分の肌と大気との間に薄い膜があるように感じる。 その膜が、日に日に分厚くなっている。 片手を挙げることすら億劫で、何かやらなければという焦れば焦る程、頭がぼんやりとしてくる。 生きることは緩慢な死。 ディストピアにいるからと言って、不幸という訳ではない。 気のきいた冗談だって言えるし、ごはんは美味しい。 あれに似ているな、と思う。 星新一が描く終末の世界。 地球が見る走馬

      帯状疱疹日記(前編)