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【ニブセキの息子】7時間の手術…息子よ、頑張ったね。

点滴や脈拍計をつながれ、ベッドにのせられた息子2歳が、手術室から出てきた。全身麻酔をかけられ、実に7時間に及んだ、長い長い手術。目を覚ましていた息子は、穏やかな表情だった。本当に、本当によく頑張った。

予定の時間が近づくが

脊髄空洞症を改善するために脊髄に管を入れる手術と、髄膜瘤の癒着をなくす手術。5時間から、長くて7時間と聞いていた。

始まったのは午前9時。5時間なら午後2時、6時間なら午後3時には看護師さんからお呼びがかかるはず…。ご飯を食べたり、資格の勉強をしたりして待ち合いで過ごしていた。

子どもがいない状態で妻と話す機会も久しぶりだったので、積もる話もできたが、時間が長く感じられた。

午後2時を過ぎ、3時を過ぎ…。

看護師さんが来ない。手術が難しくて時間がかかっているのか…理由がわからないまま、時間が過ぎていく。考えたくないことも、頭をよぎってしまう。

7時間過ぎたら、いよいよどうなるか

と思ったところに看護師さんが来た。手術は無事終わったよう。先生から話を聞くと、時間がかかったのは、髄膜瘤の癒着をなくす手術。メスを入れる際に、神経を傷つけないようにするのを慎重にやった結果、予定より長くかかったとのことだった。息子も大変だったけど、こりゃ先生もお疲れだろう…でもそんな様子をまったく見せない先生。心から尊敬する。

息子は麻酔から目を覚めたとき、「ランボルギーニ」「ベンツ」と話していたらしい。息子らしさは、相変わらずだった。変わらないのは、ホッとする。

物が分かってきているだけに

息子は手術跡が落ち着くまでの一週間、ずっと仰向けで安静にしていなければならないので、タオルや重しで物理的に固定されている。1歳のときの手術でもこういうことはあったが、ある意味で本人の訳がわかっていない段階での手術だったので、術前術後ともに私自身もわりと淡々としていたと思う。命を守らなきゃ、という気持ちでいっぱいだった。

でも、それからはだいぶ動ける範囲も増え、物がわかっていると思える場面も増えてきた。怒ったり、仕方がないと思ってあきらめたり。お友達や先生には愛嬌を振りまくが、親には甘えて泣くのも。最近は「ママ、いま、売店」のような3語文(2.5語文?)も出てきた。

感情を抱き、伝えるという能力が育ってくるにつれ、「手術は嫌だっただろうなあ」とか「しばらく歩けないのはつまらないよなあ」などと、強く感情移入してしまう。

いろんな感情がないまぜに

そういう気持ちと、疲れも見せずに長丁場の手術をしてくれた先生や看護師の皆さんへの感謝の気持ち。それから、今までたくさんの手術を乗り越えてきた記憶とが、ないまぜになった。

病室の息子と妻に手を振り、誰もいない家に帰ってきたとき、久しぶりに涙が出た。


=写真は手術後、病室に戻ってきた息子。いつもよりアンパンマンを求めている。もっと元気がほしいのかな。

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