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【新聞社の仕事】新聞にもYouTubeにも「切り抜き」がある

YouTuberが配信する動画を最近になって見るようになり、YouTubeの世界に対して、ひとつ親近感を持った出来事があります。それは「切り抜き」の存在です。

新聞の「切り抜き」

新聞で言えば、気になった新聞記事を切り取って、一枚の模造紙にまとめたり、テーマを決めてスクラップにするもの。最近では感想などを書いてもらった「切り抜き作品コンクール」なるものもあり、子どもたちがたくさん応募してくれます。何に興味を持ってどんな感性でまとめるのかが楽しく、新聞紙面で紹介される優秀作品はなかなか見応えがあります。

だいたい、「五輪」「サッカー」のような、好きなものに関するまとめが多いのですが、「笑顔」のような、ジャンルを思いっきりまたいでくるまとめはドキッとします。

切り抜きは新聞社もおすすめしています。新聞をよーく読んでもらい、そのうえで自分なりの考えを持ってもらうという意味合いがあるように感じます。裏テーマとしては、子どものうちから新聞に親しんでもらう、親世代の新聞離れを食い止めるといった狙いがあります。

下のリンクは、広島県などで発行される「中国新聞」の切り抜き作品コンクールの受賞作です。



YouTubeの「切り抜き」

一方、YouTubeの切り抜きはたいてい、あるひとつのYouTuberやチャンネルについて、「●●の〇〇発言まとめ」「肉料理の時短テクまとめ」といったテーマで、数ある動画から、かいつまんで美味しいところをつなぎ合わせたものです。無断でされて本人たちが「違う切り取り方をされた」と言って問題になるケースや、YouTuberや事務所を応援する意味を込め、許可を得て作っている場合もあるそうです。

下のリンクは、人気ユーチューバー「東海オンエア」が、これを逆手に取って自分たちで切り抜き動画を作ってみたという内容です。


YouTuberにしてみれば、他人の褌で再生数稼ぎやがってと感じそうなもの。ですが、「こういうことを注目してみているのか」とか「そういう切り口があったか」などと、自分たちの見られ方に目を向けることができる利点もあると思います。

二つに共通するのは

「切り抜き」の目的や役割はそれぞれ違いますが、既存のコンテンツも、ただ置いておくだけではなく、見せ方使い方次第でまだまだ生かしようがある点が共通しているように思えました。

新聞は右肩下がりのメディアと言われますが、100年以上続いてきた蓄積を、情報の集合体として「切り抜き」ができたら、ものすごいことができるかもしれません。


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