【考え事】引き返す勇気
山形県と福島県にまたがる「吾妻連峰」。1994年の冬、ここで5人が亡くなる遭難事故がありました。当時、私は小学校に入る直前でしたが、父親がスキー場で働いている時期で、よく話題にしていたので覚えています。「吾妻連峰雪山遭難事故」で調べると、その全容に触れることができます。
この事故について詳細に記録したNHKのドキュメンタリー番組があるので、よければそちらも見てみてください。Wikipediaには、詳細な内容もあります。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/吾妻連峰雪山遭難事故
この事故を通じ、私たちが教訓にしなければならないのは「非常時には引き返す勇気を持つこと」です。引き返すタイミング、状況があったにもかかわらず、引き返す決断にはならなかった。
引き返すタイミングはあったが…
具体的には▽疲れているメンバーがいて、折しも管理人付きの山小屋が近くにあったが先に進む判断をした▽道に迷い、戻ることはできても進めなかった状況があったのに、みな仕事を抱えていたので3連休の間に無理にコースを踏破しようとした…ということがあります。
そしてやはり、集団での意思決定はなあなあになりがちというのも大きいと思います。「きっと…大丈夫」という、根拠のない自信が、判断を迷わせてしまう。客観的におかしい状況なのに、みんな大丈夫と言っているから大丈夫だと思ってしまう。
この事故では、そもそも全員がラジオを持っておらず天気の確認ができなかったり、ビバーク用のテントもなかったりと準備が足りていませんでした。当初、晴れていた天候は悪化し、結果的に誤った判断をしたことになりました。
でも、それって結構難しい
ただ、一方で思うのです。進めていたことをやめるって、難しい。嫌な顔をされるだろうし、自分も嫌。せっかくかけてきた労力やお金も無駄になってしまう。リーダーは山岳のベテランと言われていましたが、それなりに長く培ってきた経験が、判断の邪魔をした面もあったかもしれません。
今の世の中にも当てはまる?
これらのようなことは、27年経った今の世の中にも、まったく、同じことが当てはまるのではないでしょうか。
根拠のない自信、理由で突き進んだ結果、取り返しのつかない事態を引き起こす…。もっとさかのぼれば、先の戦争も。
事故について気になった方は、ぜひ調べてみてください。
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