SAKE DIPLOMA 試験対策を「超える」対策 二次試験対策・論述編 〜全ての設問に対応する勉強法〜
こんにちは。
あとです。
引越しなどのライフイベントが重なり、久々の更新となってしまいました。
SAKE DIPLOMA認定試験を受けられている方は、すでに一次試験を終了されたかと思います。
無事に合格された方々、まずはおめでとうございます!!
ここから二次試験までの間、またまた新たな試練の日々が始まるわけですが、着実に一歩ずつ進んでいけば、必ずその努力は実を結ぶことでしょう。
今回の記事では、そうした皆様の二次試験に向けた対策の一助となるべく、二次試験の論述問題の勉強法に関する記事を書いていこうと思います。
まずは論述試験そのものに対する考え方から、私自身が考える「意味の無い勉強」と「効果的な勉強法」を紹介していきますので、お付き合いください。
1.論述試験は文章力を問う試験、ではない!
まずは、SAKE DIPLOMA認定試験における論述問題の位置づけから考えていきたいと思います。
言うまでもありませんが、この資格は日本酒に関する資格です。何が言いたいのかというと、文章力の優劣が問われる資格ではないということ。
つまり、いくら論述試験といえど、美文を書き上げる必要はないわけです。
では、逆に、どのような文章を書くことが求められるのでしょう。
それは、ズバリ、
課題に対してどのくらいの「使える」知識を有しているか
これにかぎります。
与えられた問いに対して、何を知っているのか。これのみが問われていると考えてよいでしょう。
二次試験に臨まれる皆様は、すでに厳しい一次試験を突破しています。これはつまり、すでにかなりの知識量を有していることの証左でもありますね。その知識は引き続き、論述試験を攻略する上でも強力な武器になってくれるわけです。
これまで皆様が身につけてきた知識の新しい使い方さえ身につければ、何もそう高い壁ではない。論述試験といえど、もう皆様の敵ではありません。
とはいえ、不安な方も多いでしょう。
「文章を書くと聞いただけで苦手意識が・・・」
そんな気持ちも、よく分かります。
そこで、この記事を読んでくださった方だけに、一次試験対策用の知識を使うだけで誰でも簡単にSAKE DIPLOMA論述試験の回答が書ける様になる勉強法をお教えしたいと思います。
その前に、「これだけは止めろ」という勉強法をお教えしましょう。
2.論述試験の予想問題を解くことは、今すぐ止めろ!!
「え〜⁉︎ ただでさえ文章力に自信がないのに、予想問題をこなさないと本番で書けるわけないじゃないか!!」
そんな声も聞こえてきそうです。
では逆に問いましょう。
その予想問題とやらが、本番で的中するでしょうか。
本番で、想定していない問題が出されたら???
実際、私が受けた2020年の論述試験の問題は衝撃的でした。産地に関する問いと、焼酎に関する問い。例年と大きく異なる傾向の設問だった上に、焼酎にいたっては球磨焼酎と料理の相性を問うという、事前に予想しろと言われても困難な分野からの出題でした。
論述試験の予想問題としてよくあるのが、「醸造アルコールとはなにか述べよ」とか「山田錦に関して述べよ」といったものです。しかし、恐らく、こんな単純な問題は出ないでしょう。
もしかしたら出るかもしれない、というのが正確です。ですが、もし上記の様な単純な問いが出題されるとして、それを言い当てることは非常に困難です。
「麹とは?」「きょうかい酵母とは?」「越淡麗とは?」「泡盛とは?」「青森県の日本酒の特徴は?」「秋田は?」「山形は?」「岡山は?」・・・
こんな調子で、考えられる設問は無限にあります。
それに対して、事前に下書きを考えるだけの対策が、果たして意味を持つでしょうか。
予想問題を考えて、それを単純に解く(書く)だけの対策の無意味さを分かっていただけたと思います。
3.論述試験を攻略するためには、「書くな!」
「なに言ってんだよwww 書く試験なのに、書かないで対策できるわけねーじゃんwwwwww」
またもや、そんな声が聞こえてきそうです。
しかし、私自身、実際に文章を書く勉強は全くと言っていいほどしていません。ですが、本番の試験ではそれなりの解答を書くことができました。
それは、なにも私が驚異的な文章力を持っていたからと言うわけではありません。笑
これから述べる対策さえしていれば、誰でも、どんな問題でも、論述試験を攻略できるようになります。
必要なものは、
「一次試験の予想問題」です。
誤字ではありません。一次試験の予想問題を使ってください。
具体的に、一次試験の予想問題が、どのように論述試験対策として使えるのか、その実例を見ていきましょう。
例題.平成 26 年の酒造好適米の品種別生産量で3位の品種はどれか
a.五百万石 b.雄町 c.美山錦 d.八反錦1号
一次試験を突破された皆様にとっては、朝飯前の問題ですね。「なにを今更・・・」とさえ思われた方もいるかもしれません。
ですが、論述試験対策に当たって重要なのは、この問題を解くことではありません。
もう一度、先ほどの例題を見てください。そこには「酒造好適米」「五百万石」「雄町」「美山錦」「八反錦1号」といった単語が並んでいますね。
そう、それらの単語こそが、論述試験対策に使えるのです。
そうした単語をピックアップしたら、その単語一つひとつに関連するキーワードをどんどん思い浮かべていきましょう。
例えば「酒造好適米」だったら、「高価、大粒、等級、割れにくい、心白、でんぷん、飯米、YK 35、醸造用玄米」といった感じ。理想は、一つの単語につき6〜8個のキーワードが1分以内に浮かんでくると素晴らしい!!
「酒造好適米」が終わったら、次は「五百万石」、「雄町」、「美山錦」、「八反錦1号」と、先ほどの設問からピックアップした単語全てを使って、それぞれに関連するキーワードをひたすら挙げていく。
これを、また別の設問でもやってみてください。
これのどこが論述試験対策になるのか。
キーワードを短時間で思い浮かべる練習をしていると、論述試験の設問に対しても同様にキーワードを挙げる力が身につくはずです。
例えば2020年に出題された「奈良県の日本酒に関して述べよ」という問題。「奈良県」という単語に対して、どれだけキーワードを挙げられるでしょうか。
「造酒司、若手による新しい酒造り、奈良漬け、露葉風、酒米移入タイプ、朝廷」
私自身、試験本番の緊張の中、これまでと異なる傾向の設問に戸惑いながらも、キーワードを挙げる訓練をしていたおかげもあって上記の6個のキーワードを思い浮かべることができたと記憶しています。ほかにも、菩提酛や三輪山といったキーワードもありますね。
キーワードが思い浮かんだら、あとはその中からいくつかを組み合わせて文章にしていきます。なにも、美文を仕立て上げる必要はありません。ただ単純に、キーワードを繋げていけば十分でしょう。
先ほどの「酒造好適米」であれば、
「酒造好適米とは、醸造用玄米とも呼ばれ、日本酒造りに特に適した米のことである。その条件として、大粒であることや、精米中に割れにくいこと、心白があることなどが挙げられる。また、実際の酒造りでは、酒造好適米以外にも主に食用となる飯米もよく使われる。酒造好適米は、飯米と比べるとかなり高価となっている。そのため、酒造好適米と飯米をうまく使い分けていくことも、酒造りにおいては重要である。(189文字)」
キーワードさえあげられれば、文章を書き上げるハードルがグッと下がる気がしませんか?
試験本番でより多くのキーワードを思い浮かべることができるように、論述試験の対策をする上では実際に書くことよりもキーワードを挙げる練習をしておきましょう。
そして、この対策法の利点は他にもあります。
それは、「ペンと紙が無くてもできる」ということ。
移動中や風呂場、トイレなど、スキマ時間を使って論述対策に取り組むことができます。なんなら、テイスティングの対策をしつつ、裏のラベルから単語を拾ってキーワードを思い浮かべてみるのもいいかもしれません。まさに、一石二鳥の対策になりますね。
4.おわりに
「”実るほど頭を垂れる稲穂かな”という言葉がある。日本人の気質が、稲穂に乗り移っているかのようだ。そうして実った米を原料のひとつとして醸される日本酒もまた、我が国が誇る芸術である。その芸術品を産み出すために特化した米として開発されてきたのが、他ならぬ酒造好適米だ。それはまさに、日本人の気質の結晶である。酒造好適米が紡ぐ伝統文化の有り様に思いを馳せながら杯を傾けるのもまた、格別の趣があろう。(195文字)」
こんな無駄に凝った文を書いてみたところで、SAKE DIPLOMAの論述試験では高得点は望めないでしょう。
大切なのは、試験官の方に「私は、しっかり勉強してきましたよー!」とアピールすることです。
「酒造りに適した米のことを、酒造好適米という。山田錦や五百万石といった有名なものから、とちぎ酒14や風鳴子など、各県が独自に開発したものもある。その要件として、精米中に割れにくいことや、心白があること、大粒であること、軟質米であること、タンパク質が少ないことなどがある。酒造好適米の他に、食用の飯米も酒造りでは用いる。特に、アケボノやオオセト、松山三井などの銘柄が酒造りにも適する。(190文字)」
このように、キーワードを単純に並べた文章のほうが、本番では高得点となるでしょう。
試験本番で、より多くのキーワードを思い浮かべることができるよう、今のうちから脳味噌を鍛えてみてください。
きっと、合格がグッと近づくはずです!(^^)
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