SAKE DIPLOMA 試験対策を「超える」対策 一次試験対策編

こんにちは。

あとです。

いよいよ、SAKE DIPLOMA認定試験の一次試験の日程が迫ってきました。

これから本格的に勉強を始める方も、全体の復習段階に入られている方も、「果たして自分の勉強法で合っているのか・・・」と不安になられていることでしょう。

そこで今回は試験対策に特化し、各分野毎に、「大体この辺りが試験で狙われやすいよ」「重点的に勉強しておいた方がいいよ」と思うポイントを紹介していきます。

私自身は出題者ではないので、確実なことは分かりません。ですが、自分自身の経験と、知人の受験者から伝え聞いた話をあわせてお伝えすることはできます。それが、少しでも皆さんの勉強の助けになれば幸いです。

また、それぞれの用語等の解説に関してはインターネット上で詳しく解説してあるサイトが沢山あります。私のnote記事全体の方針は、試験対策について細かく書くつもりはないという点です。今回も、試験に関しての記事ではありますが、「この記事を読んでさえいれば受かる!!」といった類の記事ではないことを御理解ください。

一方で、試験前は少しでも多くの情報がほしいと思うのも事実。私自身も、そうでした。そんな時のために、1個人のナマの声として、少しでもお役に立てることを願っています。

なお、今回の記事では、教本第6章と第8章の「料理との相性」に関しては扱いません。情報量が膨大だからです。余裕があれば、別記事であげるかもしれません。余裕があれば、、、

1.大前提として話しておきたいこと

本格的に内容に入る前に、一次試験対策全体のイメージを膨らませておきましょう。

ご存知のように、試験はCBT方式で行われます。出題はランダムで、それぞれの受験生が異なる問題を解くことになります。

しかし、私と同時に受験した知人は5人いたのですが、5人とも同じ問題が何題か出題されました。そして、ここは安心していいところかと思いますが、他の人と比べて極端に難しい問題が出されることはなかったと言っていいでしょう。

つまり、

出題はランダムでも、狙われやすいポイントは存在する

ということ。

そして、

どのような問題が出されたとしても、試験全体の難易度は全受験生同レベルである

ということです。

当たり前と言えば当たり前なのですが、私自身、試験直前は「自分だけ難しい問題ばかりが出されたらどうしよう・・・」と不安になったことを覚えています。しかし、やるべきことをやっていれば、必ず受かります。大丈夫です!

自分を信じて、対策を進めましょう!!

2.教本 第1章 対策


2-1.導入編

第1章の対策で大切となってくるのは、

正確な記憶

です。

全ての箇所で大切になってくることではありますが、この第1章では、正確な記憶が特に重要です。

なぜか。

第1章の内容は、日本酒そのものや、その原料に関する法律や歴史の解説です。試験で問われるのは、法律の内容や年号など。つまり、

覚えている人は点を稼げる。
覚えていない人は置いていかれる。

それが、第1章という領域です。

2-2.「日本酒の定義、分類」編

第1章は、日本酒の定義と分類に関する記載からスタートします。

まず、定義に関しては、酒税法の定めをしっかり覚えておきましょう。加えて、「こす」というポイントも重要になります。教本にもある通り、こした時点で清酒が整成されたことになるという点や、方法のいかんを問わない点も確認しておきたいところです。

次に日本酒の分類ですが、このパートの山となるのが、なんといっても、教本P.12の表です。どこを聞かれても答えられるよう、完璧に覚えておきたい!!香味等の条件に関しても、「香味、色沢が特に良好」の「特に」というところまで確実に把握しておきましょう。

最後に、清酒の記載事項に関してです。何が必須記載事項で何が任意記載事項で何が表示禁止事項なのか、ごちゃごちゃにならないように、ここもしっかり整理しておくとよいでしょう。

例題:次の内、清酒の容器または包装に記載してもよい用語を選べ。
1.最高 2.極上 3.代表 4.第一

さて、解けましたか???正答は、教本P.14-15を確認してください。

2-3.「日本酒の歴史」編

歴史に関しては、時代毎の日本酒の特長をまずは整理しておきましょう。

造酒司がおかれたのは何時代?
火入れが行われ始めたのは何世紀?
アル添が行われ始めたのは何時代?

こうした質問には、即答したいところです。

それぞれの時代ごとに特長を整理し終わったその次に年号を覚える、という順番がいいと思います。

「こういう時代背景があったからこそ、〇〇年に××という政策がとられたのかー!」

というように、流れが頭に入っていれば記憶の助けにもなりますよ。

その際は是非、下記の記事も参考に。

2-4.「日本酒における米」編

個人的に、第1章の中で最も重点的に対策しておいた方がいいと思う項目です。

覚えるべきことも多い分、しっかりと理解を深めておけば確実に得点源になるでしょう。そのくらい頻出事項が多い箇所でもあり、また、二次試験でも応用が効く箇所も多いです。

まずは、酒造に適した米の要件5項目を叩き込みましょう。二次試験で、「酒造に適した米の要件を答えなさい」なんていう問題が出る可能性もあります。

次に押えておきたいのが、醸造用玄米の等級に関して。教本P.27の表のチェックは必須です。特に整粒歩合のパーセンテージは確実に覚えておきたいところ。死米、籾の混入、異物の混入といった項目についてまで把握しておけると理想的ですね。また、P.25に書かれている、等級毎の比率も確認しておきましょう。比率が多い順番に並び替えられるようにしておくと共に、それぞれのパーセンテージをおおよそイメージできるようにしておきたいです。

精米に関しても、チェックを怠らないようにしましょう。特に頻出なのが、精米の所要時間を答える問題。一般に、600kgの玄米を精米歩合70%まで削るのに要するのは何時間か、答えられますか?教本P.28に記載があります。

糠の名称に関しても、試験では問われます。特白と呼ばれるのは外側から取った糠か内側からとった糠か。このあたりは即答できるようにしておきたいですね。

そしてそして、大きな山となるのが、P.32以降に記載されている、代表的な酒造好適米の来歴および特徴に関してです。まずチェックしたいのは、交配元。ここに関しては、全く同じ問題が、私と複数の知人の試験本番で出題されました。やはり頻出事項と言えるでしょう。加えて、交配や育成が開始された年や、品種登録を出願した年、登録された年などといった年号も要チェックです。早晩性や味の特徴も、教本に記載があるものに関しては確認しておくとよいでしょう。

山田錦については、別途、重点的に対策する必要があります。

P.39~42の年表は、残念ながら頻出です。「こんな細かい年表、覚えなきゃならんのか・・・」と、私も最初は絶望しました。しかし、確実に出題されるポイントでもあるので、記憶は必須。まずはそれぞれの事項を、細かく読み込んでください。小さな字で書かれている事柄も、本番では出題されました。それぞれの出来事が持つ意味を解説できるようになることがしっかりとイメージできればできるほど、後の暗記がラクになります。年号の暗記は、そのイメージが固まってからで良いでしょう。10年毎に区切って覚えるのもアリかと思います。

P.43の地図にも、目を通しておきましょう。文章問題だけでなく、この地図がそのまま使われて「〇〇が栽培される地域はどこか」という問題も出ました。他に、考えられる例題を提示しておきます。

例題:主に兵庫夢錦を栽培している地域を答えよ
1.姫路市 2.小野市 3.三田市 4.篠山市

私自身は、市と町に分けて覚えました。まず、大事な山田錦から。三木市と加東市は有名なので、それ以外の市を覚える。最後に、2つの町を加えれば山田錦に関しては完成。次に兵庫夢錦の産地をよく見ると、市は3つしかない。さらに、五百万石&兵庫北錦もよく見ると、同様に、町が2つのみ!これは覚えやすい。これを覚えておけば、あとは消去法で答えられます。

少しテクニック的な話になってしまいましたが、このように、少し工夫して簡単に覚えられるパターンを発見するのが記憶のコツです。

P.45の地図も、頻出ポイントの1つ。ただ、集落名に関しては、無理に全て覚えなくてもよいと思います。他に、確実に覚えておかなければならないことは山ほどありますから。現に、私自身、試験本番で、ここの集落名に関する問題を間違えてしまいました。でも、受かりました。それは、他の問題が解けていたからでしょう。150を超える集落名を覚えるなら、その労力は別のポイントで使った方が賢明です。

同様のことが言えるのが、P.26の地図です。ここからも、実際に出題はありました。私の体験談としては、試験前日に何となく眺めていたら、たまたまそれが1題だけ出題されたという感じです。やはりここも、出たらラッキーというレベルに留まるので、時間がある時にサラッと見ておく程度にしたほうが負担軽減になると思います。

2-5.「日本酒における水」編

第1章のトリを飾るのが、水です。

まずは、醸造用水瓶詰用水の選別。

次に、有効成分と望ましくない成分の選別。

このあたりを重点的に見ておくとよいと思います。個人的に、カリウムと塩素とリンが、それぞれ有効成分なのか違うのかがゴチャゴチャになりがちでした。こうした記憶のクセを掴むのも、大切なことのひとつでしょう。

ゴチャゴチャになりがちなこととして、鉄の検出基準の値が挙げられます。酒造用水の数値と水道水の数値がゴチャゴチャにならないように注意です。

水に関しても、過去に記事を書いています。そちらも参考にしていただけると光栄です。

3.教本 第2章 対策


3-1.導入編


第2章は、日本酒の製造工程に関する内容です。専門用語も多く、勉強している中でつまづきやすい所でもあります。


闇雲に勉強をし始めるより、まずはイメージを固めることから始めるのがよいでしょう。その方法として、活用できるのがYouTubeです。YouTubeで「日本酒 作り方」「日本酒 限定吸水」などのキーワードで検索をすると、日本酒の製造工程をかなり分かりやすくまとめてくれている動画が多数ヒットします。こうした動画を活用し、まずは作業工程のイメージを固めていきましょう。


イメージができるようになる前と後では、教本の理解度もまったく違ったものとなるはずです。


そして、もう1つ、ポイントがあります。


製造工程に関する勉強の際に大切なのは、勉強する順番です。先に答えを言うと、森から木へ、木から枝へ、枝から葉へ、といったような順番をとることが大切になってきます。

どういうことか。

先程、第2章は専門用語が多いと書きました。そうした用語を覚える前に、まずは日本酒がどのように造られるのかをザックリ把握します。米があり、麹を作り、酵母を繁殖させ、それらを掛け合わせ、搾り、瓶詰めする。このイメージですね。これが大切です。

その次に、それぞれの工程の役割を理解していく。たとえば、麹。麹のはたらきについては、答えられますか?ザックリ言ってしまうと、米のデンプンを糖に変える役割を担っています。同様に、酵母の役割は答えられますか?麹と酵母を混ぜた醪の段階では何が起きているか答えられますか?このように、まずは各工程の役割を整理しましょう。

工程毎の役割がある程度見えてきたら、そこで更に掘り下げ方を細かくしていきます。再び麹を例に説明しますと、初日·2日目·3日目にはそれぞれどのような作業が行われるのか。初日は引きこみ·種切り·床もみ。それぞれ、どのような工程なのか。このような感じで掘っていく。

教本の順番通りに覚えようとすると、各作業が全行程の中でどのような役割を担っているのかを見失いがちです。

森から木へ、木から枝へ、枝から葉へ。

これを、忘れないようにしてくださいね。

3-2.「洗米·浸漬·水切り」編

ここからは、試験で狙われそうなポイントに絞って、各工程に触れていきます。

洗米·浸漬·水切りの工程で問われることとして、まずは白米吸水率の計算問題。これは確実に解けるようにしておきたいです。

また、限定吸水についても問われます。ただ、これに関しては難しい問題は出ないと思います。限定吸水とは何を限定するのか、そしてその目的が答えられればOKです。これも、実際にYouTubeなどで作業動画を見るとイメージが湧くと思いますよ。

3-3.「蒸きょう」編

デンプンをα化する工程です。β化ではありません。試験で出たら、ラッキー問題ですね。実際、頻出です。

P.59の釜の図からも、問題が出ます。サナコマの場所をしっかりと確認しておきましょう。

蒸きょうにかかる時間や、連続蒸米機のトンネル通過時間など、各作業の所要時間を答える問題も出る可能性ありです。

3-4.「発酵と微生物、酵素の関係」編

ここ、重要です。

まず、P.61の図表7を確認。

次のページのpH表も頻出事項。

P.64の、黄麹の主な酵素についても確認必須。

それぞれの微生物が、酸素を必要とするか否かについても、忘れずに確認しておきましょう!

3-5.「製麹」編

ここから、より一層、グッと込み入った解説になる印象がありますよね・・・。

勉強を進める上での流れとして、一例をあげておきたいと思います。

まずは先述のとおり、作業手順を森→木→枝→葉というように細分化して行きましょう。

製麹作業は三日間に渡って行われる作業でしたね。床期間、棚期間、出麹。これが、森です。それぞれ、種をまき、小分けにして育て、出荷する。こんなイメージです。まずはこんな感じで、かる~くイメージできることが大切。

次に、三日間の作業をそれぞれの日ごとに分けて整理しましょう。森から木へ、ですね。初日の床期間を例にとると、床期間も3つの工程がありました。引き込み、種切り、床もみ。これもザックリ言うと、作業台にセッティングして、種麹をまいて、混ぜるという感じですね。

それぞれの日程を整理し終わったら、いよいよ作業毎に内容を把握していきます。枝、さらには葉の部分です。ここで大事なのは、細かい数字です。温度や所要時間などの数字が、試験本番で問われる確率が高いので気をつけましょう!

こんな感じで、まずは流れを把握し、その後で細かい数字などを覚えるといいと思います。教本の順番通りに覚えていこうとすると、全体図を見失いがちです。また、ただ機械的に用語を暗記していこうとしても効率は決してよくありません。

まずは全体像や流れを把握し、その後に細部へ。これが、複雑な作業工程を覚えるうえで、有効な手段のひとつだと考えます。

加えて、製麹の項では、麹室の温度種麹の別名も忘れずにチェックしておきましょう。共に、P.65に記載があります。

3-6.「酒母」編

酒母とは、何なのか。どのように開発されてきたのか。まずは「森」を把握できてますか?

手前味噌ですが、過去記事もご参照下さい。

酒母の役割が分かっていれば、速醸・高温糖化酒母・生酛・山廃・菩提酛の違いも分かりやすくなるはずです。

そしてここでも大切なのが、作業工程の把握。何日間の作業なのか。それぞれの作業工程の内容をザックリ把握した上で、作業の順番は整理できているか。細かい数字はどうか。基本的な学習の流れは、製麹の分野と同じです。ただ、作業内容はやや複雑になりますので、全体像の把握がより一層重要になりますね。

酒母の分野において、必ず確認しておくべきポイントを2つほど紹介させてください。

1つ目は、酒母のレシピの計算問題。P.72に計算例がありますが、ここは、元の総米の重量が変わっても解けるようにしておく必要があります。私も、1次試験でこの計算問題が出ました。本番は、緊張と焦りで、平常心を失っている可能性もあります。そんな中でも確実にクリアできるように備えておきましょう。

2つ目は、P.79の図表14の生酛系酒母における微生物の推移についてです。どのような順で微生物が移り変わっていくか、答えられますか?酒母の中で起きる変化を、ひとつのストーリーのようにしっかりと順番に捉えられているかが大切です。

3-7.「醪」編

この項目も、頻出事項満載です。

まずは、基本的なことから何点か。

三段仕込みの日数は?
普通酒&本醸造酒の醪日数は?吟醸酒は?
ボーメがいくつになったら日本酒度計に切り替える?
発酵の旺盛さに低下が見られるのはアルコール何度?
四段仕込みをする場合、添加時期は上槽の何日前?
アルコール添加をする場合、添加時期は上槽の何日前?

これらは、最重要事項です。まずはこの六項目は最低限見直しを。

教本は、醪の説明がすごくややこしく書いてある印象です。しかし、ここでも問題になるのは数字です。温度や日数、パーセンテージなど、問題にしやすい数字を中心に記憶していきましょう。

他にも注目しておきたいのが、教本P.87の下部に書かれているアルコール度数と発酵の関係性です。先ほど提示した最重要確認事項のところでも取り上げましたが、アルコール度数と酵母の挙動の関係については重点的に確認しておきたいところです。

3-8.「上槽」「瓶詰め」編

分量の割には、油断できない分野です。

まずは、「荒走り」「中取り」「責め」の用語確認。袋臭や酸臭、カビが発生しやすくなる条件に関しても答えられるようにしておきたいところです。

加えて、鑑評会の出品酒の上槽方法や、取り分ける際の用いる斗瓶の容量などをチェックしておきましょう。

3-10.「さまざまな醸造技術が生む日本酒の特徴」編

ここは、他の項と重複する事項も多く、コラム的な性格を帯びた記述となっています。

その中でも、「純米酒と、アルコール添加という技術」の項は、しっかりと読み込んでおきましょう。純米酒の要件は頻出事項ですし、アル添については2次試験の論述でも問われる可能性もあるので、理解を深めておくことが大切です。

あとは、火入れの方法(P.95)も確認しておくと良いと思います。

3-10.「酵母の種類と特徴」編

ココは、言わずもがな、押しも押されもせぬ、必須確認項目です。

なんと言っても、P.99の表。ここから問題が出ないということは無いと断言してしまっていいレベルに、重要な表です。もう、分離年も来歴も特徴も、全て覚えるくらいの勢いで。

とは言え、ただ単に「覚えろ!」と言うだけでは乱暴ですね。少しコツというか、私が試験勉強していた頃にどのように整理していたかを記しておきたいと思います。大切なのは、グループに分けて覚えることです。

まず、1~5号のグループ。これは、現在頒布されていない酵母たちです。1号と2号は灘と伏見、3·4·5号は広島勢。なお、他にも8·12·13号が、現在も頒布されていないグループに入ります。

6号と7号は、今でも現役。別名はそれぞれ「新政酵母」「真澄酵母」。

9·10·14·15号は、産地から覚えるグループ。それぞれ、熊本·茨城·金沢·秋田です。

まずはこのように大枠でグループ分けをして、頭の中に分類表を描いてから、細部を覚えていきました。覚え方は人それぞれだと思いますが、酵母に関しては必ず出題されるはずですので、それぞれの酵母の特徴をしっかり押えておきましょう。

加えて、P.101の表も頻出事項。カプロン酸エチル、尿素、リンゴ酸といったキーワード毎に整理しておくとよいでしょう。

忘れてはならないのが、花酵母に関して。これは、「花酵母に関して説明しなさい」というかたちで2次試験の論述でも問われるかもしれません。ポイントは、開発者の名前·花の香りをストレートに出すものではないこと·特徴ある香味を生む可能性があること。問われるとすれば、この辺りかと思います。

3-11.「特別な日本酒」編

長かった第2章の、最後となる項目です。

最後は、問題を解いて締めましょう。

下記に、何個か文章を書いていきます。それらは、全て間違った説明です。間違っている箇所を見つけ出し、正しく直してみてください。

①スパークリング清酒には、醪をこした後に糖を添加することで発酵を促す製法もある。
②日本酒を長期貯蔵すると少しずつ着色していくが、これは糖分とアミノ酸が反応するメラノイジン反応によるものである。
③貴醸酒は、奈良時代の延喜式に書かれた「しおり」という製法を再現したものである。
④赤米酒の原料の古代米には、アントシアニン色素を持つ赤米と、タンニン系色素の紫黒米がある。
⑤液化仕込みのデメリットとして、米でんぷんの利用率が低く、経済性に劣る点が挙げられる。

いかがでしたでしょうか?

正解は、教本P.102~104を確認してみてください。

4.教本 第3章 対策


4-1.「杜氏とは?」編


第3章に入ります。
まずは、杜氏に関しての説明からはじまります。何故かココだけ2段組なんですよねぇ・・・。

まずは、刀自という呼び名、高橋活日命という人名が最頻出事項です。杜氏が必要になった理由も答えられるようにしておきましょう。三大杜氏をはじめとして、P.109の「[各地の杜氏の源流]」の地図も覚えておくのが理想的です。2次試験対策として、余裕のある方は各杜氏の来歴までまとめられれば完璧でしょう。

狙われやすいポイントとして、平成以降に旗上げされた杜氏も確認しておきたいところです。会津杜氏、下野杜氏、富山杜氏です。P.108に結成年が書かれているので、目を通しておいてください。

4-2 産地プロフィール 攻略

ここで苦しむ人も多いのではないでしょうか。

第3章を構成するのが、20にも及ぶ府県のプロフィールです。ただ、これ、いずれは全都道府県が掲載されてもおかしくないので、20でも少ないと思いましょう。そうすれば、ちょっとラッキーな気もしてきませんか?笑

掲載されている全府県を解説していると、それだけで何個ものnote記事が完成してしまいます。なので、ここでは、それぞれの府県を確認する際に重要となることを、教本の各項目毎におこうと思います。

①「プロフィール」
ここは、各府県の特徴が短く要約されています。ここを読んでいくだけで、コンパクトに復習を行うことができてしまうくらいです。私も、2次試験本番で奈良県に関しての論述問題を解く時に、この部分から引用できたことでかなり助けられました。そうした経験からも、「プロフィール」欄はしっかりと確認しておくことをオススメします。

②「歴史」
ここでは、年号や人名はもちろん、各県独自の施設や技術が紹介されています。問題にもしやすいので、ここは要チェックでしょう。ひとつ、見逃しやすい箇所を紹介します。愛知県の歴史の項目に、「二代目藩主の光友」という記述があります。こうした、サッと読んだだけでは見逃しそうな人名まで、試験では狙われると思ってください。

例題:次の内、江戸時代の尾張藩で酒造りを奨励した藩主として正しい人物を選べ。
1.徳川光友 2.徳川継友 3.徳川義直 4.徳川義敏

こんな問題が出ても、スパッと解けると素晴らしいですね。

③「気候風土」
盆地や山地や河川の名前、降水量、日照時間、土壌などが確認すべきポイントになります。南北なのか東西なのか、多いのか少ないのか。この辺り、混同しないようにしておきましょう。

④「生産量と酒質」
まずは、酒米生産タイプを確認しておきましょう。「酒米自給自足タイプ」「酒米移入依存タイプ」「酒米自給移出タイプ」「酒米移出超過タイプ」の4タイプです。あとは、味の特徴と、特産品に関する記述をチェックしておけばOKです。

ちなみに、できれば、各府県の「日本酒生産量」「特定名称酒の比率」「酒造免許場数」「酒造好適米生産量」の数字は、ランキング順位も含め、全て覚えておくとかなり有利になります。実際の試験でも、酒造免許場数に関する出題もありました。覚える量としては膨大なので優先順位としては低いかもしれませんが、出題の可能性の大きさとしては無視できない領域です。

私自身、1次試験対策として、最も暗記の労力を使った部分でもあります。しかし、その成果は確実にあったと断言できます。

5.教本 第4章 対策

主に2次試験のテイスティングの際に使う知識となりますが、1次試験でも出題されやすいポイントがいくつかあります。

全国新酒鑑評会の審査では”色”の項目が無いこと、酸味の値による味わいの変化、酸味·甘味·苦味のもととなるアミノ酸。これらのポイントは、重点的に確認したいところ。

「味わい」の項に、チェックポイントが多く書かれています。ここは、読み込んでおく必要があるでしょう。

6.教本 第5章 対策

6-1.「飲む温度」編

冷酒、常温(冷や酒)、燗。それぞれの適温を確認しておきましょう。冷酒と常温に関しては特定名称別、燗に関しては味わい別に適温が変わってきます。

加えて、かつて燗酒の季節とされていた時期についても要チェックです。P.167に記載されています。

6-2.「飲む器」「注ぐ器」編

試験では、写真が提示されて、「この器はなんという名前か」といった感じの問題が出ます。

まずはしっかり名前を覚えて、その後で使い方等を確認するとよいでしょう。冷酒で使うのか、燗で使うのか。その用途も重要ポイントです。

6-3.「日本酒の保存方法」編

短い割に、重要事項の宝庫です。

メイラード反応に関しては、漏らさず確認しておきましょう。発見された時期と国、発見者名がポイントです。加えて、反応のピークとなる温度や保存温度による味わいの違いも、しっかりとおさえておきましょう。

グラス売が容易である点や、生酒は氷温貯蔵が理想的である点、火落ちは乳酸菌による変質である点なども重要ポイントとして挙げられます。

7.教本 第7章 対策

7-1.「焼酎の造り方」編

焼酎の造り方に関しては、まず、日本酒の造り方との違いをピックアップしてみてください。たとえば、こす工程がなかったり、乳酸ではなくクエン酸のはたらきを利用する点などがそれに当たります。

あとは日本酒同様、森から枝へ順番に造り方を細分化していき、各工程を掘り下げていきましょう。ここでもポイントは温度です。また、芋の原料処理や蒸留の工程は焼酎独自のものですので、重点的に確認しておく必要がありますね。アルコール度数の推移や、加熱方式による違いなど、分かりにくい点もありますので注意が必要です。

7-2.「焼酎の歴史」編

まず、蒸留技術の歴史についてです。ここでは国名や年号がたくさん出てきて少しゴチャゴチャしています。混同しないように注意です。

蒸留技術の伝来ルートもしっかりと確認しておきましょう。P.220の図表10も併せて、頻出ポイントとなります。最有力説であるインドシナ半島·琉球経路については、ラオロンや阿刺吉酒といった用語まで記憶しておくのが理想的です。

特に重要となるのが、P.220~P.222。年号·人名·地名が多く登場する箇所でもあり、狙われやすいポイントとなっています。西暦だけでなく、何世紀のことなのかというところまで見ておきましょう。

加えて、蒸留器の種類や、P.223~P.224の「消費量の変化」の項なども問題になりやすい箇所と言えるでしょう。年間販売数量は、鹿児島に次いで宮崎が2位である点もチェックポイントです。

7-3.「いろいろな焼酎」編

焼酎の項目の中では、ここが大きな山になるのではないでしょうか。

芋焼酎に関しては、品種による違いを要チェック。麦焼酎は、壱岐と大分の違いを同様に要チェック。米焼酎は、どんぶり仕込みという用語に加え、その歴史まで見ておきましょう。泡盛は、他の焼酎に比べても分量の多い項目。歴史や製法、「びん付け油の匂い、熟れたホオズキの匂い、雄山羊の匂い」といった記述、P.238の「カラカラ」「ちぶぐゎー」などがキーワードです。黒糖焼酎は、産地が限定される経緯を確認。そば焼酎は産地、酒粕焼酎は製法による違いをチェックすればOKです。

上記に加え、各焼酎の地理的表示に関するルールも頻出事項です。

最後に、連続式蒸留焼酎ですが、ここではアルコール分による分類法と、蒸留機の歴史を確認すればOKでしょう。

7-4.「焼酎の表示ルール」編

細かい記述が続きますが、狙われやすいポイントは限られています。

まずは何と言っても地理的表示に関するルール。ここは最重要チェックポイントとなります。焼酎だけでなく、清酒やぶどう酒のルールも含め、P.233の地図で確認しておきましょう。

その他は、長期貯蔵種に関して、「3年以上」「50%」といった数字を覚えておけば十分でしょう。

個人的に、P.231の物品全てを覚えなければならないとしたら恐ろしいものがあるなあと思った記憶がありますが、まだここは問題になったことは無いようです。安心。

「つるつる」って、なんやねん!笑

8.おわりに

執筆完了まで1ヶ月強を要してしまいましたが、これにて1次試験対策はザッと全て触れたことになります。なにか質問等あれば、どんどんお寄せください。TwitterからでもOKです(ID:@ato_UR)。

私自身、本格的に1次試験の勉強を始めたのがちょうど1年前くらいになります。

ここから試験まで、緊張と不安の日々が続きます。しかし、努力すればするだけ、自分の武器は増えていきます。要点を外さないように、着実に歩みを進めていってください。必ず、結果はついてきます。

影ながら、受験生みなさまの成功をお祈りしております。


注)私は、まだまだ日本酒を勉強したての身であります。記載事項に関しては、自らのSAKE DIPLOMA認定試験合格の武器になったことは事実ですが、専門的見地からすると誤りであることも多々あるかと思います。その際は、ご指摘を頂けると非常に助かります。




































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