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青年は眠たく中年は朝が早い

思春期には眠たくなるものだ,という話もだんだんと世の中に知られるようになってきているようです。どうして中高生の頃はあんなに眠いのか。自分の子どもを見ていても,年齢が上がるとどんどん夜方向に睡眠パターンがシフトしていく様子がわかります。

早起きは難しい

アメリカ小児科学会は,思春期には「23時前に寝て朝8時前に目覚めるのは難しい」という声明を出したとか。中学生高校生には嬉しい提言かもしれませんが,授業時間を後ろにスライドさせると夜寝る時間がさらにそれに合わせてスライドしていかないか心配です。

また親にとってみれば,あんなに毎日,8時半には寝ていたのに……(いつのまにか大きくなって生意気に夜長々と起きちゃって)……と,子どもはいつまでも小さい子のイメージのを引きずるものなのかもしれません。夜寝るのが遅くなった子どもの姿を見るときには,成長を喜ぶべきなのでしょうか。

思春期の特徴

心理学ワールド第84号の記事の中で平石先生が「夜型スライドは思春期の特徴で,大人になるとそれなりに戻る」ということや,授業が「最近は1限」ばかりになっていることを書かれていました。

同じようなことは私自身も思ったことがあります。30代の頃はぜったいに「1限の授業なんかやりたくない!学生だってイヤでしょう」と思っていたのに,40代になったいまは「1限からやるのもいいんじゃないですか」と意識が変わっているのを実感します。面白いなと思いますが,学生にとって年長の教員はこうやって互いの認識が乖離して,面倒な存在になっていくものなのかもしれません。

家族構成にも

ああ,でも,自分の場合は小中学生の子どもたちが家にいる,というのも大きいかもしれません。何時に寝ても,6時とか6時半には強制的に起こされるのですから。夜中に執筆していようが仕事メールの返事を出していようが関係ありません(皆が寝たあとじゃないとと静かに仕事ができないことも)。それで睡眠時間がだんだんとひどいことに……。

睡眠と性格

睡眠と心理的な特徴を検討した研究は,昔からよく行われています。たとえばドイツの研究者たちの研究で,ビッグ・ファイブ・パーソナリティと睡眠パターンの研究があります(Chronotype, Sleep Behavior, and the Big Five Personality Factors)。

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