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子どもたちがスクリーンを見る時間と精神的な問題との関連

皆さんは1日にどれくらいの時間を,スクリーンを見て過ごしているでしょうか。スマホのスクリーンタイムを知らせる機能もありますが,「まあこんなものか」と見過ごしたりもしているのではないでしょうか。

アメリカ合衆国で行われた調査によると,8歳から12歳の子どもたちは,1日平均6時間の時間,スクリーンを見て過ごしているそうです。SNS,ゲーム,オンライン動画など,スクリーンを見る娯楽はますます増えていますので,致し方ないというところでしょうか。また青少年の約45%が,ほぼ常にオンライン状態だと回答もしているそうで,2006年から10年あまりでオンラインの時間は倍増しているのだそうです。


問題が生じるのは

これは広い範囲について言えることなのですが,問題のあるデジタルメディアの使用の判断基準というのは,「日常生活に問題が生じるかどうか」という点にあります。そして,日常生活に支障を生じさせることが確実になってくる,この手前の状態についても,問題視されていきます。つまり,うつ,不安,ストレス,自尊感情の低下などです。

スクリーンタイム

そもそも,スクリーンを長く見ることとメンタルヘルスとの間に,明確な関連は生じるのでしょうか。長時間スクリーンを見ることそのものが問題だという考え方もあれば,時間だけが問題なのではなく,見方が問題なのだという意見もありそうです。

そこで,思春期よりも前の段階にあたる,9歳から10歳を対象として,スクリーンタイムやデジタルメディアの使用と精神疾患傾向との関連を検討した研究を見てみましょう。こちらの研究です(Associations between screen time and internalizing disorder diagnoses among 9- to 10-year-olds)。

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