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ダークな特性とH因子

以前,ビッグ・ファイブ・パーソナリティ以外の全体的なパーソナリティ・モデルのひとつにHEXACO(ヘキサコ)モデルがあるという話を書いたことがあります。

HEXACOの6因子

HEXACOモデルは,ビッグ・ファイブ・パーソナリティに「H因子」を加えたようなかたちになっています。ただし,同じような名前はついていても,内容は少しズレたりしているのですけどね。

H: Honesty-Humility(正直さ—謙虚さ)
E: Emotional Stability(情緒安定性)…神経症傾向の逆でBig Fiveとおおよそ同じですが,内容の一部がH因子に入るため完全に同一ではないようです。
X: eXtraversion(外向性)…Big Fiveの外向性とほぼ同じ
A: Agreeableness(協調性・調和性)…Big Fiveの協調性と大体同じですが,部分的にH因子に内容が吸収されているため全く同じではありません。
C: Conscientiousness(勤勉性・誠実性)…Big Fiveの勤勉性とほぼ同じ
O: Openness to Experience(開放性)…Big Fiveの開放性とほぼ同じ

外向性に「X」を当てて,情緒安定性を「E」にしているところがポイントです。

そして何といっても,英語で「hexa-」は「6」という意味ですからね。こういうオシャレなネーミングのセンスが,自分にも欲しいなと思うことがあります。

ダークな特性

このHEXACOモデル,海外の研究ではもうひとつの大きな流れとともに知られるようになりました(と私は思っているのですが)。それは,ダークな性格です。

Dark Triad(暗黒の三つ組み?)という,3つの社会的に望ましくないパーソナリティ特性の集まりがあります。マキャベリアニズム,サイコパシーそしてナルシシズムです。

マキャベリアニズム
人を操ろうとする,自分の目的のためには手段を選ばない,自分自身の利益に関心があり,人の利益をあまり考えない。

サイコパシー
共感性に欠ける,衝動の抑制があまりきかない,良心の呵責を感じない,恐怖心を感じない。

ナルシシズム(自己愛)
自分が好き,自己中心的,自分が特別な扱いを受ける権利があると感じる,自分への賞賛を求める。

HEXACOとダーク特性

2002年にDark Triadの最初の論文が刊行されてからもうすぐ20年が経とうとしています。この間,本当に多くの研究が生まれ,数え切れないほどの論文が世界中で刊行されました。

そして,その勢いに乗っかるようにまた勢いを伸ばしてきたのが,HEXACOモデルなのです。

というのも,こういう研究があるからなのですよね。たとえばこの論文(The Dark Triad, the Big Five, and the HEXACO model)です。

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