「9」がつく年齢は要注意という話
以前,Duolingoの連続日数が1200日になったという話を書きました。こちらの記事です。この記事では,Duolingoの話から,パーソナリティ特性の一つである勤勉性と実行機能,そしてそれらが社会にとって重要な役割を演じることを書きました。
そしてとうとう,その日数が1234日になりました。「1234」と数字が並びましたので,記念のスクリーンショットです。
同じ数字が並んだり,連続した数字になったり,そういう数字が並ぶのって,嬉しいものですよね。たとえば自動車のトリップメーターも,きりの良い数字をつい写真に撮ってしまいます。そういうことって,ありませんか?
しかしここまで日数が続くと,いつ止めようかと悩んでしまいそうです。
宝くじの番号
気が向いたので宝くじを1枚だけ買おうと,売り場に行ったときのことを想像してみてください。売り場で店員さんが,「あと3枚だけ残っているんだけど,どれがいい?」と目の前に3枚の宝くじを出してきました。
あなたなら,次のうちどの番号を買いますか?
A. 5555555555
B. 1234567890
C. 8230146759
どうでしょうか。
ABCのうちどれか1枚を選んでみてください。
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この問題ですが,多くの人は「C.」を選ぶのではないかと思います。
さすがに,「55555555555」や「1234567890」という番号があたるような気はしませんよね。もしかすると,どうせ当たらないのだから,珍しい数字を買っておこうという気分にはなるかもしれませんが。それに,もしも「今回の当選番号は1234567890です」と発表されたら,なんだか大ニュースになってしまいそうにも思います。
しかし,A.とB.とC.の宝くじって,「当たる確率は違う」のでしょうか?くじである以上,どの番号も当たる確率は等しいはずですよね。もちろん,「1234567890」が当選番号になることだって,ありえるのです。
ところが,実際に宝くじを買って,窓口からもらったくじに5が並んだ数字が印字されていたら「こりゃダメだ」と思ってしまいそうです。私もきっと,そう思います。不思議ではありませんか?
ちなみにC.の番号ですが,これは「1234567890」を並べ替えただけです。同じ数字が使ってあるのに,どうして「こちらの方が当たるだろう」と考えてしまうのでしょう。不思議に思いませんか?
キリの良い数字の研究
人生において,きりの良い数字がもたらす影響を調べた研究,というものがあります。
「10代」「20代」「30代」というように,人間の年齢は10年ごとに区切って認識される傾向があります。
それぞれの段階の最後の年である「◎9歳」(29歳とか39歳とか)は,次の年代に移行する特別な年でもあります。そういう最後の数字の年齢というのは,何か特別なことが起きるのでしょうか。6つのデータを分析することで,そういう効果があるのかどうかを調べたという,ちょっと変わった研究です。
ところで話が脱線してしまいますが,20代が20歳から始まるのか21歳から始まるのかって,考えてみると難しい問題ではないでしょうか。
21世紀問題
20世紀から21世紀になるときにも,同じような問題があったのを思い出しました。
21世紀に入るのは,2000年なのか2001年なのかという問題です。今では「21世紀は2001年でしょう」と誰もが思っていると思うのですが,当時は結構混乱していたと記憶しています。
スティーブン・グールドのこんな本も1998年に出版されています。
ノストラダムスの大予言も1999年でしたし(7月に世界は滅ぶと多くの人が信じていました。本当ですよ),デーモン小暮閣下率いる聖飢魔IIも1999年にいったん解散します。
1999年には「世紀末」と言われていたのですが,2000年にはすっかりその言い方はなくなってしまった記憶があります。でも実際の世紀末は2000年なのですよね。そして21世紀は2001年なのです。なのに1999年が圧倒的に世紀末だというイメージです。2000年だけ,その間に挟まれて中途半端な存在に思えてしまいます。
9のつく年齢に起きがちなこと
先ほどの論文に話を戻しましょう。
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