完全主義だから先延ばしするのか組み合わせなのか
「完全主義」と「先延ばし」という2つの心理特性を知っているでしょうか。
完全主義は,高い目標を定めてその目標を達成しようと努力し,少しでも達することができなければ「失敗した」と考えてしまう傾向のことです。
先延ばしは,やらなければならない課題があるにもかかわらず,なかなかその課題に手をつけることができない状態のことを指します。課題の種類や状況によって先延ばしが生じることはあるのですが,一種の癖と言いますか,パーソナリティ(性格)のようなものだと捉えられることもあります。
完全主義と先延ばし
完全にしようとするなら,先延ばしをせずにしっかりと計画を立てて〆切までに計画的に課題に取り組みそうなものです。ところが,完全主義的な人ほど先延ばしをしてしまう,という話もあるのですよね。
完全主義的な人は「完璧じゃないといけない」と考えがちです。このような人は「うまくできなかったどうなるだろう」と不安に陥りやすいとも考えられます。すると,なかなか課題に取り組むことができなくなってしまうのではないか,ということにつながるというわけです。
実際の関連は
では,実際に完全主義と先延ばしはどのような関連を示すのでしょうか。縦断的な調査をしながら,完全主義,先延ばし,そして心理的な問題について検討した研究がありますので,見てみたいと思います。おの論文です(Perfectionism, Procrastination, and Psychological Distress)。
この研究では,3時点で完全主義,先延ばし,精神的な苦痛を測定して因果関係を検討しようとしています。調査に参加したのは大学生357名です。
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