性格と運転行動パターンとの関連
この話題も何度か扱っているのですが,自動車の運転行動とパーソナリティ特性との関連を検討した研究というのは,いくつも行われています。
交通事故は世界中で長期間にわたって,公共の安全を脅かす大きな問題とされています。世界では,毎年約130万人が交通事故で死亡していると推定されているとか。そして,交通事故の90%以上が人的な要因,特にドライバーの運転行動が大きな要因であるとも推定されています。
運転パターン
ビッグ・ファイブ・パーソナリティについても,運転行動との関連が検討されています。とはいえ,どのような運転なのか,焦点を当てるポイントもあります。
運転者自身や他の道路利用者の安全を祈念に晒す可能性のある意図的な行動を伴う運転のことを,攻撃的運転行動や危険運転行動と言うそうです。危険な運転行動は,意図したものも意図しないものも含み,運転者自身も危険にさらすような行動が含まれます。急いでスポードを出しすぎたり,信号を無視したり,頻繁に車線変更をしたり……という行動を含むものです。
一方で,危険運転行動は,他の道路利用者を物理的または心理的に傷つけ,または傷つけることを意図した行動とされます。ライトを点滅したり,怒鳴ったり,割り込んだり,急にブレーキを踏んだり,あおったり……というのが,攻撃的運転行動ですね。
積極的な運転行動は,交通環境や他の道路利用者に気を配り,礼儀正しく振る舞うような運転行動です。他のドライバーに道を譲り,近づきすぎることを避けたり,全体的に社会にとって好ましい運転行動ですね。
性格との関連
では,こういった運転行動のパターンが,ビッグ・ファイブ・パーソナリティとどのように関連するのでしょうか。メタ分析で検討した研究がありますので,こちらの論文を見てみましょう(The association between the Big Five personality traits and driving behaviors: A systematic review and meta-analysis)。
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