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「〜たり,〜たり」が気になる

Wordでこんな文章を書いていると……

「ストレスに強かったり,動じない傾向がある」
の場合,「強かったり」に下線が引かれます

それは
「〜たり,〜たり」と繰り返しなさい!
という警告です。

「ストレスに強かったり,動じない傾向がある」
 ↓
「ストレスに強かったり動じなかったりする傾向がある」

このように「〜たり」を繰り返すと,下線が取れるのです。

守った方が良いでしょう by NHK

NHK放送文化研究所に記事がありました。

Q. 「(休みの日には)本を読んだり音楽を聴いて過ごしています」などという言い方を、放送でも耳にすることがあります。この言い方は間違っているのではないでしょうか。

A. 「(休みの日には)本を読んだり音楽を聴いたりして過ごしています」と、「たり」を繰り返す形にするのが本来の言い方・用法です

このように,繰り返すのが本来の用法だと言っています。

確かに「行ったり来たり」「跳んだりはねたり」「泣いたり笑ったり」と「たり」は繰り返されます。

長い文章だと

でも,長い文章になるとつい
「この徴候の中には,インターネットを過度に閲覧したり,メッセージに即レスをしなければならないという強迫的な傾向が含まれる」
といったように,「〜たり,〜たり」の後ろの「〜たり」をついつい省いてしまいがちです(これは何の文章だよ!ということは置いておいて)。

先ほどのNHK放送文化研究所の記事にも,次のように書かれています。

この「~たり~たり」の語法が守られない背景には、文章そのものが長くなりすぎる傾向もあるためと思われます。

確かに……。

本の原稿でも

本の原稿を書くと,編集者の手直しが入ります。こういったウェブの文章では基本的に文章の書き方は自己責任なのですが,プロ(編集者や校閲者)に手直しをしてもらうと,文章全体がとても読みやすくなります。

「やはりこういうプロは必要だな」と思う瞬間です。

ところが,最近はこの「〜たり,〜たり」の後半を削られることもあります。

Wordで原稿を書くと,後ろの「〜たり」がないと下線が引かれますので,後ろの「〜たり」を書くように工夫した文章にした原稿を送るのです。すると,この後ろの「〜たり」がばっさりと削られていることがあります。

もう,長い文章だと後ろの「〜たり」は不要だということでしょうか。

単独の「〜たり」

もう1本,NHK放送文化研究所の記事がありました。

「ご飯を食べたりする」
のように,「〜たり」を単独で使う場合があります。この形なら,「〜たり」を単独で使っても良いと言うことです。

またそこには,
ただし例外も多いので、いろいろな言い方を吟味しながら、その場に一番ふさわしい表現を見つけるようにしましょう
と書かれています。

文章が長くなると,次の並列表現と距離が遠くなりますので,単独で使う「〜たり」と同じような使い方で構わない,ということなのかもしれませんね。

またその記事には
「日本語では『~たり~たりする』という形になる傾向がある」というように覚えたりしておく程度が、無難なのではないでしょうか。
と書かれています。

一応は,文章を書くときに気にしておいたほうが良いかもしれません。

ついつい気になる

自分が気にしていたことだと,何気なく文章を読んでいてもついつい気にしてしまいます。

「〜たり」があると,「お,2つめはちゃんと出てくるかな」なんていうふうに。

こんなところを気にしていると,文章を楽しめなくなりそうです。
でも,つい気になってしまうのですよね……。

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