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神経症傾向の重要性

人間が示す多様な問題となる行動を,おおきく2つに分類するやり方があります。内在化問題と外在化問題です。

◎内在化問題(internal problems)……抑うつ,不安,恐怖など自分自身の内部に問題が生じる傾向
◎外在化問題(external problems)……攻撃,暴力,盗み,いじめなど自分と社会との間に問題が生じる傾向

この両者は,どちらも「問題だ」とされるような行動や結果なのですが,その中身の質が違うことはなんとなくわかるのではないでしょうか。

神経症傾向

基本的な性格特性のなかで,いちばん内在化問題に関連するのが神経症傾向(neuroticism)です。情緒不安定性と呼ばれることもありますし,数直線の逆側にして情緒安定性(emotional stability)とすることもあります。

問題につながりやすい神経症傾向ですが,見方を変えると「役に立つ」という評価を行うことも可能です。たとえて言うと,警告機能のような働きですね。そういう特性が有利に働く場面もありますし,注意深さや敏感さが必要とされる職業もありそうです。

公衆衛生と神経症傾向

とはいえ,やはりさまざまな問題に結びつきやすいパーソナリティ特性だということで,問題視されることも多いのがこの神経症傾向です。

たとえばこのレビュー論文(Public health significance of neuroticism)では,公衆衛生関連の変数の多くに,神経症傾向が関連する様子が報告されています。

何に関連する?

神経症傾向が関連するものは,実に多岐にわたります。そして,その効果量(関連の大きさ)も比較的大きなものが多いようです。

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