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青年期における非認知能力の発達

割引あり

ある研究分野では,心理学の中では「パーソナリティ特性」とされている枠組みが,「非認知スキル」とか「非認知能力」と呼ばれて研究が進められることがあります。


非認知スキル

非認知スキルとか非認知能力とかという言葉が使われる時には,「知能や学力以外の何らかの心理特性」であることを意味します。とはいえ,知能や学力と,それ以外の心理特性とは,完全に分離できるわけでもありません。自己認識そのものも認知的な能力ですし,文章を読んで自分の過去や普段の様子を思い起こし,選択肢の中からもっとも適切だと思うものを選択すること自体,認知的な能力を必要とします。

もっと単純に,非認知スキルとか非認知能力とかいう場合には,「知能検査や学力試験で測定されるもの以外」を指します。かつ,「知能検査の結果や学力試験の結果くらい,役に立つとされるもの」という条件も付け加わります。

ビッグ・ファイブ・パーソナリティもグリットも

というわけで,今回紹介する論文では,「非認知スキル」ということばがタイトルにつけられてはいるのですが,内容はビッグ・ファイブ・パーソナリティとグリットです。青年期における,ビッグ・ファイブ・パーソナリティと「やりぬく力」とされるグリットの発達的変化を検討することが目的です。確かに,青年期はこれらのパーソナリティ特性にとって重要な時期だとは考えられます。

では,こちらの論文を見てみましょう(The development of non-cognitive skills in adolescence)。

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