見出し画像

工夫しながら一生懸命楽器を練習する人

個人的に人生の中でひとつ「やっておけばよかったな」と思うことは,なんでもいいので楽器の演奏を習っておけば良かったな,ということです。まあ,多くのことはそうなのでしょうけれども,人生の中でチャンスはどこかにあるのですよね。でも,それをそのときには見逃すのです。「面倒くさいな」とか,「面白くないな」とか。そして,あとから「やっておけばよかったな」と思うのですよね。

熟達

楽器を学ぶというプロセスのなかでは,必要な演奏スキルを順を追って体系的に学んでいくということが必要とされます。

何を目的に楽器を演奏するのかという問題もありますよね。演奏家になるというのであれば,きっと生まれ持った才能も必要になるでしょうけれども,一生涯演奏を楽しんでいくということであれば,順を追って熟達していくことで「楽しい」という感覚が維持され,さらに練習を重ねていくことができそうです。

そんな先生に出会えたら,今からでもうまく演奏できるようになれそうです。


自己調整学習

特定の目標を達成するために,メタ認知,動機づけ,行動面で積極的に取り組んでいくような学習の仕方のことを,自己調整学習といいます。自己調整学習を行う人は,学習のプロセスのなかでのあらゆる段階を計画的かつ組織的に,実行したり観察したり評価したりすることができます。また動機づけの面でも,自分自身で工夫をして最適な環境を整えることができると考えられています。

この自己調整学習が効果を発揮するのは,楽器の練習でも同じだと考えられます。練習をする前に学ぼうとする内容をしっかりと考えて分析し,結果を予想しながら,「自分にはできる」という感覚を抱きます(自己効力感)。練習中には,集中力を発揮しつつ,自分の目標や考え方,戦略などを考えながら取り組んでいきます。そして練習後には,自己評価を行い,うまくいった・いかなかった理由を考え,次の練習に向けて準備を進めます。

このように,全体的に自分の練習を意識して活動することができれば,どんなことでも上達していくことができそうです。

楽器の練習に影響するか

では,実際に自己調整学習やパーソナリティ(性格)特性が楽器の練習に影響するのでしょうか。この観点から調査を行った研究がありますので,見てみましょう。こちらの論文です(Relationships Between Self-Regulated Learning, Big Five Personality Traits, and Amount of Instrument Practice)。


ここから先は

776字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?