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不老長寿になりたいですか?

永遠の命が手に入ったら……という想像をしたことはあるでしょうか。そうすれば,やりたいことを何でもすることができそうですし,これから人類がどんな道に進んでいくのかを見ることもできます。永遠の命なのですから何をしても死ぬことはないのでしょうし,そうだとしたらどうなるかなあ,などとあれこれと思い描いたりすることではないでしょうか。

八百比丘尼

日本では,人魚の肉を食べて不老不死になった比丘尼の伝説がよく知られています。なんでも,800歳まで生きたとか。「不老長寿は幸せなの? 800歳まで生きた姫の伝説が残るお寺に質問をぶつけてみた」という記事を見つけました。

この物語は,まさに不老長寿が幸せであるのかという問いをぶつけるものになっています。永遠の命を授けられたが故に,次々と自分の周囲の人々が先に亡くなっていくことを体験しなければなりません。それは果たして幸せなことなのだろうか,という問いです。

ちなみにこの八百比丘尼,手塚治虫の火の鳥にも登場します。

火の鳥異形編では,時間が閉ざされた世界に閉じこめられてしまった人物として八百比丘尼が描かれています。殺した人物が実は殺された人物と同一人物だった,というタイム・パラドックスのストーリーです。

火の鳥は若い頃から好きで,何度も読み返した記憶があります。

山之辺マサト

火の鳥には,もうひとり永遠の命を授けられる人物が登場します。未来編の山之辺マサトです。

この話も初めて読んだ時から,強烈な印象として残っています。核戦争で人類が滅亡してしまうのですが,もう一度文明を持つ人類を進化させようと試みて,何億年も待ち続けるという話です。途中,ナメクジが文明を起こして,結局は滅亡してしまうところも印象深いところです。

火の鳥はその昔買ったセットがあるので,うちの子たちも読んでいます。

永遠の命があったら

もしも永遠の命を授ける医療が開発されたら,それに対してどんな態度をとるのでしょうか。そんな問題に取り組んだ,少し変わったタイトルの論文があります(Women Want the Heavens, Men Want the Earth: Gender Differences in Support for Life Extension Technologies)。

ずっと寿命が延びたら

医療のひとつの目的は,無制限の生命の延長にあるのかもしれません。少なくとも,寿命を極限まで延長しようとする傾向はあります。

そのような無制限の寿命の延長に対する態度の研究が,これまでにも行われています。その研究によると,男性よりも女性の方が,また宗教的な人(より真摯にいずれかの宗教を信じる人)の方がそうではない人よりも,寿命の延長に対して否定的な態度を取りやすいことがわかっているそうです。

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