見出し画像

2022年に読んだ本の振り返り(3)

今回も,2022年に読んだ本を振り返って紹介していきたいと思います。

博論日記

今回の1冊目です。

中身は漫画なのですが……『博論日記』(ティファンヌ リヴィエール 中條 千晴(訳),2020年,花伝社)です。

フランスの大学で博士課程に進学する女子学生が主人公です。カフカをテーマに博士論文を書くことを目指しているのですが,どんどん鬱々とした感じが増していき,最初の頃とすっかり容姿も変わっていってしまいます。

大学院のシステムも国によってずいぶん違いますし,大学院生が置かれた状況も異なります。でも「論文書けない!」とか「将来が不安」とか,共通する部分もありそうです。

メンタリズム

2冊目です。

『メンタリズム 最強の講義 メンタリストがあなたの心理を操れる理由』(ロミオ・ロドリゲスJr. 2020年,日本実業出版社)はどうでしょうか。

心理学の授業をしていると,「メンタリストは何をしているのですか」という質問がよく出てきます。内容を知らなければ,答えることもできませんからね。読んでみたというわけです。

著者は1972年香港生まれ。私と同年です。4カ国語を操るそうで,この本もご本人が日本語で書かれたということでしょうか。この本を読んでいくと,メンタリズムが特に不思議なことをしているわけではなく,トリックに心理学の研究知見を組み合わせたようなものであることがわかります。

トドラーの心理学

3冊目は,もう少し心理学に寄せましょう。

『トドラーの心理学 1・2・3歳児の情緒的体験と親子の関係性援助を考える』(アリシア・F・リバーマン 2021年,福村出版)です。

たぶん「トドラーって,何?」と思うのではないでしょうか。トドラーは,“toddler”の訳なのですが,訳といいますか……カタカナで書いたものです。そして“toddler”というのは,昔の心理学の本では「よちよち歩きの子」とか「よちよち歩きの時期」と書かれていたのではないでしょうか。最近は「トドラー」とカタカナ書きをする機会が増えているようです。だいたい2歳から4歳くらいの子どもの発達時期を指す言葉です。

この本は,1歳くらいから3歳くらいまでの子どもたちを対象にした研究をまとめて,テーマに沿って紹介するものです。親子関係,気質,それぞれの気質タイプの特徴,親の離婚,保育の問題などです。

赤ちゃんの時期を過ぎて,幼稚園や保育園に入る前,危なっかしそうに歩いているような時期に,どんなことが起きるのでしょうか。この時期の子どもたちを理解するためにもよい本です。

しかし,なつかしいですね……。次は孫ですか?

ここから先は

0字
【最初の月は無料です】心理学を中心とする有料noteを全て読むことができます。過去の有料記事も順次読めるようにしていく予定です。

日々是好日・心理学ノート

¥450 / 月 初月無料

【最初の月は無料です】毎日更新予定の有料記事を全て読むことができます。このマガジン購入者を対象に順次,過去の有料記事を読むことができるよう…

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?