人間の行動を変える寄生虫
今回は『心を操る寄生生物』という本の中からの一節の紹介です。この本には,さまざまな寄生虫が宿主の行動を変えていく様子が紹介されていて,読み進めるにつれて興味深いと同時に,からだがぞわぞわしてくる感覚を味わうことができます。
ギニア虫
この本の中で書かれていた「ギニア虫」について,紹介したいと思います。この寄生虫による感染症は撲滅寸前で,もうすぐこのような状態になってくる人はいなくなりそうです。
ちなみに,世の中には「このキーワードで画像を検索しない方がいい」というものがありまして,「ギニア虫」もそのひとつといえるかもしれません。というのも,こんな感じだからです。
体のなかを移動する
ギニア虫のメスは,成長するにつれて感染した人間の体のなかを移動していきます。人間を操るというと,脳の方へ移動するのではないかと思いがちなのですが,その反対方向へと移動するのです。たいていは,ふくらはぎやその先の足の方です。ギニア虫は,人間の足がどっちの方向なのかがわかっているのでしょうか,なぜ知っているのでしょうか……。
子どもを放出
足の方にたどりついたギニア虫は,そこでわざと酸性の物質を放出して,人間に痛みを与えます。すると人間は,炎症が起きた足を水につけようと身近にある水に足をつけます。すると,ギニア虫は水を感じて目的を達成するそうです。
いったいいつどうやってこのサイクルが確立されたのかまったくわからないのですが,とても不思議です。とはいえ,衛生教育と水濾過システムのおかげで,ずいぶん感染は減ってきているそうです。撲滅できる日も近いということですので,何よりです。
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