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普段から大麻を吸う人々の特徴

割引あり

気分がよくなるために,どのようなことをするでしょうか。お酒を飲む?タバコを吸ってゆっくりする?よく眠る?美味しい物を食べる?人によってさまざまです。

もしも一部の地域のように,大麻が解禁されていたら,試してみたりするでしょうか。


大麻

世界中で,過去1年間に大麻を利用したことがある人数は,2億人にものぼるという推計があります。大麻はカフェイン,アルコール,タバコに次いで世界で4番目に利用されている娯楽用薬物です。アメリカでは特定の州で大麻が解禁されてから,大麻ビジネスが一気に盛んになりました。2019年にはアメリカ人の18%が少なくとも1度は大麻を使用したことがあるそうです。アメリカだけでなく,2021年にはカナダ人の25%が少なくとも1回は大麻を使用し,そのうち35%が州に3回以上摂取しているというデータもあります。

大麻を対象にした研究の多くは,大麻を薬物乱用に利用される物質として扱う傾向があり,乱用と依存による健康リスクに焦点が当てられる傾向があります。

日常の利用

慢性的な大麻使用者というのは怠惰で薬物常習者だというイメージが一般的ですが,実はあらゆる階層に日常的な使用者が存在しているとのことです。ただし,慢性的な利用者の特徴として,男性であること,若年層であること,黒人やラテン系であること,先住民族であること,未婚者が多いことなどが挙げられます。

矛盾するような調査結果もあります。たとえば,慢性的な大麻使用者は意欲が低いという研究結果がある一方で,正常範囲内で問題がないという研究もあります。このような不一致は,研究の暗黙の目的が背景にあるのかもしれません。そもそも大麻を悪いものと考えて抑制しようと考えて研究をするなら,大麻イコール悪いことに結びつきやすい研究結果が報告されやすいかもしれません。


慢性的な大麻使用

今回紹介する研究では,日々のデータ収集から,慢性的な大麻使用者の日常生活において,大麻を摂取してハイになる経験を調査しています。大麻に依存する毎日の個人内の変化が,個別の感情や特定の動機づけなどに関連するかどうかを検討するものです。

では,こちらの論文を見てみましょう(Chronic Cannabis Use in Everyday Life: Emotional, Motivational, and Self-Regulatory Effects of Frequently Getting High)。

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