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世界の国々の新型コロナウイルス感染症の男女差

男性と女性が医療を受ける際に,何らかの格差があると感じることはあるでしょうか。実は多くの国で見られる男女間の不平等のひとつに,医療や医学的資源へのアクセスにおける男女差があるのだそうです。

たとえばアメリカ合衆国では,男性よりも女性では,高い医療費を理由に推奨される治療を延期したり中止したり,処方箋への記入を行わなかったり,薬の処方を飛ばしたりする傾向が見られるのだそうです。

バイアス

さまざまな点で女性にとって不利な面があるにもかかわらず,それがあまり表面化していないという点も問題です。たとえば,国に不況が訪れると,女性よりも男性の福祉を優先する傾向が見られるそうです。また世界のいくつかの地域では,女児よりも男児のほうが栄養失調になりにくく,ワクチンを接種しやすく,病気の時に保健医療施設に連れて行かれやすいという傾向が見られることすら報告されています。

ちなみに日本も例外というわけではなさそうです。今回紹介する論文の冒頭には,次のように書かれています。

日本の医学部女子受験生に対する差別やエジプトの女性器切除など,女性と男性の間の不平等はさまざまな形で存在しています。

世界の不均衡

では,世界133か国のデータを対象に,男女のウィルス死亡率の差を検討したら,どんな様子が見えてくるのでしょうか。こちらの研究で確認してみましょう(Women, men and COVID-19)。

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