ダークな性格の核心
日本ではそれほどものすごく研究が盛り上がっているというわけではないのかもしれませんが……この20年間,ダークなパーソナリティ(Dark TriadやDark Tetrad)の研究はほんとうに数多く行われました。
マキャベリアニズム,サイコパシー,ナルシシズム,ここまでのまとまりでダーク・トライアドです。これらにサディズムを加えて,ダーク・テトラッドと言います。それぞれが独自の研究の歴史をもつ概念なのですが,互いに関連することから,これらのパーソナリティには共通の基盤があるのではないかという仮説も立てられています。
これが「ダーク・コア」(dark core;暗黒の核?)と呼ばれる仮定です。
最近では,このダーク・コアに関連するさらに多くのパーソナリティ特性も合わせて測定する尺度も開発されているようで……ますますこの手の研究は発展していきそうです。が,国内ではまだまだ,といった印象でしょうか。
ダーク・コアの特徴
では,こんな暗黒の中心地のような(?)ダーク・コアにはどんな特徴があるのでしょうか。ネットワーク分析の手法を用いて検討している研究があります。この論文を見てみましょう(The good, the bad, and the ugly: Revisiting the Dark Core)。
調査人参加したのは平均29.8歳の268名です。この研究は,セルビアやクロアチアの研究者たちによって行われています。というわけで,調査はセルビアで実施されています。調査には11種類もの尺度が含まれていて,そこから40以上のパーソナリティの得点が算出されます。
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