ChatGPTは公認心理師の問題を解くことができるのか
さて,今回も,なんでも答えてくれるChatGPTで遊んでみましょう。
今回は,第1回公認心理師試験問題の最初の5問を,ChatGPTに回答してもらいましょう。果たして,AIは公認心理師の試験問題を解くことができるのでしょうか。
なお問題は,一般財団法人 日本心理研修センターのwebページに掲載されている,「第1回公認心理師試験(平成30年9月9日実施分)午前問題」のpdfファイルより,最初の5問をそのまま抜き出しています。
第1問
最初の問題は,次の内容です。
このままChatGPTにコピー&ペーストします。すると……
あれ?サイコロジカル・ファーストエイドは確かに「心理的応急処置」ですが,それはスクールカウンセリングではないのでは?間違えるのか……。
第2問
気を取り直して次の問題です。
ChatGPTの回答は次のとおりです。
うーん,これも答えが違うのでは……(正答はネット等でご確認ください)。1は一時保護で緊急一時保護ではない,というひっかけ問題にひっかかった?
第3問
次にいきましょう。
事例の形式になっている問題です。ChatGPTは内容を理解できるのでしょうか。出力された回答はこちらです。
これは正しく答えることができたようです。
第4問
次は,森田療法に関する設問です。
ChatGPTに答えてもらいましょう。
いや,違う……。
あ,でも,これは文章の微妙なひっかけのニュアンスをChatGPTが自分で気をつかって解釈してしまったのでしょうか……?「見調べ」を勝手に「誤記した」と判断して,ChatGPTが気をつかって「身体感覚」に置き換えてしまい,結果的に誤答になったように思えます。
第5問
次の問題にいきましょう。
これなら大丈夫でしょう!
自信満々の答えですね!「どうだ,決まったぞ」みたいな。
難しい
ChatGPTが公認心理師になるには,まだ時間がかかりそうです(単に「時間の問題」かもしれませんけれども)。しかしそれにしても,ChatGPTの問題の間違え方は,「とても人間的」だというのも正直な感想です。
そして,ChatGPTが自信満々に知ったかぶりをして,詳しく間違った解説をしてしまうこともわかります。あまりに堂々と間違えるので,「そっちが本当だ」と勘違いする人が出てくるかもしれません。
とりあえず当面の間は,公認心理師の試験勉強にChatGPTを使うのはやめておいたほうがよさそうだ,ということは言えそうです。
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