過敏な自己愛はだいたい神経症傾向の問題らしい
自己愛(ナルシシズム)には,誇大な側面と過敏な側面があることが知られています。
臨床的な理論では誇大な自己愛と過敏な自己愛は,あたかも「正反対な特徴」のように書かれることがるのですが,どちらも「自己愛」ですので「正反対」というのは少し違うようにも思いますよね。
誇大と過敏
誇大型の自己愛は,傍若無人で他の人の気持ちや状況に注意を払わないタイプです。もうひとつの過敏型は,他の人からの評価を過剰に気にして,他の人から褒められることを求めるタイプになります。
どちらも同じ自己愛なのですが,対人関係のパターンはずいぶん違うように見えます。ガツガツするタイプと,ビクビクするタイプ,という見分け方でもよいかもしれません。
過敏な自己愛の特徴
過敏な自己愛の特徴は,どのようなものなのでしょうか。多くの指標との関連を検討する中で,その特徴を明らかにしようとする研究が行われています。この論文(Vulnerable Narcissism Is (Mostly) a Disorder of Neuroticism)です。
これもタイトルを読むだけで,だいたい内容が推測できてしまいそうなのですが……。
この論文の目的は,過敏な自己愛がどのようなパーソナリティ特性に関連が深いかを検討することです。特に,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの神経症傾向と協調性に焦点をあてています。
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