見出し画像

良性マゾヒズムの人が選ぶ動画

割引あり

私たちは,いろいろなことに対して「楽しみ」を感じるものです。たとえば,次のような経験はあるでしょうか?

◎悲しい映画を観て涙を流すことが楽しい
◎痛みを伴うニキビを自分でつぶすことが楽しい
◎ホラー映画を観ることを楽しむ
◎身体が痛くなるくらいの筋肉トレーニングを楽しむ
◎バイクや自動車で危険な運転を楽しむ
◎とても辛い食べ物を食べることを楽しむ

どうでしょう,こういった体験を楽しむことはあるでしょうか。


良性マゾヒズム

一般的には「嫌悪的」で避けられるべきだと解釈されるような不快な体験から「楽しみ」を求めることを,良性マゾヒズムといいます。このような体験は,最初は嫌悪的な「イヤだ」「気持ち悪い」「避けるべき」だという感覚が襲ってくるのですが,次第に「楽しさ」が勝ってくるようになります。

良性マゾヒズムは,刺激希求性に関連すると言われます。刺激を求める人は,嫌悪的な刺激とくに恐怖を楽しむことができ,強い刺激に対しては高い感受性を示すのですが,ストレス要因に対しては感受性が低いことから,イヤな刺激に対してストレスが低く感受性が高く,それを求める傾向が見られるというわけです。

ただし,良性マゾヒズムが高い人は不快さが中程度から高いレベルの不快な感覚を求めるのに対し,刺激希求性が高い者は高い強度の快・不快両面の経験を求める点が異なります。

研究

良性マゾヒズムが日常生活の中で予想以上に多くみられることを考えると,この現象を研究することも重要だと思えます。そこで,良性マゾヒズムの高い人がどのような感情を経験しがちかという観点から行われた研究を見てみましょう。

では,こちらの論文です(Affective preferences in benign masochism)。

ここから先は

1,298字

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?