繊細な人は微妙な音を聞き取りやすい?
非常に少ない刺激に対する感受性の強さのことを,感覚処理感受性(Sensory Processing Sensitivity)と呼びます。微妙な刺激を感じ取る傾向,刺激に対する反応の大きさ,そして美的な感覚などがこれにあたります。
そして,この感覚処理感受性が高い傾向をもつ人々のことをHSP(Highly Sensitive Person)といいます。そして,HSPの傾向を測定する尺度がHSPS(highly Sensitive Person Scale)です。
HSPが関連すること
これまでの研究では,HSPはどんなことに関連するということが報告されているのでしょうか。ざっと挙げてみましょう。
◎社会不安が高い
◎バーンアウト(燃え尽き症候群)になりやすい
◎心理的健康の低さ
◎ストレスに弱い
◎悪夢を見やすい
このように見てくると,HSPはあまり良くないことばかり起こるようなのですが,何か良い面はないのでしょうか。
たとえば,社会的な刺激に気づきやすい(早く対処しやすい)とか,ポジティブな刺激や感情にも反応しやすい,などが考えられています。
異常な体験
刺激に敏感だと,何か通常とは違う異常な経験もする傾向は高いと言えるのでしょうか。少しの刺激を大きく知覚してしまうということは,事実ではない方向に解釈する可能性も高まってしまいそうです。
では実際に,HSPと少し異常な経験との関連を検討したらどうなるでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Sensory Processing Sensitivity: Associations with the detection of real degraded stimuli, and reporting of illusory stimuli and paranormal experiences)。
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