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森山大道〜オリンパスμ、μⅡ

森山大道

森山大道という写真家はご存知だろうか。

知っている方には今さらなんの説明も要らないだろうけれど、知らないという方には誰?みたいな話だろう。

ここでそれを書き始めるととんでもなく長い記事になるので、ここはオフィシャルのバイオグラフィーを見ていただくとして、森山大道という写真家とカメラの話を書こうかなと思う。

氏は長くフィルムカメラを使っていた。
まぁいいお年の方だし、慣れ親しんでいるのはフィルムだから、それは当然といえば当然だ。
でも最近ではデジカメに変えられたと聞く。

氏の写真はいわゆるストリートスナップが中心ではあるがポートレートや静物も撮る。
別にジャンルに囚われることはない。

そんな氏が好んで使うのは片手でひょいひょい扱えるコンパクトカメラだ。
それはフィルムカメラ時代からそうであって、有名ないところだとリコーのGRシリーズだ。
リコーGRでストリートスナップをやるという人は、多少なりとも氏の影響があるのではないかと思う。

これはあまり知られていないが、氏はオリンパスμを使っていた時代があった。
1995年くらいらしい。
オリンパスXAを使っていたぼくには聞き逃せない話だ。

ぼくがμを探していた頃、2010年くらいは今では信じられないかも知れないけれど、コンパクトのフィルムカメラなんてゴミ扱いだった。
どこのカメラ屋に行ってもジャンク箱にぞんざいに積まれていて、なんなら3つで幾ら、みたいな値付けをされていたのだ。
記憶の限りではフィルムコンパクトの中古が値上がりし始めたのは、フジのクラッセあたりからではないかと思う。

そんな経緯でオリンパスμを手に入れた。
しばらく後にμを気に入ったのでμIIも買う。
2台体制で撮りまくった。

こんな写真しかなかった。森山大道風なつもりなんだろう。

金言

「ひとまず量のない質はない、ただもうそれだけです、ぼくの唯一のメッセージは。」
「写真は光と時間の化石である」
「まあ、カメラで日記をつけているようなものなんだ。」
「写真を一枚撮るということは、自分の欲望を一つ見つけること、対象化することですから。」
「でもまあ、写真の魅力っていうのを箇条書き風に言うと、通りすぎる一瞬の時間を記録できること。複製のメディアであること。存在そのものが色っぽいこと。事物を暴く能力を持っていること。世界を開示できること。」
「暑い夏の炎天下、街が真っ白に見えて、まつ毛の汗で風景がにじみます。そんなクラクラするときに写真を撮るのがぼくは一番好きです。」
「欲望の涯しない循環、それがほかならない写真だと思っています。」
「ミューズは優しいかもしれないけど、写真の神さまはおっかないから」
「新宿を撮る、というよりも新宿で撮る」

「個人の勝手な欲望から生まれたものにリアリティを見たときに、初めて人は感動してくれるんだよ。」
「展覧会という形式の見せ方は、本当はあまり好きじゃないんです。」
「ぼくはほとんどカメラを買わないカメラマンなんだ。」
「つまり写し絵だからさ、写真は。」
「写した街の記憶と、経験と直感でネガを見るだけで、試し焼きもなしでいきなりプリントに入っちゃうんだ。」
「写真の本質はアノニマスにあると思うけどさ、やっぱり、体質とか性癖とか出ちゃうよね。」
「だってカメラマンって、究極のところ人間の被害史の目撃者というか立ち合い人でしょう?だから写真が好きなわけです。」
「実はもう世界のすべてはあらかじめ写しつくされているんだ、という感覚をぼくはいつも気持ちの隅っこに持っていてね。そして、カメラという複製ツールができてからは、もう外界は何重にも何層にも複写されつくしている。」

『昼の学校 夜の学校+』平凡社ライブラリー

まぁ難しいことは抜きに語るが、とにかく氏の写真はカッコよかった。
もうそれでいいんじゃないか、と思う。
御託だけ立派でも「響く」写真じゃないなら、そんなもんにこれっぽっちも価値なんかない。

μII- Tri-X
μII- Kodak Tri-X
μII- Kodak Tri-X
μII- Kodak Tri-X
μII- Kodak Tri-X
μ- Fuji neopan400 presto
μII- Kodak Tri-X

今回は数でいこう。
このカメラはなにも考えなくていい。
カバーを開けたら撮るだけ。

μ- Kodak Tri-X
μII- Kodak Tri-X
μII- Kodak Tri-X
μ- Fuji Neopan400 Presto
μ- Kodak T-MAX400
μII- Kodak Tri-X
μ- Fuji Neopan400 Presto

気持ちが向く方へレンズを向ける。

μII- Fuji Superia100
μII- Fuji Superia100
μII- Fuji Superia100
μII- Fuji Superia Premium
μII- Fuji Superia Premium

後から見ていて(あれ?こんなの撮ったっけ?)なんてのがある。
なにも考えず、ただ気持ちのままにシャッターを押したのだ。
そういうのが1番いい。

μII- Fuji Neopan400 Presto
μII- Fuji Neopan400 Presto
μII- Fuji Neopan400 Presto
μII- Fuji Neopan400 Presto
μII- Fuji Neopan400 Presto
μ- Fuji Neopan400 Presto
μII- Fuji Neopan400 Presto
μ- Fuji Neopan400 Presto
μ- Fuji Neopan400 Presto

量を撮ること。
写真を撮る目的はそれだった。
写真は量は欲望の量。
ぼくは欲深い。

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