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Agfa Copex Rapid

僕がかつて所有していたOLYMPUS XAは癖みたいな物があって、時々裏蓋が開いてしまったりする事がある。
これは自分でモルトをやり直したためであって、ちょっと太めのものを無理やり押し込んでいるものだから裏蓋のラッチがうまく噛み込まないのである。
言うまでもないがフィルム1本撮り終えて、巻き取っていない限り途中で裏蓋を開けるのはご法度だ。
理由は簡単。露光してしまうからだ。
致命的とも言えるような癖だが開かない時の方が多いので、撮影中はなるべくおかしな方向から力が加わらない様にしている。
それでもこうして開いてしまうのである。

それよりこの時はもっと致命的な失敗をしていて、この "Agfa Copex Rapid" という白黒フィルムは、感度が精々ISO50程度の超微粒子フィルムなのだが、どういう訳かうっかりしていてISO400で撮り切ってしまった。
現像するには 3 段分を増感するしかないのだけど、どのデータをひっくり返しても Copex Rapidを3段も増感するデータなど見当たらない。
こうなるとダメ元で考えるしかない。
1段とか2段の増感なら2時間程度の静止現像でいい筈だが、このフィルムは期限切れで感度が出にくくなっている上に、静止現像でどの程度のスピードで現像が進むのか見当も付かない。
コントラストが上がりすぎるのには目を瞑るが、ディティールが潰れるのは何とか防ぎたいのである。
まァR09ならなんとかなるだろうと3時間放置した。
なんとなく想像した時間は4時間なのだが、このコントラストなので、多分それだとシャドーが素抜けになるかも知れないと思ったのだ。
元々がコピーフィルムっぽい特性があるのでコントラストは高めに出るが、偶然なのだけどディティールを崩さずに済むいい頃合いだったのかも。
とはいえ失敗は失敗である。

と、ここまで書いていて1段2段なら2時間で、としていたのだから、これが3時間でも4時間でも変わらないだろうな、とか思ってしまったり。
RodinalというかR09はなんともタフな現像液であって100:1の希釈率で1時間ほど静止現像することによりだいたいのフィルムは現像してしまう。
フィルムの方も進化しているから、多少乱暴な現像をしたところで無闇にコントラストが上がったり粒子が荒れたりしない。
まず問題ないだろうな。

と、日々撮影、現像を繰り返していたころの話。

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