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ハイパーゴン

先日買った写ルンですのレンズを使った「Wtulens」の話。

前に「レンズを作る」という記事を書いたが、

まあ当たり前だけれど、その時にはレンズの構成について非常に「浅く」勉強した。
カメラのレンズの始まりから、画角の進化、収差との戦いなど。

その知見はなんとなく頭の片隅にあって、先日このシンプルな構成のレンズを手に入れて、そのレンズ構成をみているときに(なにかに似ている)とは思っていたのである。

gizmon.comより

最初に思いついたのは対称構造であるからツァイス・トポゴンであった。
これはAPS-Cのセンサーに装着した場合、換算25.5mmとなり、そこから25mmであったトポゴンに思い至ったわけである。

Wikipediaより

だがこれだと内側2枚のメニスカスレンズが多い。完全な一致ではない。
目にカスではない。
メニスカスだ。
メニスカスとはなんぞや、という他のことを思案しているにも関わらず、そのずっと手前にある全く関係ないちょっとした疑問が出でくると思考が一切前に進まなくなるぼくみたいな人のためにもう一度説明しよう。
と思ったが長くなるのでこちらをご一読願いたい。

つまりトポゴンは外側に凸レンズ2枚、内側に凹レンズ2枚が貼り合わせてある構成になる。
凹凸はどこで分かるかというと、レンズの縁を見ていただくと1発で分かる。凸レンズは縁が薄くなっているが、凹レンズは厚い。

解説が長くなったがWtulensはこんなに豪華なレンズ構成ではないのだ。 
メニスカスレンズの凸レンズを2枚だけ。
ちょっと調べてみたらゲルツのハイパーゴン(ハイペルゴン)に行き当たった。
実はこのレンズを知らなかった。
見たような気になっていただけだ。
「究極の広角レンズ」といわれるこのレンズは1900年に考案されている。
75mmというから「広角?」と思われた方もおられるかも知れない。
1900年当時の話であるから、このレンズは8×10用であるが、もちろん5×7用の60mmとか10×12inch用の90mmもある。
広角レンズで収差を潰していくには非球面のレンズを使う。
写ルンですレンズも非球面であるから、まさにこのWtulensは現代のハイパーゴンであるというわけだ。

出典不明
逆光にはひとたまりもない
周辺減光はがっつり
f/11くらいらしいので動きのあるものを追うのは厳しいかも
白いものを撮る時はプラス補正しようね、という悪例

25.5mmの広角レンズとしても、歪曲収差があまり見られないのも「究極」たる所以だろう。
ま、17mmをクロップしてるんだから当たり前か。

まあどうでもいいような話で恐縮だが、どうしても人に言いたかったので。
そういうことあるよね?

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