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PENTACON SIX TL

どこで買ったんだかすら忘れてしまったが(たぶんあそこだな、というのはあるけど)、これも気に入っていたカメラのひとつ。

PENTACON SIX TL

座布団に対する大きさから想像していただきたい。あまりにも重く付属の皮ストラップでは心許ないのでネオプレーンのストラップも補助的に付けていた。

発売は1966年だというからだいたいぼくと同年代だ。
これもローライフレックスと同じ120mmフィルムを使い6×6の正方形の写真が撮れる。

レンズ交換式の一眼レフで、同じようなカメラにペンタックスの67(通称「バケペン」)というのがある。
バケというだけあってオバケなようにデカくて重いが、このペンタコンも足に落としたら、まず間違いなく大怪我をするレベル。

このカメラのレンズは「Carl Zeiss Jena(カール・ツァイス・イエナ)」というメーカーのレンズがつく。
Carl Zeissはカメラに興味のない人でも聞いたことくらいあるんじゃないだろうか。
ドイツ製だが冷戦時のものであるので(これは東ドイツ製)Jenaというのが付く。
ただレンズの性能に違いはない。

赤線跡の写真を撮り歩いた頃もあった。

このカメラの標準レンズであるビオメター80mmは「空気が写る」なんて言われるほどの名玉だ。
空気は写らん。
滅多なことを言うもんじゃない。

こういうセルフィーは多い。

TLというのはプリズムファインダーで露出を計測できるメーターがあるかないか。
無論TLにはついている。
ついていないのはローライフレックスと同じく上から覗くファインダーがある。

オアシス21のスケート場。

ぼくはビオメター80mmとフレクトゴン50mmを使っていた。
まぁ120mmフィルムなので概してよく写るが、この50mmも例に漏れず大変よく写るレンズだった。

巻き上げ不良

いわば持病みたいなものだが、このカメラには巻き上げが上手くいかない個体が多い。
巻き上げるときにコマ間を読み取るギアに起因するトラブルで、一コマ分の巻き上げ量が足りなくなりコマ被りということになってしまう。
ひどいと半分くらいが重なってしまい、それでぼくはいくつかの世紀の傑作をふいにした。

精緻な描写。

あれこれとネットを彷徨い、バイクとかクルマに使う燃料用のゴムパイプを巻き上げる側のスプールに巻くと言う方法で解決した。

いいカメラなのだけど、とにかく重くてデカいので持ち出すのに気合いがいる。
ぼくのようにひょいひょい撮りたい向きには合わないカメラなのだ。

発色が渋いのはこのフィルムの特徴みたい。フィルムはFuji PRO400とある。

人と同じでカメラにも相性はある。
使い方にもよるだろうし、また操作性や、このカメラのように大きさや重さ。
他でどんなに評価されていても、いざ使ってみると全然使えないなんてことは往々にしてある。
このカメラも手放してしまったが、今なら...と思わないでもない。
好きではあったんだけどねぇ...。
いくら好きでも...なんてのは男女の仲と同じかね笑

昔のように街を撮り歩くなんてこともしなくなったから、きっと腰を据えて撮れるんじゃないか、とか。

でもきっと根をあげるんだろうな苦笑

2011年12月。大須にて。
雪の名古屋城。
当時住んでいた家の近くにある県営公園。

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