見出し画像

New Stage その3

プロフェッショナル

もうひとつの今までとの大きな違いは、「プロチーム」ということ。
プロ(profession)を辞書で引くと、「賃金を払われるなりわい」「専門的な仕事」と出てきます。
プロフェッショナル(prpfessional)は、「プロに関連する/属する」という意味に加えて、「能力が高く、技に優れ、(その仕事に)確かさがあるということ」という意味も持ちます。

“プロ”のイメージ

今まで個人的に考えるプロスポーツとアマチュアスポーツとの違いはこのようなイメージでした。
 ◯商業的と非商業的
 ◯生活のかかった仕事とライフワーク

カテゴリーは何であれ、スポーツには勝敗がつきものであり、やはり「勝ち」を求めるものです。さらにプロスポーツの勝敗は、関わるたくさんの人たちへ広く、そして深く影響を及ぼし、人生を左右することもあります。

ただし、それらは観る人たちにとっては『エンターテインメント』であり、『娯楽』です。

『人生をかけてノンフィクションのエンターテインメントを作り上げている』そんなプロスポーツの世界で、自らの身体とスキルを商品として市場に提供する”プロアスリート”に、私はとても興味がありました。

勝利のために

プロスポーツなので何よりも求められるのは「チームの勝利」です。
チームはそのために必要な選手・スタッフを集めます。
コーチは勝つためのチームを編成し、プランを練ります。
スキルコーチやSCコーチは選手の個の能力を伸ばす力となります。
メディカルスタッフやATはこうした各パートのスタッフ陣と選手が存分に力を発揮できるよう、安全な環境を整えます。
そして、最終的にコートで【チーム】を表現してくれるのが選手たちです

では、全てがうまく噛み合って、最終的にチームが目指す結果が得られたとします。
やってきたことは間違いなかったという自信になりますし、次のシーズンへの励みにもなります。ただし、だからと言って次のシーズンもそれで勝てるという保証はありません。よく聞くワードですが、優勝した瞬間にそれは「過去」となり、すぐに次へ向けての闘いがはじまります。
そのシーズンに「優勝/昇格の立役者」と呼ばれた人が次のシーズンにはチームからいなくなっている、なんてことはプロではよくある話で、常に結果を得続けるためには何かしらの変革は必須です。
個人個人が全力を尽くすことはチームにとってマストであり、評価点ではないというのを強く感じました。

ATの評価

チームの人材で、選手とコーチの働きは勝敗に直結してきます。
ではメディカルスタッフはというと、チームの一翼を担っている立場ではありますが、「トレーナーが悪くて負けた」「勝ったのはトレーナーの活躍」ということはまず聞きません。これは一瞬、勝敗のプレッシャーから切り離されているようにも思えますが、メディカルスタッフやATは常に『できて当たり前』という別の緊張感と対峙しています。
「安全管理ができて当たり前」「ケガの予防ができて当たり前」「万が一の対応ができて当たり前」
これは実際、本当に当たり前のことで、これができる人々がトレーナーとして現場に立っているのですが、100%の安全や予防を保証することは誰にもできません。
そのため少しでも100%に近づけるよう日々努力するのですが、勝敗のように明確な結果として表れにくいものでもあります。ただしやはり我々も何かしらの目に見える形で「いることの意味」を伝える必要があるので、これに関しては明確に表現できる手段や方法の引き出しを増やしていかなければと思いました。
プロを支えるプロとして使ってもらい続けるには、トレーナースキル以外にも自分を表現するスキルを磨くことも大切だと思います。

素晴らしいエンターテインメントの世界を観る人とそこで働く人の人生

選手,スタッフはじめ、チームが人生をかけて闘っているこのフィールドがあくまで「エンターテインメントの世界」だということは、きっとみんな承知の上でしょう。関わっている一人ひとりの“人生”は決してエンターテインメントでも娯楽でもありませんが、観る人の生活を彩り,潤いを与え,時には人生を動かしてしまうほどの力を持つスポーツは究極のエンターテインメントだと私は思います。

「エンタメ」と聞くと、華やかで賑やかで美しくて…というようなイメージでしたが、実際に働いてみたら思っていた以上にその通りでした。
同時に、それだけ誰かが熱狂したり熱中したり虜になる夢のような世界は、とても刺激的で緊張感があって、厳しくて、そして残酷な現実もあります。そんな華やかさと厳しさの両極端の面がむき出しになっているからこそ、プロスポーツは人を惹きつけてやまないのではないでしょうか。

今までとの違い

新しい現場に出れば必ず初めての経験や今までとの違いがあり、戸惑うこともあります。今回もたくさんありました。でも実際に一番感じたのは【そのスポーツへの熱い想いに溢れている】という共通点でした。

競技もカテゴリーも違うものの、そのスポーツが好きで、そのチームを勝たせたくて集まった人たちと過ごす時間はいつも自分を成長させてくれます。
今回もまた新しい視点を与えてくれた現場に感謝して、これからももっとATとしての自分を磨いていこうと思いました。

思った以上の長編となってしまった《New Stage》は今回で終了です。
毎回の長文、読んでいただき本当にありがとうございました。
今後もまたお時間があればぜひ覗いてみてください(^ ^)


New Stage  おわり






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?