雷と雪のラッセル
いや~、言葉が汚くて申し訳ないが、ファックである。中華製ファックだ🖕というのも、問題は昨夜の雪だ。ぼくは昨日は休みで、転活なりバイ活なりしなくちゃな~、なんて、思っていたのだが、雪で事業所を時短営業するだ、次の日の送迎でご利用者様に電話をしなきゃ~ならねぇだわ、こっちは休みなんだし、転活、バイ活しなけりゃならんのに、どうしてこうも休ませちゃくれないのかなぁと泣きを入れてたら、雪がひどくなって来たので、今度は次の日の朝用に自分のクルマにチェーンをつけてやらにゃならなくなった。実家裏の駐車場から愛車をもってきて、昨年、買っといた中華製のチェーンを用意した。チェーンといっても、最近のゴム状の付けやすいと言われているタイプで、付けやすいのだから、いつも以上に早く付けられるだろう、なんてたかをくくっていたら、それが間違いだったことにすぐ気づいた。。。夕暮れ前の4時くらいからはじめたら、全然付けることができず、クルマをチェーンに合わせて、前に後ろに。こういうのを何回やったろうか。気がつくとそれら作業を雪の中、1時間もしていた。で、とりあえず、なんとか付けられたようなので、様子見に近くのコンビニでもと思ってクルマを少し走らせたのだが、チェーンを付けた前輪からなにか異音がする。ちょっと怖くなってクルマを安全な場所に停め、チェーンの様子を見てみたら、なんか、ズレてる。。。しかも、両輪とも(泣)こりゃ、タイヤハウスがやられちまうと、猛烈に遅い速度で実家に戻り、色々見てみるも原因はわからず。わからんというよりも、なんとなく、これかなと原因らしきものはわかったのだが、もう時すでに遅しで、まわりは暗くなっていた。もうこりゃだめかなと半場あきらめて家に入ったら、また、事業所から相談の電話が入り、チェーンを直すのを完全に諦めた。そして、気を取り直し、ばあちゃんに夕飯食べさせないといけないので、時間がないので冷凍の水餃子で餃子スープを作り2人で食べ、ぼくはラッセルを決行したのだった。そう、自分のクルマにチェーンをつけられなかったので、歩きで駅まで行き事業所に電車で行き事業所に泊まることを決めたのだった。早速、ぼくは雪対策の格好(ほぼ山着)をし、心配するばあちゃんに心配するなと喝を入れ、気持ちがネガティブになる前には実家を後にしたのだった。家を出たのは夕食後なので8時を少しまわっていた。その時間になると雪はもうかなり積もっており、10cm以上にはなっていたろうか。ぼくは若干ため息をつきながらも、足をすすめた。が、実はこれから向かう駅は小さい頃から歩きで行ったためしがなく、普通の天候の日でも40分以上はかかるだろう距離で、普通の感覚で言えば、この雪でそんなところまで行くの「馬鹿じゃないの」という距離でなのであった。がしかし、ぼくは行かなければいけない。ご利用者様に迷惑をかけるわけにはいかないのだ。しかも、会社にはチェーン買っているから大丈夫👍と豪語していた。いまさら、チェーン付けられないのでごめんなさいとは言えない。はぁ~とまた、大きなため息をついた。そして、大きな交差点のところまで来たら、雪による交通規制をする消防隊員のひとがいた。どうやら、ぼくの向かう先にある坂を封鎖しているようである。確かに最近の大雪では、チェーンなしのトラックが坂で立ち往生し、交通渋滞になることが多々ある。それを未然に防いでいるのだ。それがわかったが、やはり、ひとり雪道が寂しいのだろうか、ぼくは「この先の坂は封鎖ですか?」と、わかりきったことを聞いてみた。が、クルマは封鎖しても、人間は大丈夫かなと、「人間は大丈夫ですかね?」と、なんかアホな質問をし、消防隊員も笑って「大丈夫ですよ」と返事をしてくれた。道がここから封鎖されているので、これからはほぼこの雪の中、ひとりになる。なんだか、完全に非日常のトワイライトゾーンに突入である。しかもだ。先ほどの封鎖された坂を登りはじめたら、今度は雷が鳴るではないか。なに?大雪に雷だと!?なんだ、この世紀末感は!!と、我ながらの苦行にまたため息をつき、ま~、今日観た動画の方の、仕事仲間にだまされホームレスとなり、なんと、森に1年半もひとりサバイバルした話を思い出し、その苦行の何万分の一だと自分に言い聞かせ、引き続き、雷の大雪をひとりラッセルした。天候のいい日でも徒歩で40分以上はかかるだろうその駅は、大雪ということもあり、しかも、慣れない長靴で、さらには滑りやがるものだから、右膝裏が非常に痛くなって来た。なんでこうまでして仕事しなきゃならんだろとまた大きなため息をついたら、会社のグループラインにメールが入った。なんだろ?こんな時間にと一応目を通してみると、「明日はご利用者様が少ないので事業所を閉所します」と、もう1つの事業所の長からのメールだった。「・・・。」その長は、たった2つの事業所の長でもあるのだが、ご利用者様が少ないから事業所を閉所していいとは聞いたことがない。まず、利用したいご利用者様がいらっしゃるというのに、どうなるかわからない雪でお断りすることもできない。が、彼はそれを決行し、こっちの事業所のことなどお構いなし。・・・、やっぱり、会社辞めることで本当正解だよなと再度強く思いつつ、「アホかッ!」と、ひとりまたラッセルをはじめたのであった。結果、1時間半ほど雪道を歩く事になった。しかし、その駅からは目的の駅までは3駅しかなく、電車に乗ったらあっという間に事業所のある駅に着いた。時間は10時を少し過ぎており、少しみぞれまじりとなった雪道を事業所に向け、また、ひとり歩きはじめた。片田舎のそこは、大雪ゆえ、自分以外、誰も歩いているひとがおらず、なんだか、自分一人だけしかいない世界に来たみたいだなと思いつつひとり歩いていると「バッ」と、まわりの電気が一気に消えた。「ッ??」。雪の停電である。あたり一面暗闇となったそこは、完全に異世界そのものだった。しかし、しかしだよ。こんな世紀末感ある??なんて、ひとり苦笑していると、あたりの電気が一気についた。電気があるとこんなにホッとするものなのねと、また、ひとり、ポツポツ事業所に向け歩きはじめた。事業所近くに着くと、明日の朝食と今夜の飲み物をということで、最寄りのコンビニに寄ると、目についた菓子パン3個と比較的大きな缶カフェオレを買った。事業所に着いた。結果、事業所まで2時間という苦行を制したぼくは、安堵の気持ちとともに、いま買ったばかりのパンを3個とも一気に食ってしまった。そりゃそうだ。大雪の中を1時間半も歩いたのだ。カロリー消化島倉千代子である(苦笑)しかし、悪夢のような本当の話だ。ここは雪の少ない関東だぜ、なんてひとり嘆きながら、ぼくは事業所の風呂に湯を溜めはじめたのだった。そして、約1時間ゆ~くり風呂で体を休め、そして、死んだように眠るのだった。。。次の日の今日、仕事が終わり電車で帰って、取れないチェーン(ゴム)を枝切りバサミでぶった切ってやったのは言うまでもない。もう、中華製は、買わない。。。