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震災に遭っての記録(発生当日)#076

おはようございます。
佐伯です。

三が日が終わり、今日から仕事初めの方も多いのではないでしょうか?
今年のお正月は本当にたくさんの事がありましたね。
しかし、暗いニュースが続きましたがこれからは昇るだけと、前を向いて明るく日々を過ごしていきたいと思います。

しかし、今回初めて大規模な震災に遭いとても恐ろしい経験をしました。
地震中のパニックになる自分、変わり果てた街の姿、寸断されるライフライン、こう言った思い出したくも考えたくも無い事ですが記録を残したいと思います。

この記事を読んでリアルな地震の追体験をして頂き、災害への備えを皆様が考えて下さるのであれば私としてはこの上ない喜びです。


①1月1日16時10分、地震が起きました

まずは簡単に地震が起きた時の状況とその後の避難についてご説明します。
1月1日16時10分頃に最初の揺れが観測されました。

私は妻の実家に新年のご挨拶に行っておりました。
小学校教諭の義理の父は正月ですが仕事に行っていました。
(これはこれで教師の過酷さを物語っています)
客間で妻と息子、義理の母と歓談していたところ「カタカタ」という窓ガラスが揺れる音がしました。

最初は「強風かな?」と考えていました。
しかし、徐々に揺れが大きくなり座っていられなくなりました。
息子を中心に妻と義理の母が覆い被さり、最後に私がみんなを庇うように覆い被さりました。

家のあちこちで物が落ちる音がし、時折、「ガシャーン」と言う皿か何かが割れる音がし更に恐怖が高まりました。

揺れは永遠にも感じるほどの長さでした。
揺れが収まった後も頭がクラクラするとても気分の悪い状態でした。
私の住む地域は海に近い場所なので東日本大震災の時に知った津波の恐ろしさを思い出しすぐに避難所に逃げる段取りをしました。

取るものも取らず、コートとスマホだけ持ちました。
本来なら歩いて行くべきなのですが、80歳を超える祖母がいるため1番小さな軽自動車に皆で乗り込み出発しました。

②逃げる時間が全く無いこと、逃げた先の環境も随分違うことを知りました

以前より市のハザードマップは確認していたので避難場所は近隣の小学校だと知っていました。
しかし、1分1秒を争うときに悠長に指定の避難場所まで行く余裕が全くありませんでした。

すぐ近くに社会保険病院があったので私たちはそこに逃げ込みました。
社会保険病院は市の指定避難所より高台にあるため津波の心配もありませんでした。
しばらくすると同じように考えた近隣の方が集まってきました。

30分ほどした頃です。
社会保険病院が避難者に建物を開放してくれました。
本当に助かりました。

病院内は暖房が効いており、柔らかい椅子もありました。
また、子供が飲めるジュースも販売しており不安そうな息子にリンゴジュースを買ってあげました。
甘いリンゴジュースを飲むと息子はホッとした様子でした。
祖母も長時間車内に座って辛そうだったので院内を散歩し体を動かしてリラックスしていました。

2時間ほど経過した頃です。
小学校に避難した人々が病院に移動してきました。
聞くところによると避難所の体育館はとても寒く耐えられないとのことでした。
また、整備された駐車場も無いためグランドに私たちのような高齢者を連れた家族は車を停車していたそうですが徐々に暗くなったことも重なりとても視界が悪く、自動車の往来も多いため大変危険だったとのことでした。

夜になりました。
当たりは真っ暗です。
津波は既に能登半島に到着し、甚大な被害が出ていることがわかりました。
余震もまだまだ続きます。
しかし、既に緊張とストレスから息子と祖母の体力が限界を迎えていることがわかりました。

市からは特に指示はありません。
自分で判断する必要がありました。
私の事務所兼自宅は病院より更に高台にあります。
1980年以降の物件で耐震もクリアしています。
多少手狭ですが、体調を優先しました。

皆で私の自宅兼事務所に移動しました。
自宅内は多少、物が落ちていましたが無事でした。
義理の父は小学校を避難所として開放したので帰れないそうでした。
食料も持たず仕事に行っただけなのでとても心配でした。
ですがどうしようもない状況です。
私たちは夕食に温かいうどんを食べみんなで寄り添って寝ました。

③発生直後の混乱は異常、日々の訓練と備えが大事

今回は地震発生から当日の動きについて記録しました。
皆様に是非知って頂きたいのは避難所には何もありません。
もちろん、食料も毛布もありません。
下手をしたら防寒設備もありません。
私の住む市では後ほど行政が配りに来るそうですがいつ来るかわかりません。
自分で用意する必要があります。
防災リュックを用意することを強くお勧めします。

避難所に到着し、物資が配給されるまでの短い期間を安全に過ごすための対応は必ず必要と知りました。
今回、それが痛いほど分かりました。
皆様もぜひ家族分をご用意されたら良いと思います。

それでは皆様、ご機嫌よう。

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