AtsukiMiyawaki

好奇心だけで生きている人。 時間の合間を縫うように、詩を紡いだり、写真撮ったり、エッセ…

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好奇心だけで生きている人。 時間の合間を縫うように、詩を紡いだり、写真撮ったり、エッセイ書いたりしています。 各種SNSリンク ⇒ https://linktr.ee/atkmywk

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    日々の中で紡いだ詩をまとめています。

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小説『少年と塊と、暗闇の中の火種』

 トビーは宇宙の舞踏会に生まれたわけではなかった。  彼はガムボールのようにコスミックピンボールマシーンに放り込まれ、ボロボロの宇宙船「サザンクロス」の錆びた肋骨にしがみついていた。かつて祖母の夜話で聞いた星座は、今や虚無の永遠をあらわす光るネオンサインとなっていた。サザンクロスは空気が抜けたお祭り用の風船のようにしょんぼりと垂れて、誇らしかった船体は隕石の口づけで凹んでおり、トビーが体を伸ばそうとするとエアロックはガチョウのような苛立ちの音をたてた。トビーの仲間は、消えた両

    • 《詩》 ニューロシンクロナイズド・ゲートウェイ

      デジタル次元の扉が開かれる 無限の可能性が映し出される 量子コードが紡ぐ夢幻の景色 リアルとヴァーチャルの間を自在に彷徨う ゼロとイチの螺旋が宙を舞う 個と全体のはざまを漂う魂 マトリックスの奥底に潜む根源的リアリティ スピリチュアルなディメンションへ接続 バイノーラルビートが導く深層意識の領域 宇宙の調べと共鳴する自己の核心 アバターが剥がれ落ちるたびに高次の存在が現れ出る ニューロフィードバックが呼び覚ます 生命の本質的なるリズムと疾走感 ブレイン

      • 《詩》 Cyber Bastion's 旭陽式 - Yara-ruled Pentest Mantra

        ネットワークの要塞、Next-GenFirewall vi プロセスID監視 SIEM連携しマルウェアIoC検知 Yaraルールは ROP攻撃の兵器を撃ち落とす DMZ分離領域、Nmapスキャン SQLマップ検査、ブラインドSQLインジェクション探知 DNS転送にてDNSトンネリング攻撃阻む NiktoのXSSスキャン、脆弱性をSnyk探索 AppArmor 強制アクセス制御、PrivEscを監視 UEFI Secure Boot 悪意あるBoot Kit検知 Li

        • 《詩》 血の文明・瓦礫・狂気の画家・抽象的太陽

          狂気の籠絡する瞳に漆黒の巨瞳が描かれる 地球の未来を喰らう太陽 工場の煤け渡る咆哮は大気を濁し 老衰の森を喉元に絞め付ける 蝕まれてしまった萎黄の夕陽 血生臭きサイコパスの掌 警世の絵筆が龍吟き塗り潰される文明の断末魔 次代の子、残せるもの 遺産とは生ける屍のみ 死にかけ、母の無惨 破壊の轍を刻む人類 サイコパスの刃は寒気迫る 救済を望むなど笑止千万 いずれ焦土化する大地の上 終末、燃え盛り地獄の業火を象徴する

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        小説『少年と塊と、暗闇の中の火種』

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        記事

          《詩》 Quantum Chaos, 大地

          火薬の煙渦巻く霞の中 浮かび上がるはアンモナイトの殻 重力の異なる惑星 海は天に舞い上がり生命を象徴する 樹液が逆流する森 菌類は支配者となり動物を飼育 ニューロンの統合で高次知性を持ち 星々の掛け合わせを計算する 五感を越え 新たな知覚器官は生まれ 時間は液状 空間は立体的曲面へ変わる 因果を自在に操る探求者 ブラックホールの先に狂乱の愛を抱く

          《詩》 Quantum Chaos, 大地

          《詩》 メトロポリス残渣録

          ナノ機構に彩られた街路樹の僅影 夜のコーティングをサイバーグリッドが照覧 ジャイアントビルの蛇行がデータの僻渦を紡ぐ 賭窟とエデンズロッジ、アーケードに棲み続ける カモフラージュの憧憬、メトロポリタンを淫猥に誘惑 ポストヒューマン的世界、ポストトラウマ的不安常在 ロスト・ジェネレーションは自由を射止め、 ソマティック媒体で神なる救済を探し求める フォンタナ猛毒の濃霧の中 サイバースペース漂い、父母の匂いに酔いしれる リアルとヴァーチャル・・・濁流の如く交錯を・・・

          《詩》 メトロポリス残渣録

          《詩》 雪華簾

          深緑の林、真白の雪の錦に覆われ、 一陽来りて、その華簾は桜雨となりぬ 千千に舞い散る濡れ紅葉の如き、 いずれの世に過去の景観を見る 朧月の光、揺らぐ枝々の薄陰 儚きは宿命なれど、消えずして色黯む 樹高き桜斗りの花の下、 那美し人ゆえ身を沈める緋鳳仙の淵 氷滑かなる川面を往き還りて、 清らなる魂は旅路に酔ひ痺れながら、 朧と見ゆるは楡 quadrillion の彼岸の里 天人垣の桜は、誘月頃 満天の星群れしく瞬き、天祥雲の間、季節到来 桑実も実らず朗月濁り輝

          《詩》 雪華簾

          迦陵頻伽の音楽論

          最初に、迦陵頻伽(カラヴィンカ)とは、仏教において極楽浄土に住むとされる神秘的な鳥である。その声は、仏の声を形容するのに用いられるほど美しく、その音楽は、人間の耳には聞こえないとも言われている。では、迦陵頻伽の音楽とは、どのようなものなのだろうか。本稿では、迦陵頻伽の音楽について、その特徴や意義を論じてみようと思う。 迦陵頻伽の音楽の特徴として、まず挙げられるのは音高である。迦陵頻伽の声は、人間の聴覚で捉える範囲を超えるほど高いとされる。例えば、『阿弥陀経』には、次のように

          迦陵頻伽の音楽論

          《詩》 錯乱、厭な薄闇より

          魚妖呪われる 襲う青蛙神 画家が蠢く化け魚 青蛙堂に呻き声 死の影 腐敗の匂いと、蛆虫の群れと 禁断の書を読む狂気の眼差し 不可解な謎を這いずる 恐怖の感触と、血潮の音と 運命の糸を解く無駄な努力 絶望の現実と無残な姿 空虚 詩)宮脇充輝

          《詩》 錯乱、厭な薄闇より

          【Spotifyをもっと楽しむために!】 チバユウスケ氏の『自らの音楽人生に影響を与えた曲』のプレイリスト! ▼これこそロックの教科書! https://open.spotify.com/playlist/1eUJnGyvei21qM7cP8IDA2?si=bfa44d88f2994a50 画像引用元 "https://x.gd/bFkEs"

          【Spotifyをもっと楽しむために!】 チバユウスケ氏の『自らの音楽人生に影響を与えた曲』のプレイリスト! ▼これこそロックの教科書! https://open.spotify.com/playlist/1eUJnGyvei21qM7cP8IDA2?si=bfa44d88f2994a50 画像引用元 "https://x.gd/bFkEs"

          【Spotifyをもっと楽しむために!】 土屋公平氏の『自らの音楽人生に影響を与えた曲』のプレイリスト! ▼味わい深いコンピレーションです... https://open.spotify.com/playlist/6Ozz6uZ0Fy16yislbYNF4b?si=59580f04db8a40d6 画像引用元 "https://x.gd/aA1Es"

          【Spotifyをもっと楽しむために!】 土屋公平氏の『自らの音楽人生に影響を与えた曲』のプレイリスト! ▼味わい深いコンピレーションです... https://open.spotify.com/playlist/6Ozz6uZ0Fy16yislbYNF4b?si=59580f04db8a40d6 画像引用元 "https://x.gd/aA1Es"

          電波ソングに見るゼロ年代ヲタク文化の論理と形象

          電波ソングは、2000年代のヲタク文化の象徴的な音楽スタイルとして広まり、インターネットの発展と共に拡大した。その特異な音楽形式は、奇抜な歌詞と曲調により特徴付けられる。この現象を分析することで、デジタル時代の文化的動向を理解するための一助となる。

          ¥150

          電波ソングに見るゼロ年代ヲタク文化の論理と形象

          ¥150

          《詩》 水の世界

          深淵の底、理想の形 アトランティスは存在する 青き海の奥底、光撒き息吹く 秘義は掌から滴り落ち知識の海へと流れる 静かな波立ちエクリチュールの調べが響く 宗教の祈りは海面に揺れる思想の泡沫 遥か遠い昔から賛美歌は無知の闇を照らす 神々の旋律が深海への絶えざる啓示となる 遺言は神秘の波と共に語られ理解を求む 古代の遺跡が冷えた海底で凍えながら沈む その場所は存在し得ぬ それ故に心が惹かれる 宇宙の誕生 身体を越え魂の連鎖に触れることができる 海神の庇護下、水面

          《詩》 水の世界

          蒼の独白 -厨二病とニヒリズムの超越交錯- ①

          私たちが生きるこの世界は、絶えず変化し続ける複雑で不確定な場所である。その中で自己を見つけ、理解し、表現することは永遠の探求となっている。この探求は、哲学、科学、芸術、そして日常の全てにおいて重要なことである。特に、青年期の混乱と探求のステージを象徴する「厨二病」という現象は、この探求の一部を明瞭に示している。 このnoteでは、厨二病とニヒリズムの交錯する場を通じて、人間の存在と自己理解の探求を深めることを試みようと思う。そして、フリードリヒ・ニーチェの哲学的視点から見れ

          ¥150

          蒼の独白 -厨二病とニヒリズムの超越交錯- ①

          ¥150

          《詩》 共同体と壁

          人々は土壌の根となり 資本家はその幹を折る 生産の実を分かち合うシステム 自然の慈愛に欠け人々を餓えさせる 巨大な企業、巨大な砦 政治家たちはその番人 社会的責任、環境保護 金属の仮面で覆い隠す しかし、私は筆を執る 夢の国に芽生える花のように プロレタリアートの怒りをカラスに乗せ ブルジョアジーの壁を打ち砕く 私たち共同体の芸術家となる 誰もが創造することができる豊かな世界 貧富の格差なくし自由に生きる 人間の可能性を広げよ 詩) 宮脇充輝

          《詩》 共同体と壁

          《詩》 幽玄の夜、浄瑠璃の残照

          螺旋状に絡みつく蛇腹の路地 光を放つ怪異な灯り 陰鬱なる空気に緊張漂う 鳥居をくぐり、鳴き声が聞こえる 神々しい森を抜けると あの橋があった あの川があった 現実を超えた風景が広がっている 見知らぬ者が忍び寄る 集う、戦う術を知らず 現世と異界交じり合う 操られる夢遊病者の栄養素 繋がる鎖に渦巻く存在しないはずの者達 魂を持ち、命を宿す 響き渡る奇妙な音 異形動物たちの姿 戦慄を覚えつつ踊りだす 血が混ざり合う非日常の舞踏 そこには月があった 満ち欠けする感情

          《詩》 幽玄の夜、浄瑠璃の残照