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【歌詞解説】Fuji Taito(フジタイト)& ZOT on the WAVE-Crayon(クレヨン)[prod by ZOT on the WAVE]”ラップスタア2021“


 先日、Abema TVで”ラップスタア誕生2021“が放送された。惜しくも優勝を逃したものの、その情熱的な人間性と中毒性の高い曲で大きな爪痕を残した”Briza Yavaisz Daze”に所属する気鋭のラッパーFuji Taito

 当初リリースされるつもりの無かった曲だったようだが、ファン達の熱い声を受け、先日各種サービスでリリースを開始した。




 そして、今回のビートを担当したのは、今日本で1番人気のあるビートメイカーと言っても過言ではないZOT on the WAVE

 彼はどんなビートも器用に作ることのできるビートメイカーであるが、今回のビートは今流行りのHyper Pop(ハイパーポップ)調のビートである。

 浮遊感のあるキャッチーなビートであるが、それだけに乗り方を選ぶビートだが、それを上手くキャッチーに乗りこなした曲だと言える。

早速、解説&考察を行なっていこうと思う。



[Intro]

上に行くよスカイ 上もっと上
どこまでもFly ついておいで

 ラップスタア誕生2021の”4th stageで、このビートを使い、SkaaiとFuji taitoが対戦した。
 このときSkaaiのバースにあった 「タイトな(ラップが)Hiphopなら(俺なら)」の返し。


火の海 波の上
(Uh Wave Farewell)

 Crayon(クレヨン)という題名を冠してるだけあって、曲全体の節々で、色を用いた表現をするリリックが多くなっている。


[Chorus1]


真っ暗な路地裏で拾った一本のクレヨン
例え何回落ち込んだって上に行くだけよ
最初で最後の日 まるで最初で最後の日
死ぬときは死ぬなら生きる時は生き切ろう

 真っ暗で路地裏な様な場所から、HIPHOPというクレヨンを使って、世界を次々に色付かせていくという意味が込められている。
 ゲトーからの成り上がりという”HIPHOP”らしい表現であると言える。

[Verse 1]


ぶっちゃけとっくに気分はSuperstar
生まれた瞬間から始まってた俺様のキャリア

 過去に”TopFreestyle”という曲を出すなど、普段からボースティングの激しいフジタイトらしいリリックである。


言ったろ止まんないって お前の彼女に聞いてみな

 “止まんねえ”とあるが、他の曲でも、多くこの言葉を使っている。
 例を出すと、BRIZA IVに収録されている”Brand”という曲でも”止まらねえ、が口癖だぜ、止まらねえ”と発言している。
 リンクも貼っておくのでアルバム全体として、是非聞いてみて欲しい。


She say Yes Oh my 感染者達を揺らせるDrug

 現在、世界中でパンデミックを起こしているCOVID-19ことコロナウイルスとかけている。感染者をも揺らせてしまうDrug(薬)のようなイカした曲という意味だと考えられる。
 そして、自分の曲をもウイルスに例えているのではないかと考えられる。(BRIZA IVのジャケ写がウイルスをモチーフにしている事から)


乗っかっちゃってくれよ俺に
ぶっ飛んじゃうかもしんないけど

ラップスタア誕生2021内でも発言していたが、『自分1人だけがかますんじゃなくて、みんなで番組盛り上げないと意味がない。』という発言から出たリリックだと考えられる。


口から出るのは火
ChineseじゃなくてもFeel like Dragon

 そして、自分の勢いをドラゴンに例え、『俺に乗っかってくれよ。』という意味である。そして、そこになぜChinese出てくるかと言うと、これは中国残留孤児の2世らを中心としたすストリートギャング”怒羅権(ドラゴン)”とかけていると考えられる。
フジタイト自身もブラジルと日本のハーフであり、同じ外国の血が混ざる者として通ずるものがあったのだろうか。


Okay, okay, okay, Let’s go
右も左もわかんねえけどまっすぐなフレンドと抜け出す迷路

“右も左”.”まっすぐ”.”迷路”など、器用に意味をかけている。


Lifeは映画でも目で見えてるものが全てじゃないぜ no
Bad endにはさせない
人間は感情的すぎてハートレス

 普段からボースティングが多く、自信満々なリリックが多い彼だが、表で見えているものが全てではなく、裏での彼なりの苦労が見え隠れする。
 そして、バッドエンドでは終わらせず、絶対上に行くという覚悟の見えるリリックである。


満員電車から高級外車からPrivate Jet
効かない歯止め

満員電車→高級外車→プライベートジェットと、これから成り上がっていく様をクレヨンで上塗りしていく様な表現をしている。


前に進んでく俺たちだからあえて言うけどもう後はねえ

 一見、”前に進んでいく”というポジティブな表現をしておきながら、”後はねえ”という自分たちの現状を表現している。
 ここで”俺たち”と表現する所から彼の所属するクルーBRIZAへの想いの強さが見て取れる。


[Chorus2]


真っ暗な路地裏で拾った一本のクレヨン
例え何回落ち込んだって上に行くだけよ
最初で最後の日 まるで最初で最後の日
死ぬときは死ぬなら生きる時は生き切ろう
真っ赤な火と血 真っ青に染まってる空と海
高ぶってる気持ち 吸ってる空気と溢れる緑
Money on, money on me

 赤・青・緑など、クレヨンという題名にふさわしく、色を使った表現が上手く使われている。


Money on, money on, money on me
この上ないよ描いた未来図はずっと虹色の信号機

 これからの未来へのビジョンは虹色であり、可能性が無限大ということである。Hookの最初に出てくる”真っ暗”と”虹色”という対比が光るバースである。


[Verse 2]


好き勝手に羽根を伸ばすLike a Bird
今夜はMedsはNoでもHeadsはYesって首を振るFlow

 Medsとは”medicine(薬)のことである。所謂Mollyなどのパーティードラッグを指していると考えられる。パーティードラッグが無くても自分の曲がドラッグのような物であり、それで、ヘッズ(ファン)を盛り上げるという意味だと考えられる。


何回でもTry 何回でもBlow up high

 Blow upとは通常の意味の”爆発する”ではなく、所謂、日本で言う”バズる”という意味。


お前らどうするこのイカゲームの招待状 I don't know what

 Netflixで配信中の大流行した作品”イカゲーム”からの引用。イカゲームの内容として、生死を賭けた一攫千金のゲームに参加するという内容である。
 この注目が集まったタイミングのチャンスで売れて一攫千金ということだろうか。イカゲームは生死をかけるという内容であるので、もしかして、ラストチャンスという覚悟なのだろうか…。


続きを書いてたらいつの間にか朝方で気温は0度
持ってない白旗 俺らも俺らの船をセルフでメイド

 このビートが”ZOT on the WAVE”という事から、WAVE(波)に乗る→船という事だと考えられる。
 そして、”セルフでメイド”というのは、ZOT on the WAVEが所属するラッパーKOWICHI主宰のレーベルSELF MADEと掛けている。 


Okay, okay, okay, Let’s go
あの時ももっとやれたはず
後悔してないやつなんていねえよ

 ラップスタア誕生2021では惜しくも優勝を逃したフジタイトであるが、そこでの後悔だろうか。


ナイフとペンお前にどっちを刺すか
俺は知ってる俺にもこれしかねぇ

 悪かった過去ではナイフを刺していたが、今の彼にはHIPHOPしかなく、ペン(リリック)を刺すという事である。


ナイスなビートこれ ZOT on the WAVE
最初っから言ってるけどもっと上

 最初とは、”この曲の最初”と”初期の曲”の2つの意味だと考えられる。
 初期の曲BRIZA l収録”トリハダ”でも”上がっていく”という発言をしている。


ハッピーなってまたサッドなって
I'm a sappyマジでこれなんやねん
関係ねえやりたいようにやんぜ
Briza Yavaisz Daze Bitch!


“Sappy”とは、SadとHappyを足した造語。
Twitter上で『ぶっちゃけこの曲でヒット言われてる俺もどうかと思うよ』と発言しており、結果的に番組の力を借りた形となってしまったヒットで喜んでいる自分との葛藤があるのだろうか。

[総論]


 年度別にプレイリストをまとめているのでディグるのがめんどくさい人は是非。
 






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