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カンニング対策から彼らの文化について考えてみた。

学期末試験も残りわずか。

今週は毎日のようにテスト監督をしていた。

ルワンダの学校で活動してみて、驚いたことのひとつに徹底したカンニング対策が挙げられる。

「ずさんなテスト運営をしているだろう。」という勝手な思い込みをしていた。

テスト監督をしながら、カンニング対策と彼らの文化について考えてみたことをシェアしようと思う。

徹底されたカンニング対策

はじめに・・・

私の活動先のカンニング対策、テスト運営方法であり、
ルワンダの全学校が同じように実施しているとは限らない。

学年がミックスされて、テストが実施される。

テスト前に掲示板に指定教室が記載された紙が貼られる。
生徒はその紙を見て、自分がテストを受ける教室を確認する。

例えば・・・
シニア2-Bの教室
シニア1-Bの出席番号1~10、シニア4-PCBの出席番号20~30、シニア6の出席番号40~50

同学年の生徒の席が隣り合わせにならないように

テスト監督が指定した場所に着席する。


これ、かなり時間がかかる。
事前に席配置を決めておけばいいのに・・・と何度感じたことか。

例えば、こんな感じ。

- ある教室の席順 -

入室前の持ち物確認

教室に入室する前に、カンニングペーパーなどを持ち込んでいないかをテスト監督が一人ひとり確認する。

過去に手のひらに数式などを書いている生徒がいた(笑)

持ち込みOKなものは、青ペン(*)、定規、電卓だ。

これは行っているテスト監督と行っていないテスト監督がいるのだが・・・

少し話が逸れてしまうが、すべての生徒が電卓や定規を持っているわけではないので、
テスト中は当たり前に貸し借りが行われる。

後ろの席にいる生徒が電卓を持っていたら、後ろを振り返り電卓を貸してもらったり
隣の生徒と定規をシェアしていたり。

そんな光景にはじめはとても驚いたが、誰ひとりとして、貸すことを拒まない。

これらを踏まえたうえで、

なぜここまで徹底したカンニング対策を行われているのかを改めて考えてみた。


以前、教員のひとりがこんなことを言っていた。

「カンニング対策も教育のひとつ。
徹底した対策を通じて、ズルはいけないことだと教える必要がある。」

たしかに、道徳の授業がないルワンダにおいては、必要なことだと思う。


そして、だいぶ前に陸上クラブの生徒たちと話していたことも思い出した。

「誰かひとりが困っているときに、まわりが助け合うのは、アフリカのカルチャーだ!」

実際、この文化に私は何度も救われてきた。

生徒たちと歩いているときに、男性にストーカーされた時は、自転車のお兄ちゃんたちが追い払ってくれた。
壊れたメガネを直したいが場所がわからなかった時は、その辺を歩いているマダムとおじさんが近くの修理場所まで連れて行ってくれた。


さて、みなさんは、このことわざをご存知だろうか。

If you want to go fast, go alone; if you want to go far, go together
早く行きたければ、一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め

このことわざは、アフリカのことわざとして知られている。
助け合いながら、みんなで進むことを良しとする考え方を表現している。

ただ、アフリカと言っても、アフリカ大陸には54カ国あるため一括りにはできない。

このことわざの起源を調べていたら、こんなnoteを見つけた。
興味のある方は是非読んでみてほしい。


似たような意味することわざがルワンダにもあるのか聞いてみた。

1. Ifuni ibagara ubucuti ni akarenge
(良好な関係をキープするためには、お互いを訪ね合う必要がある)

2. Umushitsi arisha imbuto
(もし誰かがあなたの家を訪れたとして、おもてなしができなくても、次の訪問に備えておもてなしの準備をしておこう)

・・・なんか少し違う気がするが、せっかく教えてもらったので、シェアしようと思う。
生徒や他の先生にも聞いてみようと思う。


良くも悪くも
助け合いの文化が浸透しているからこそ
徹底したカンニング対策が必要なのかもしれない。


でも、例えば、周りの誰かが答えが分からず困っていて、答えを書いた紙をこっそりとまわして、それがバレたとする。
それでもきっと「私は困っている人を助けた。」とカンニング行為を正当化できてしまうよなあとも思った。


教員という立場では、カンニング行為も助ける行為も、やってはいけないと伝える必要があるが、一個人として、ルワンダの教員は「困っている相手を助けるための行為」をどのように捉えるのだろうか。

どんな状況でも、たとえば、自分がお金を持っていなかったとしても
自分より困っていそうな人がいれば助けてしまう彼らにとって、
カンニングを助ける行為は決して、悪ではないのかもしれない。

しかし、文化だからという理由で許容してしまうのも違う気がする。

それでは、この助け合いの文化に応じて
たとえばグループに分かれ、チームで協力しながらテストに解答していくのはどうだろうか。
定期テストには相応しくないかもしれないが、学期途中のミニテストにおいては有効かもしれない。


結論!


文化に応じて、物事の対策を考えることってとても大切だなと思いました。


そんなことを頭でぐるぐると考えながら、テスト監督をしていたら
あっという間に3時間経過していた。

そう、ルワンダのテストは3時間がデフォルト。

母国語ではない言語で書かれた多数の問題を、3時間集中しながら解かなくてはならない。
ルワンダのテスト、ハードすぎる。

私がルワンダで教育を受けていたら、確実に留年を繰り返していただろう。

それでは!


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