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新学期スタート!ドロップアウト

ムラホ!

日本から帰ってきました!楽しい毎日で、会いたい人にもいっぱい会うことができ、リフレッシュできました!


- 温泉のあとに食べた牛タンと生ビール。最高に美味しかった。-


- 大好物のそばとお刺身。幸せ〜! -

このnoteをたまに見ている!という言葉がとても嬉しかった。
特に、おじいちゃん。

感情丸出し、読みにくい文章ではありますが・・・
少しでも読んでいただけると嬉しいです。

では、スタート!


9月25日|学校が始まった

5:30
なぜか緊張して、早く起きてしまった。

長い休みが終わり
今日からいよいよ学校が始まる。

私の学校は全寮制の学校なので、ルワンダ各地から生徒は学校に戻ってくる。先週の金曜日、土曜日、そして、日曜日にかけて生徒たちは地元から学校にやってきた。

たった2ヶ月なんだけど、懐かしい顔ぶれが揃っていて嬉しい気持ちになった。

学校を守っているセキュリティのおじちゃん、いつも助けてくれる先生方、そして、陸上クラブの生徒たち。
みんなが「久しぶりー!」「日本の家族は元気だった?」「シェリーン(恋人)にハグしたか?」「会いたかったよ〜」という言葉と共に、熱くハグしてくれた。

緊張していたけど、心がほぐれてきた。

実は日本から戻ってきて、気持ちが憂鬱になっていた。久しぶりのお家の中は、見たことないような気持ち悪い虫がいっぱいだし、砂まみれだし、相変わらずバケツシャワー、そして、停電。
日本とのギャップを改めて感じてしまって、気持ちが下がっていた。それもあり、学校に行くのも、なんだか嫌だなあという気持ちだった。

だから今日は、学校に行くだけで自分を褒めようと、そんな気持ちだった。

先生方は時間割を作成したり、授業準備をしたり、すでに授業を行っている先生もいたり、様々だった。私は体育教員の彼から時間割を受け取り、どのコマを担当するのか、今年度の授業計画を話し合ったり、打ち合わせがメインだった。


- 全ての学年の時間割(笑)手書き(笑)-

そのあとは、カウンターパートの陸上コーチに呼び出されたので、彼が勤めている隣の学校へ向かった。

シニア3(中3)の生徒のナショナルエグザムの結果について、練習日程について話し合った。

ルワンダではナショナルエグザムがあり、その結果によって進学する学校が決まる。
志望校を書くことはできるのだけど、良いスコアではない場合は教育省に進学先が決められる。

陸上クラブの生徒の移籍が決まった。
別のディストリクト(県)の学校に進学することになった。また、学びたいコースがないがゆえに別の学校に進学する生徒もいた。

たった半年ではあるけど、ずっと見てきた生徒たちがいなくなってしまうことは非常に悲しい。

ただ自分ではどうにもコントロールできる問題ではない…。

しかし陸上クラブの生徒2人が、ここで陸上を続けたいと申し出てくれた。

校長や群庁で勤務するスタッフなどに直談判したいとのことで、教育省のスタッフがいる学校、そして、群庁まで付き添いをした。

結論から言うと
学校を変えることは難しいとのこと。
ただ、それでも諦めたくない生徒たち。
また明日、一緒に話に行くことになった。

変えられるかどうか、陸上を続けられるかどうか正直分からない。だけど、彼らのためにできることはやり尽くしたい。

再びカウンターパートの元に行き、今年度のクラブの方針を定めること、そして、選手一人ひとりの目標設定の機会を設けたいことを伝えた。
そして、早速クラブの方針、ルールを一緒に考えた。さらに、明日ミーティングを行い、選手に共有することになった。

ミーティングに向け、目標設定シートを作成している。自分自身、陸上競技を通じて目標設定の大切さを学んだ。目標を明確にすることによって、モチベーションが高まり、練習への意欲も湧いてくる。

彼らには競技力はもちろんだけど、それ以上に社会に出てからも活かせるライフスキルを陸上競技を通じて磨いてほしい。うまくいくか分からないけど、マンダラチャートの簡易版を活用していく予定だ。

17:00
体育教員やコーチとの打ち合わせ、生徒の付き添いで街中を歩き回り、さすがに疲れた。
定時に上がり、帰宅!
洗濯をしている途中に、またしても停電!!
さすがに3日連続は笑ってしまうが、仕方ない。

日記を書き終わるちょうど今、ようやく停電が終わった。と思ったら30秒後に、またしても停電(笑)
さすがにお腹が空いたので、暗闇の中、ご飯を作って、ゆっくり過ごして、早めに寝る。

明日も頑張ろう。

9月26日|来シーズンの目標設定ミーティング

今日も日中は体育のクラスのサポート。
今週はイントロダクションのみなので、簡単に自己紹介して、生徒たちも一人ずつ自己紹介して、授業の流れを説明しておしまい!

というわけで、空きコマでは昨日に引き続き、生徒の進学先の相談を校長にしたり、目標設定シートを作成したりしていた。

生徒の進学先については、変更できた生徒もいた一方で、成績が足りず変更が不可能な生徒もいた。自分の立場でやれること、伝えられることを伝えることはできた。変更できないことを生徒に伝えると、大きな目から涙が溢れた。

コーチがなぜいつも「陸上競技だけでなく、勉強もしなさい!」と言っていたのか、その理由が少し分かった気がした。

文武両道。
応援される選手になるために。

もちろんそれもあるのだろうけど、それ以上に、しっかり勉強して成績をおさめなければ、陸上競技を続けることはできない。

スポーツ推薦だろうがなかろうが、ルワンダにおいて、勉強の優先度は非常に高く、とても大切。その認識は他のアフリカ諸国よりも強いのかもしれない。それは歴史的な背景が関係しているのかもしれない。

放課後はミーティング!
昨日コーチと定めたクラブの方針と、目標設定の大切さを伝えた上で、簡易化したマンダラチャートを用いて、目標設定を行う時間を設けた。


例を用意したものの、それを丸パクリする選手もいた(笑)
目標を達成するために必要な事柄を自由に考えていいよと伝えても、これまでこうした目標設定をしてこなかった選手にとっては難易度が高い。

現地コーチに協力してもらい、キニアルワンダ語でシートの記入方法を説明した。

マンダラチャートは全てを埋めることが目的なのではなく、目標を達成するための行動や小さな目標を明確に、数字なども用いて設定することに大きな意味がある。

今日のミーティングに参加できなかった選手も何名かいるので、個々で1on1という形でもいいから、全員に対して目標設定の機会を設けて一緒に考えていきたいと思う。

9月27日|練習開始

今日から練習が開始した。
クラブの選手は減ってしまったが、今目の前にいる選手と向き合っていく。

休み中は各自で練習していたものの、体力が落ちている選手が多くいた。なので、ランニングドリル、体幹トレーニングをメインで行った。

練習ノートの記入も始めた。


- 練習ノート初日 -


練習内容やタイムの記入に加え、練習の感想や振り返りをインタビュー形式で行って見ようと思う。

「感想、所感」と言われても、こうした振り返りに慣れていないと何を書けば良いのかわからない。実際、高校生の頃の私がそうだった。

前職のスポーツ教室で子どもたちが練習の振り返りや感覚を言語化することを目的に行っていたインタビューカードを思い出した。


- 練習後にノートに記入する選手 -

「今日の練習で良かったことは?」
「どんなことを意識してトレーニングした?」
質問の形式は毎日変えて、練習を振り返る機会を増やしていきたいと思う。

やってみると、一言ではあるものの、一人ひとりが感想を書いてくれた。毎日継続していきたいと思う!

9月28日|ドロップアウト

今日は突然、全校集会が行われたため、突然練習がなくなった。
ルワンダに来て8ヶ月、突然の変更にはもうだいぶ慣れた。
慣れてしまって良いのかはわからないけど・・・(笑)

ここでは計画はもちろん大切だけど、
それ以上に、柔軟に対応する力が試される。
そして、変えられないものに固執しすぎるのではなく、変えられるものに目を向けることが大切だ。
物事の捉え方を変えることも。

練習はなくなってしまったが、選手とCPのコーチと話し合うことができた。
今後の練習の方針なども改めて選手と話すことができた。

今日、戻ってくるはずだった生徒が戻って来なかったので電話をした。
すると「もう学校を辞めることにしたから、戻らない」とのことだった。

彼女は、進級することができず、留年が確定していた。
もう勉強はしたくない。

それが彼女の決断だった。
なんとか説得しようとも思ったけど、彼女の教育費を出せるのかと言われたら私は出せない。
学校は通った方がいい。

そう思う一方で、彼女の家庭の事情を考えると何も言えなかった。

ドロップアウト。すなわち自主退学。
ルワンダでは少なくない。

家庭の事情などでその選択をする生徒はとても多い。
プライマリースクール(初等教育)は無償化であるものの、
セカンダリースクール(中等教育)は教育費、ユニフォーム代がかかる。
加えて、全寮制の学校の場合、量で暮らす費用もかかる。

学校に通えることは、当たり前のことではない。
学校に通えてはじめて、陸上競技に取り組める。

彼女は幼少期から才能を見出されて、陸上競技に取り組んできた。
コモンウェルスという国際大会にも出場したことのある将来有望な選手。
地元には有名な陸上クラブがある。さらに、彼女を求めているクラブは他にもある。

・・・言葉が出ない。

もちろん陸上で将来メシが食べられる、その可能性もある。
その一方で、教育を受けることによって得られるものは大きい。

ドロップアウト・・・。
彼女だけでなく、もう1人の生徒もどその選択をした。

文武両道の大切さを伝えきれなかったことの悔しさと同時に
自分でこの状況を変えることができないもどかしさで胸がいっぱいだ。

コーチはあっさりしていた。
来るもの拒まず、去るもの追わず。
そんな印象を受けた。

そんな簡単にこの状況を受け入れられない。
そのくらい体当たりで彼女たちと向き合ってきた。

ただ自分ではどうしようもできない状況にいつまでもクヨクヨなんてしていられない。
目の前の選手が少しでも幸せに陸上競技に取り組める環境を作らなきゃ。

9月29日|学校に通いたいけど、2500円が払えない。

またまた別の生徒の問題が・・・。
月曜日に交渉していた生徒について、活動先の寮で生活しながら、少し離れた学校に通うことがきまった。
しかし、問題があった。

生活費(寮で暮らすための費用)は負担してもらえるものの、学校の教育費は家族が支払わなければいけない。
しかし、彼の家族は農民でその費用を払うことができない。

教育費は、19500RWF(約1950円)
ユニフォームは5500RWF(約550円)
合わせて、25000RWF(約2500円)

この費用が払えない。どうしたらよい?という相談を生徒から受けた。
一緒に校長に話しに行こうとしたものの、今日は不在・・・。

2500円。
正直なところ、私のポケットマネーで支払える額だ。

農民の1日当たりの収入は約1200RWF(約120円)
そんな農民の家族に、この費用は払えない。
払えたとしても、生活困窮状態になる。

「学校に通いたい。」と彼は言う。
既に私の活動先の学校は授業が始まっている。
そんな生徒を羨ましそうにみる彼の顔が頭から離れない。

学校に通えることは本当に当たり前のことではない。

厳しい。

週末明けの月曜日、もう一度話しに行くことになった。

ルワンダにおけるコーチの役割は日本と若干異なる部分がある。
具体的には、コーチが面倒を見る範囲が広いことだ。

生徒の練習に限らず、生活や家族の相談を受けることが多い。
これはルワンダもだけど、ギニアでも共通していた。

パラリンピック選手のオンライン指導をしていたのだが
ギニア人のコーチも選手の生活全般のお世話をしていた。
食事や住居などのサポートまで行っていた。

生徒一人ひとりの状況を多角的に知りたいので
自分としてはこうした相談はとても嬉しいことだ。

でも、厳しい問題が多い。
こうした状況と向き合うと心が結構沈む。

変えられない状況があるけど、変えられる部分に目を向ける。
この現実をどう受け止めるのか。

少しずつ、一歩ずつ。
できることは全てやってみようと思う。


- マンダラチャートを記入する彼。競技だけでなく、勉強での目標も記入していた -

9月30日|選手からのアドバイス

朝9:30
これまでは6:00から練習を開始していたのだが、
この学期からは9:30から練習を行うことになった。

カウンターパートとも話し合いを行い、生徒にもエネルギーが枯渇した状態で練習をすることによる体への影響や朝食の重要性を理解してもらい、9:30からとなった。

今日はサーキット。
6種目30秒WORK、1分JOGGINGを3セット。

初めての種目もあったが、全員が最後まで追い込めていたように思う。

手押し車を初めて行った彼ら。
「TEOSHI」と伝えると、ウケが良い(笑)
他にも「TABATA」など日本語の練習メニューはウケがいい(笑)

彼らには「なぜこのトレーニングをしているのか」を考えながらトレーニングできるようになってほしい。
どんな目的があるのか、こうしたことをしっかり伝えながら指導に取り組みたい。

練習後、1人の選手が「あのコーチみたいに用具を使ったりしたトレーニングを提供してほしい」と言ってくれた。

こうした選手からの意見はとてもありがたい。
自分の意見や、道具を使わない練習を行った背景を伝える前に、まずは「ありがとう」と伝えた。
選手はコーチの駒ではない。
選手とコーチが意見を出し合いながら、より良い練習環境をつくる。
それが結果的に信頼しあえる関係性となり、競技力向上に繋がると思う。

選手の貴重な意見を受け入れて、来週以降の練習をより良いものにしたい!

10月1日|NGOでの久しぶりの活動

今日は久しぶりに子どもたちにスポーツの機会を提供するNGOにお邪魔した。

今ルワンダは雨季で、ほぼ毎日、1時間ほど雨が降る。
それもあり、子どもたちは少なめ。

サッカーの練習をする子どもたち。
新しい子どもも数人いたように思う。

サッカーの練習でよく行われる「とりかご」を実践していた。
ここにいる子どもたちは幼少期からスポーツに触れる機会がある。

こうした機会はルワンダにはなかなかない。
スポーツを専門的に始めるのは、大体が中学生になってから。

幼少期に様々な体の動かし方を経験していない子どもたちがルワンダには多くいる。
一般的には7〜12歳のゴールデンエイジは、神経系の発達が著しい。
この時期に色々なスポーツを経験することによって、中学生以降で多くの競技に対応することができる。


この幼少期の子どもたちに対するスポーツの機会の提供にまだまだ価値は見出されていない。
数名のルワンダ人に聞いてみても、ここが欠けている!という意見があった。

このNGOがロールモデルとなり、子どもたちがスポーツを行える場所が少しでも増えてほしい。

おわり

日本への一時帰国を終え、今週から活動が始まりました!

楽しい!嬉しいこと以上に、辛い!悔しい!情けない!
そんな感情で毎日過ごしていたように思います。

明日からもえええ!と予想もしてない出来事がたくさん起こるはず。
一つ一つの出来事に目を向けつつも、自分ができることは何かを考えながら活動していきたいと思います!

日本から、ほんだしや日本食品をたくさん持ってきたので、
料理もいっぱい作って、心も体を満たし、しっかり休みをとります!


- 日本で食べた目玉焼き乗せてあるチャーシュー!ルワンダでも作りたい!笑 -


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