コーチへのコーチング。タレント発掘プロジェクトの闇|10月9日〜10月15日
メゼネーザ!(調子いい感じ〜!)
早起きが続いていて、寝落ちしてしまいました・・・。
先日、JICA海外協力隊のOBさんであり、7年間ルワンダで暮らしているタケダさんの初の著書が出版されました。
私も早速購入し、読了しました!
ルワンダで暮らしていても知らなかった!と思うこと、そして「うわあ!あるある!」と思うこともたくさんあり、非常に興味深い一冊でした。
ルワンダでの暮らしに興味のある方にはぜひおすすめです!
では、スタート!
10月9日|今日の私の走り、どうだった?
昨日、話しかけてくれた女子生徒が練習に来なかった。。。
とてもショックだが「今日練習あるよ!」と直接伝えなかったことに後悔・・・。
主体性を大切にしつつも、やはり声をかけるべきだった・・・。
落ち込んでもいられないのでトレーニングをはじめた。
以前、というか、時々練習にくる選手兼コーチが行っていたトレーニングをやってみた。
そのあとはラダートレーニング。
ルワンダでは幼少期のスポーツ指導の機会が極めて少ない。
そのため、本格的にスポーツを始めるのはセカンダリースクール進学後という生徒は多い。
ラダーのような調整力(コオーディネーション)が必要とされる練習への適応力が低い。
何度も繰り返し、繰り返し行い、ようやく少しずつ形になってきた。
その後、30m, 40m, 50mの往復走。
いつも以上に走れている女子生徒・・・!
練習後、荷物を片付けているときに
「今日の私の走り、どうだった?」と聞かれたので、
正直に「今日は本当に走れていたね。ストライドもだけど、回転が早かった」と伝えた。
「自分的にはどうだった?」と尋ねると「よかった!!!」とのこと。
その時の笑顔が眩しすぎた・・・!笑
ただ走るのではなく、自分の感覚を鋭くする。
動きづくりはその日の調子のベロメーターになる。
誰かに言われた自分の走りも大切にしつつも、
自分の感覚を大切にしてほしい。
10月10日|コーチへのコーチング
今日はタレント発掘プロジェクトの選抜メンバー(中1〜2)の生徒に対して、スターティングブロックの使用方法の指導がメインだった。
ジュニアの選手もスタブロを使用するのは初めて選手がたくさんいるので、彼らに対しても一から指導した。初めて見るスタブロにみんな興味津々!
いつもスプリントの指導をしている活動先の体育教員と協力して、指導を進める予定だった。
カウンターパートからも彼にスタブロの指導方法を伝えるようにと言われていた。
そんな彼は「僕はスプリントよりも投擲の方が好きだからー!」と指導前に姿を消した。
投擲種目はカウンターパートが指導を行うので、彼は必要ない。
話し合いたかったけど、既に練習は開始しており、生徒はその場にいる。
ここで話し合っても長時間の話し合いが行われて、練習が終わってしまう。と思い、話し合いは後に、指導を優先した。
彼に限らず、日本でもよくある話だが、権力のある人に言われなきゃ、自分から学ぼうとしない人は一定数いる。
こうした話し合いは決して避けてはいけないってわかってるけど、話し合うのもエネルギーがいる。永遠に繰り返される言い訳の数々。
こちらが話そうとしても、話を遮り、よく分からない言い訳を繰り返される。
口では「あなたは知識を持っている。」「僕たちに教えてくれ〜」って言うが、実際は学ぶ気はそこまでない気がする。「こういえば、ボランティアは満足するだろう」っていう彼なりの配慮?(ん?配慮なのか?)がある。本音ではない。行動にあらわれなければ、私はそれを感じられない。
だから、選手への指導を通じて、間接的に指導方法を伝える形が、今のところはしっくりきている。実際、トレーニング方法や指導方法を活用している姿をこれまでたくさん見てきたから。
セミナーや講習会には一定の効果が必ずあると思うが、会を開いて、満足している場合が多いように感じている。特に指導の現場においては、実際に指導する姿を見せる、その中で伝えるのが効果ある気がする。
陸連主催の講習会に彼らは参加して、きっと一定の知識はある。その知識の活用方法が分からず困っている。でも、それを言うことは決してない。彼らにはプライドがあるから。
って考えると、自分が選手に対して指導する機会をいただけることは大変ありがたい機会だし、一回一回を大切にしていきたい。指導から離れて、観察する立場で活動した方が良いのかもという葛藤がずっとあった。でも、指導を通して、選手だけでなく、コーチにも間接的に伝え続ける。そうすれば、彼らは教えられていると感じずに、学ぶことができる。とはいってもできる限り、コーチも巻き込みながらできれば、さらに良いかもしれない。
コーチへのコーチングについて考えた1日だった。
10月11日|少しずつ、少しずつ。
今日、とても嬉しいことがあった。
カウンターパートである男性コーチ40代。
いつも練習中に電話しはじめたり、見ているだけの彼が、今日は選手とジョギングしながらコミュニケーションをとっていた。さらに練習後には選手の中に加わり、ストレッチをしていた。
こんな光景を見るのは初めてだった。
さらに、WhatsAppで「このレース1位はどっち?」と2020年インドU17の100mの動画を送ってきて、議論を持ちかけてくれた。
これも初めてのこと。
何が言いたいかというと、彼の中で陸上競技の指導に対する意識が変わってきているということ。
自分の存在以上に彼を動かしているのはお金であることは間違いない。だとしても、行動変容のきっかけを与えられたことは嬉しい。
20代女性、男性社会に揉まれながらも踏ん張ってる。
選手の環境を少しでも良くするために諦めない。
練習後に、各スポーツのコーチが集まり、グダグダいろんな話をする時間がある。割とこの時間を私は大切にしている。
今日は、ドーピングの話と、男性ホルモンの高い女性アスリートの話になった。
「World Athleticsの規定を教えてくれ」と言われたので、喜んで資料を共有した。
すると、体育教員の彼が「ここはアフリカだからね。ルールはしっかりしてないし、ズルしてもバレない。協会自体が取り締まろうとするモチベーションもない。」と。
彼は、嘘なく真実を伝えてくれる。それにショックをもちろん受けることもあるけど、伝えてくれるってありがたいことだよなとも感じている。
ただ、競技の発展のためには、こうしたルールを定めて、選手がフェアに理不尽なくスポーツを行える環境を整えていく必要があるなあと。
こんな話し合いを彼らとできるようになって嬉しい。もっともっと色んな話をしたい。
10月12日|才能のある選手のやる気を潰さないで。
今日は午前中の授業がなく、午後からの授業だ。
いつもより朝をゆっくり過ごせるのが嬉しい。
来週、タレント発掘プロジェクトの選抜メンバーを対象とした大会が行われる。その大会に向けたリストを作成していた。
こうしたリストをパソコンで作成するのだが、その能力が著しく低い。
最近、資料を手書きではなく、パソコンで作成することが主流になりつつある。
手書きで作成して、最終的にパソコンで作成するって言う非効率なやり方をすることも以前あった。
リストを作成する中で、20人であるはずの選手が気づいたら30人に増えていた。
選抜されていない選手を混じっていることにこの時に気づいたようだ。
そして、その30人を20人にするために、10人の選手を切り捨てた。
リストにおいて、
黄色でマークする選手はメンバー入り。
グレーでマークする選手はメンバー外。
その切り捨て方が、あまりにも酷かった。
その生徒の顔を見て「あー、この子は才能ないからグレーにして」「この子は分からないけど、背が高いからとりあえず黄色」
名前も、能力も曖昧に把握していて、何かの指標を参考にするわけでもなく、感覚で生徒を切り捨てていた。
こんな杜撰な方法で選手を選んでいたら、本当に才能のある選手の可能性が閉ざされてしまう。
短期的に伸びる選手もいれば、長期的に伸びる選手もいるわけで、指導者はその選手が秘めた才能や能力を把握する必要がある。
最終的な決定権は彼らにあるから、私ができることは、見極める視点を増やすこと。
ジャンプ能力、普段の動きづくりを通して、コオーディネーション能力はある程度把握できる。
体格には恵まれてないが、身体の動かし方が巧みな場合、あと伸びの可能性が極めて高い。
でも、彼らのように感覚で選ぶことももしかしたら間違っていないのかもしれない。日本では科学的に証明されていることであったとしても、それが必ずしも世界共通で同じ結果が得られるとは限らない。日本のスタンダードの押しつけは良くない。
分かってはいるけど、この杜撰な方法での選手選抜
どうにかしたい・・・。
10月13日|お世話になった先輩隊員さんが日本へ帰国!
ルワンダに来る前から、ルワンダでの暮らしや活動についての質問に対して、毎回丁寧に対応してくださった隊員さん。
ルワンダ到着し、任地での生活が始まってからも、たくさんの人々やお店を紹介してくれた。
そのおかげもあり、本当に充実した毎日を過ごすことができた。
毎週のように飲みに行ったり、映画見たり、いろんな話したり・・・!
そして、旅行にも一緒に行って・・・!
とても楽しかった。
レストランや学校、イソコ(市場)で彼はどこ行ったの?と尋ねられる。
みんなの心の中に、その隊員さんと過ごした日々は深く思い出として刻まれている。
みんなから愛されている。
JICA海外協力隊には魅力的な人がたくさんいる。
人生経験豊富で刺激をいっぱいもらっている。
活動はもちろん楽しいし、成長できる。
でも、協力隊への参加を通じて、年齢、職種も全く異なる人々との出会いがあった。
間違いなく人生の財産!
とても寂しいが、思い出を胸に、ここでの暮らしを楽しもう!
10月14日|予想外の1日。
今日は、二部練習の日。
まずは、少し離れた学校へ行き、生徒をピックアップする。
「イギコマ飲むから、5分待って!」
・・・30分近く待っていると、彼がようやく現れた。
(早起きした時間、返して!)
学校到着後、やけに静かだなと感じた。
生徒に聞いてみると、これから全校生徒が参加しなくちゃいけない集会があるとのこと。
つまり、練習はできない。
このことを同じく陸上指導をする体育教員は知っていたのだが、共有してくれなかった。
というか、自分から聞かなかったのが悪いけど(笑)
聞かないと分からない。
かといって、しつこいのは迷惑・・・。
ところんこちらが気を遣わないといけないのは正直嫌になるけど、仕方ない。
その後、ひとまず生徒1人の練習を終え、市場へ。
市場で野菜などを購入していたら、見覚えのある顔が。
学校の先生だった。
買い物に付き合ってくれた。
その途中、カバンの中に入っていたお水を見つけて「水持ってるの?ちょーだい!」と言われたので、仕方なくあげた。その後、250RWFのお釣りをもらったのに、なぜか50RWFとられた(笑)
買い物付き合ってもらったし、いろいろ安く買えたし、まあいいかと思ったのだけど、問題はそのあとだった。
彼女の旦那さんを30分近く待った・・・。その後、なぜかじゃがいも買いに行くと言われた。
「じゃあ、私もう帰るね!ありがとう!」と伝えると「オヤー!あんたもついてきなさい!」と・・・。
しぶしぶ着いていくと、そこでも20分近く待つはめに・・・笑
家帰って、掃除したり、洗濯したり、やりたいことが山ほどあったのに、予定の1時間半以上時間をロスしてしまった・・・。こんな何気ないコミュニケーションが大切とはわかっているのだが、それでも、時間は無限にあるわけではない。
そんなこんなで予想外に振り回された午前中だった。
午後3時、午後練習のため学校へ行くと、着替えていない生徒たち・・・。
「え、なんで着替えてないの?15時って伝えたよね?」
すると「寮が開いてないから着替えれない」とのことだった。
寮のスタッフに連絡して、特別に寮を開けてもらった。
その後、無事練習を始めた。
すると、少し遅れて女子生徒が・・・!
前の学期の体育クラスで立ち幅跳びの測定をした。
その時に身体の使い方がピカイチな生徒がいた。
先週は、同じく体育クラスで50m測定をした。
やはり彼女が学年トップ。
授業のあと「土曜日に練習するから、もしよかったら来てほしい。9時から始まるよ」とだけ伝えた。
集会があったから、朝の練習はなくなってしまった。彼女には15時から練習があることを伝えていなかった。だから、きっと来ないだろう。そう思っていた。
しかし、彼女は競技場にきてくれた。
ラダー やミニハードル 。
どれも初めてとは思えない動きをする。
小学校ではサッカーをしていた彼女。
最後はエースランナータビタと勝負!
勝利したのは、タビタ。
彼女は東アフリカ大会にも出場するほどの実力の持ち主。
その後、練習を終え、練習の日程や彼女の才能について私が感じたことをそのまま伝えた。
最後に質問ある?と尋ねると・・・
「私も彼女みたいに速くなれる?」
「どんなテクニックが必要なの?」と聞いてくれた。
とても嬉しかった。
最終的にクラブに所属するか決めるのは彼女自身。
無理やりクラブに所属させても、陸上は楽しめない。
月曜日の練習。
彼女は正直来るのか分からない。
期待したいという気持ちがありつつ、
これ以上、誰かから裏切られるのは辛い。
それでも、少しだけ期待して、待ちたいと思う。
夜は、先輩隊員さんの焼肉パーティをした。
美味しい豚肉、鶏肉、そして、日本の焼肉のタレ・・・。
とても幸せだった!
10月15日|相手のバックグラウンドを知る。
6:30からの朝練を終え、急いで着替えに帰る。
今日はミサで歌う日。
10時からミサが始まった。
終わったのは、なんと14時。
ミサのあとも、郡庁の方々のスピーチなどが続き、気付いたら14時だった。
その後、聖歌隊メンバーで写真撮影!
最終的に家に着いたのは15時!
やりたいことがたくさんあったのだが、すでに午後(笑)
ルワンダの人は良くも悪くもあまり時間を気にしない。
「あ、もう時間だからバイバイ!」となることはあまりない。
その一方で私は時間にとらわれながら生きているよなあ。
と、この日記を書いていて思った。
日本で暮らしていたこと
陸上競技という1分1秒を争う競技をしていたこと
今までの自分の生き方が、自分の価値観につながっている。
人の価値観はすぐに変えられない。
今、ルワンダで活動をしていて
「?」と疑問に思う出来事や言動はいっぱいある。
「こっちの方が良い。」
「日本ではこうしている。」
「なんでそんなことするの?」
その一つひとつを否定したり、是正しようとすることは正しいことなのだろうか。
相手の価値観、その価値観をつくりあげたバックグラウンドを知ること。
「より良くなるために」という自分の思いは、エゴである場合だってある。
分かり合うための最初の一歩は、相手を知ること。
「提案」「否定」「強調」ではない。
自分の価値観に気づきつつ、やっぱり、相手を知ることって大切だよなあ。
と考えた日曜日の夕方。
いっぱい寝て、美味しいもの食べて、また明日から頑張ろう!
おわり
学校が始まり、生活リズムも掴めてきた。
断水は9月から続いていたようで、9月の水道料金は0円でした。
どのように水を手に入れるのか?
今は、大雨のタイミングで、雨水を溜めています。
これも難しくなったら、水売りのお兄さんから水を買いたいと思います。
私が暮らす村にも、最近よく通っている・・・。
常に心の余裕を持ちながら、今週も過ごしていきたいと思います!
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