見出し画像

タイガー&ドラゴン

釣りバカ日誌にハマって、その後西田敏行にハマり、西田敏行出演作品を観切ろうと「俺の家の話」を観た後、宮藤官九郎作品関連で「タイガー&ドラゴン」に行きつきました。


概要

脚本・監督は宮藤官九郎で、主演は長瀬智也。

話が絶望的に下手なヤクザ・山﨑虎児(長瀬智也)。ある日、小太りの初老の男・谷中正吉(西田敏行)の取り立てに喫茶店に行く。トイレに行くと言って逃げ出した谷中を追って、落語の寄席にたどり着く。舞台にいるのは谷中。谷中は「林家亭どん兵衛」という落語の師匠だった。彼の名人芸を目にし、その巧みな話術を学ぼうと虎児は彼に弟子入りを懇願する。

感想

といったもの。ヤクザが落語界に入る、というとんでもテーマですがこれがとても面白い。いや、これ、というわけではないですね。今から話します。

ストーリーは、虎児の悲運な過去や、林屋亭における師弟愛・家族愛、どん兵衛師匠の息子・谷中竜二(岡田准一)との友情、また恋模様と、いったイベントで進みます。
ストーリーは宮藤官九郎らしいコミカルなもので面白いです。

しかし感動したのはストーリーではなく、システム(テーマ)です。
このドラマのテーマは「虎児が、実際の出来事を元に、古典落語をアレンジした創作落語を作る」というもの。
これが面白い!!

落語をテーマにドラマや漫画を書いてみようと思うと、創作落語をテーマにやってみたいな、と思わないでしょうか。
しかし実際やってみようとすると入り組みすぎた内容になってしまい、果たしてエンタメとして面白くなるもんなのか。かなり難しいと思うのです。

しかし、さすが宮藤官九郎のコメディセンスというものなのか、ヤクザ×落語という設定によって巧妙に実現している!
1話目の時は鳥肌が立ちました。

しかし、まあ、西田敏行のあの、人情溢れるおじさんの演技のうまさたるや。
ストーリー自体は、個人的には、ずば抜けて面白いとは思いませんでした。面白いのですが、ずば抜けているわけではない。
しかし、システム(テーマ)の面白さだけでは流石に一本の作品に対して「めっちゃくちゃ面白かった」という感想は出ない。
このドラマのストーリーは西田敏行の演技によってより厚みを増しているのだと思います。
西田敏行が「林屋亭どん兵衛」じゃなければ、この作品もここまで面白くなかったんじゃないかな。
コミカルな演技、愛情深い演技、厳しい演技、全てがすごい。哀愁が溢れていて粋でもある。
彼の演技によって、ドラマのストーリーがメタ的な現代落語のようになっていたのではないかと思います、落語詳しくないけど。

久々にとっても面白いと思える作品に出会えました。

そうそう、「俺の家の話」も「プロレス×能楽」というシステムで、これもまた面白い!
こちらもメタ的な能楽にもなっているのかなと思います。

いやー、、、面白かった。。。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?