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練習を休む基準


みなさん、こんにちは。

アスレティックトレーナーのやすひこです。

こちらのnoteでは、
スポーツをやっている学生さんが、
怪我後のリハビリの必要性を理解し、
正しい知識を習得し、
自分でリハビリが実施できるようになる事を
目的としております。

できるだけ分かりやすく、
噛み砕いた表現で
書いていきます!

それでは、始めましょう!
よろしくお願いします。



外傷と、障害という言葉はご存知ですか?


外傷とは。


外的要因による組織または臓器の損傷の総称。

スポーツにおける外傷とは、
一度の外的要因(外力)による怪我のこと。


大丈夫ですか?
伝わっていますか?


例えば、

「足首を捻って捻挫しました。」とか、

「相手と接触して打撲しました。」とか、

「転倒した際、相手に乗られて骨折しました。」とか。


原因がはっきりしているもの。
と、言い換えることもできます。



障害とは。


オーバーユース(使いすぎ)や
持続的な負荷によって発症する怪我。


例えば、

「長距離走の練習を繰り返したことによる、
膝の痛み(ランナー膝)。」とか、

「ダッシュを10本走った後に、
モモの裏側が痛くなった。」とか、
※走ってる途中でピキってなったら外傷(肉離れ)ね。

「最近、投げる量が増えてきて徐々に
 肩が痛くなった。」とか。


一度の外力ではなく、
繰り返しかかる負担による、
蓄積による痛みのことを言います。


障害はどのように起こる?


今回は、
障害についてお話していきます。


障害とは、
トレーニングの負荷が大きすぎることによって起こります。

ただ、
「トレーニングのやり過ぎ」には、
間違い無いのですが、

同じチームメイトでも、
痛くなる選手と、
そうでない選手がいるのはなぜでしょう。


それは、
今現在の、体のコンディション(体の強さ)と、
トレーニングの負荷の関係に、
ギャップがあるからなのです。


どういうことか?


今の体の強さが、60の選手が、
80のトレーニングをしていた場合、

この20の差が、
ギャップです。

このギャップが大きければ、
大きいほど障害は起きやすくなります。


同じ80のトレーニングでも、
70の選手にとっては、適度な負荷がかかりますし、

90の選手にとっては、
物足りなく感じることでしょう。


団体競技では、
特に選手間にコンディションの差があり、
元々のポテンシャルや、
その日の状態によっても、
怪我のしやすさが変わってきます。


プレー中に痛みがあれば休め!


では、
痛みがある場合、
どのタイミングで休むべきなのか?


それは、
「プレー中に痛みを感じたら。」です。


障害には程度があります。

第1相 
スポーツ中は全く痛みなく、プレーが可能であるが、
活動後、翌朝に痛みが生じる

第2相
スポーツ活動中に僅かな痛みを感じるが(活動後の痛みもある)
プレーには全く支障がない

第3相
常に痛みがあり、プレーに支障をきたす

第4相
腱や靭帯の明らかな損傷


この、
第1相と、第2相の間が境界となります。


第1相では、
活動を中止させずに治療を行います。


しかし、

第2相では、
活動を中止させ治療に専念させた方がいいでしょう。



ただ、


この段階の選手はとても多く、
この程度でトレーニングを休む選手は
いないのではないでしょうか?


全く支障なくプレーができているので、
休みたくない気持ちも分かります。


しかし、

このままプレーを続けていると、
第3相、第4相と進行してしまい、
徐々にパフォーマンスを落としてしまいます。


そして、
痛みがある状態でプレーを続けていても、
トレーニングによる上達も見込めません。


特に、
小学生、中学生年代は、
上手くなりたいという気持ちから、
一生懸命に練習をし、
痛みを我慢してプレーしている印象があります。


これが、
人によっては逆効果になってしまっている可能性が
あるのです。


どうすればいいのか?


では、どうすればいいのでしょうか?

トレーニングを休んだ方がいいのは分かった。
休んで、痛みが取れたら、
トレーニングを再開していいのか?


答えは、
NOです。


なぜか?


それは、
障害が起こるのは、
体の強さと、
トレーニングの負荷にギャップがあるから。


休んだだけでは、
このギャップが埋まるはずもなく、
そのまま、
プレーを再開してしまうと、

必ず、
再発を繰り返してしまいます。


では、
どうするか?


「患部は安静にしながら、
周囲を鍛える」
ことで、
再発を防ぐことができます。


これには、
今、自分の体はどういう状態にあるのか?を、
正しく見極める必要があります。

硬い部分は、ほぐさなきゃいけなし、
弱い部分は、鍛えなきゃいけないし、
上手く使えてない部分は、正しく動かせるようにする必要があります。


これって、
自分では難しいですよね?


だから、
痛みが出たら早い段階で、
整形外科や、整骨院、
チームのトレーナーさんに診てもらうんです。



上手くハマった症例


中学生で、
腰痛の選手がいました。

程度としては、
上の、第2相で、
トレーニングには支障はないが、
痛みが出るのが不安で、
プレーも思いっきりできていない状態。


そこで、
本人と話した上で、
一度休むことにしました。


治療のおかげで、
今は、痛みもなく、
再発予防のトレーニングを指導し、
思いっきりプレーできるようになりました。


本人の感想として、
「今までは、痛みを気にしながらプレーしてたけど、
 今は、痛みなく思いっきりプレーできてるから、
 めちゃくちゃ楽しいです!」

ということです。


これが、
本心で、
痛みなくプレーできるって、
本当に楽しいんだと思います。


ただ、
トレーニングを休むときは、
結構悩んだようで、
やはり、
プレーはできているし、
休みたくないし、
相当勇気がいったと思います。


自然と笑顔も増えたし、
上手くハマった症例でした。




あなたのその痛み、
そのままでいいんですか?

普段のそのプレー、
楽しめていますか?



それでは、また!


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