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少しずつ目が見えなくなる人に世界はどう見えてきたのか

動物界脊椎動物門ホニュウ綱霊長目ヒト科 ヒト属ヒト

要するに人間であることは間違いないのですが

私の遺伝子には目が少しずつ見えなくなるというプログラムが載っかっていたため

ノーマル地球人とは少し異なる独特の生態を持っています

例えば
ゴミ箱、車止め、ハイハイ中の赤ちゃん、書店でかがみ込んで書棚を物色している人
自分の膝から下にあるものは何でも何度でも蹴り飛ばす
※さすがに赤ちゃんは未遂

とか

雨上がりに水たまりをよけた直後にほぼ必ず隣の水たまりにハマる

とか

はじめは自分がおっちょこちょいだと笑える程度で済んでいました

しかし
じわりじわりと何十年もかけて静かに確実に実行されていくこの親切で残酷なプログラムにより

私が生まれて地球が太陽の周りを40数回まわった頃

おっちょこちょいも度が過ぎて

ノーマル地球人でいることがツラくなってきました

この世のルールやシステムが私の身体に合わない!

変態

私は変態する生き物でした

だけど
見た目には何も変わらない
周りの人は私の変化に気づかない
ノーマルではないのにノーマルのふりをしないといけない

それは何よりツライことでした

そんな悶々とした世界から抜け出そうと彷徨ううちに

私は私のルールで生きられるもう一つの世界への扉を見つけました

今まで世界は1つしかないと思っていたものが
そうではないことに気がついた

そうしてあちらとこちらを行ったり来たりする私の旅が始まりました



その旅の中で
大切なこと、この先も忘れたくないこと
今まで目が見えていた時には見えていなかったものがたくさん見えてきました

まだまだ旅は続きます

これから先も変わりゆく身体でどんなものが見えるのか
もちろん怖さもありますが楽しみでもあります

楽しみがないと人生やってられない!


「目の見えない人は世界をどう見ているのか」
多くの人の目のウロコを削ぎ落とす伊藤亜紗さんの名著に準え

言うなればこれはわたし版
「少しずつ目が見えなくなる人に世界はどう見えてきたのか」

そんな旅の記録のつもりで綴ります




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