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湖をまるっと1周サイクリング:トゥースラ湖畔芸術村(フィンランド)

シベリウスの晩年の住まいアイノラがあるトゥースラ湖周辺は、19世紀に数多くの芸術家が移り住んでコミュニティを作っていました。シベリウスはもちろん、作家Aleksis KiviJuhani Aho画家Eero JärnefeltPekka Halonen、詩人 J. H. Erkkoなど、国民的と称えられる顔ぶれで、その邸宅が博物館として公開されています。

巡回バスHop on busもあるらしいのですが、トゥースラ湖は一周24kmなので、自転車を借りて回ることにしました。車がない場合は自転車が便利で楽しいと思います。

画像:Visir Tuusulanjarviより




*クロスバイクをレンタル~VR乗車

スポーツバイクに乗りたかった私は、Bicyclean Helsinkiでネット予約しました。ショップはトーベ・ヤンソン公園の先の一画にあり、目立つ場所ではないけれど、親子連れが借りにきていました。 

子供用の自転車のペイントがキュート


自転車屋さんって癖強めだったりしますが、ここはとってもフレンドリーでした。 国際免許証を預けて借りました。パスポート・トラブルを避けるために、いつも国際免許証を身分証がわりに持っていきます。


レンタル期間は、1dayから1週間までお好みで。 


白とピンクのお洒落なバイクで気分アップ♪

パンクしないことを祈るのみ


自転車専用ライン+石畳をゴトゴト走って、ヘルシンキ中央駅へ。とりあえず窓口へ行ってみたら、係の女性が笑顔でとても親切に接してくれました。こういうとき、フィンランドの人ってほんと親切なんですよね。うっかりすると余計な世間話の一つもしてしまいそう。混んでいたらそうはいかないけど、のんびりした空気でした。券売機やアプリもありますが、ささやかなコミュニケーションは旅の思い出になります。


自転車の持ち込みは特に手続きもないので、そのまま近郊列車のホームにやってきました。お隣のホームにも自転車で乗り込んでいるカップルの姿が。どこに行くのかな。


この車両、自転車は良くてペットはNGでした。別の車両ではOKなのかもしれません。


自転車を固定して一息つくと、ドアが閉まって静かに電車が動き出しました。うふっ❤ これがやりたかったのよね~  

最初のミッション、だん♪


40分ほどでアイノラ駅に到着。 次のヤルヴェンパー下車が一般的ですが、アイノラからサイクリングを始めたかったので、ここで降りました。 

何にもない・・・アイノラに行くための駅にしか思えない



*アイノラ

シベリウスの邸宅アイノラは、以前と変わらず、田園風景のなかにひっそりたたずんでいました。


併設のカフェAulisに寄って、軽く腹ごしらえ。今回は湖を1周することがメインなので、観光スポットの開館時間などは調べていません。自分のペースに合わせて休憩、気が向いたところに寄ることにして、さあ出発!

Cafe Aulis


観光&休憩スポットが程よく点在し、景色を楽しめるゆるサイクリングは最高~~☆

るん♪



ロッタ博物館(Lotta Museum)

戦時下、献身的に後方支援を行っていたロッタ・スヴァルドと呼ばれる女性の自主防衛組織のミュージアムです。 


ロッタ・スヴァルトはヤーネフェルトの詩にでてくる兵士の妻(架空)の名前で、1918年にマンネルハイム元帥が命名しました。 ロッタたちは看護や事務仕事、装備、防空監視などを担っていました。


前線に出ていく場合もありました。 


ロッタに応募するには、(少なくとも初期は)クリスチャンとか推薦人が必要等の条件があったそうです。動員ではないのですね。



トゥースラ教会(Tuusula Church)

ゆるやかな上り坂をあがったところに教会が建っていました。少し汗ばんでほてった身体を落ち着かせようと、自転車を降りました。

フィンランド最古の十字架教会のひとつ


172 人の兵士が眠る裏手の墓地。そのなかにはロッタを務めた女性もいます。そっと見守るように2人の兵士像「帰らざる道」(1953年)が立っていました。多くの古い教会と同じように小高い場所にあり、湖と周辺の景色がよく見えました。A.キヴィやP.ハロネンのお墓があります。

シベリウスもここへの埋葬を願っていたらしい



*サルヴィカッリオ(Sarvikallio viewing point)

湖面から25mくらいの高さにあるビューポイントです。 

ごろごろ岩がフィンランドらしい


ミュージアムにも素敵なカフェはあるけれど、岩に座って湖の景色を眺めるのはやっぱり至福のひと時。



ヴィラ・コッコネン(Villa Kokkonen)

作曲家ヨーナス・コッコネン(Joonas Kokkonen)のためにアルヴァ・アアルトが設計した邸宅です(1969年) 巨匠の傑作にふさわしく、たくさんの人が訪れていました。黒みを帯びたシンプルな外観を眺めて、ヤルヴェンパー駅へ向かいました。


芸術&カルチャーと自然の両方が楽しめるトゥースラ湖畔。芸術家村が作られたのはフィンランドの独立前夜・・・その頃の空気感をもっと知りたくなりました。今回スルーしたところは次の機会にぜひ訪れたいです。


<公式サイト>


<ミュージアム>


仕上げにヘルシンキの三越ストックマンの地下で一息。なんとコーヒーカップが湯飲みでした。 日本ではシナモンロールが流行って、こちらでは抹茶ブームだなんて、お互いに無いものを求めるのか・・・面白いですね。

お疲れ様!